Tuning Manager - Agent for SAN Switch

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2.1.1 インストールとセットアップの前に

HTM - Agent for SAN Switchをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。

この項の構成
(1) 前提OS
(2) 監視対象ファブリック
(3) ネットワークの環境設定
(4) インストールに必要なOSユーザー権限について
(5) 前提プログラム
(6) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(7) 仮想化システムでのインストールとセットアップについて
(8) インストール済みのHTM - Agent for SAN Switchのバージョンを確認する
(9) セキュリティ関連プログラムの有無を確認する
(10) 障害発生時の資料採取の準備
(11) Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)への接続手順
(12) 注意事項

(1) 前提OS

HTM - Agent for SAN Switchの前提OSについては,「ソフトウェア添付資料」の適用OSについて説明している個所を参照してください。

(2) 監視対象ファブリック

HTM - Agent for SAN Switchが監視できるファブリックの構成を次に示します。

どの場合も,サポート対象外のスイッチまたはサポート対象外のファームウェアバージョンのスイッチが含まれるファブリックの監視はサポートしません。監視対象のファブリックにサポート対象外のスイッチまたはサポート対象外のファームウェアバージョンのスイッチが含まれる場合は,これらのスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定して,監視対象から除外してください。サポート対象外のスイッチの情報を監視対象外スイッチ設定ファイルに指定する方法については,「2.1.4 HTM - Agent for SAN Switchのセットアップ手順」の「(9) 監視対象外のスイッチの設定[図]」を参照してください。

なお,監視対象外スイッチ設定ファイルに指定できるのは,Brocade社製のスイッチだけです。

注意
McDATA CorporationはBrocade Communications Systems. Inc.となりました。このマニュアルでは,「Brocade社製スイッチ(M-Model)」と表記している場合,旧McDATA社のスイッチを示します。また,「Brocade社製スイッチ(B-Model)」と表記している場合,旧McDATA社のスイッチは含みません。

HTM - Agent for SAN Switchのサポート対象製品,必要なBrocade社製ソフトウェア,Cisco社製ソフトウェア,およびサポートするスイッチのオプション機器一覧については,「ソフトウェア添付資料」のシステム内前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。

(3) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

IPアドレスの設定

PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

注意
  • 監視ホスト名は,ドメイン名を除いて指定してください。Performance Management は,DNS環境でも運用できますが,FQDN形式のホスト名には対応していません。
  • Performance Managementは,DHCPによる動的なIPアドレスが割り振られているホスト上では運用できません。Performance Managementを導入するすべてのホストに,固定のIPアドレスを設定してください。
  • 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
  • 名前解決を実施するホスト名のIPアドレスにループバックアドレスは設定できません。
  • hostsファイルにlocalhostとしてループバックアドレスの設定が必要です。

Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でも,Performance Managementを運用できます。IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でのPerformance Managementの運用については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,ネットワークの構成について説明している個所,およびインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表2-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(Windowsの場合)

機能 サービス名 パラメーター ポート番号 備考
サービス構成情報管理機能 Name Server jp1pcnsvr 22285 PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。
Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能 NNM Object Manager jp1pcovsvr 22292 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能 Status Server jp1pcstatsvr 22350 PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。

これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(4) インストールに必要なOSユーザー権限について

HTM - Agent for SAN Switchをインストールするときは,必ず,Administrators権限を持つアカウントで実行してください。

(5) 前提プログラム

HTM - Agent for SAN Switchを管理するためのプログラムについては,「ソフトウェア添付資料」の同一装置内前提ソフトウェアまたはシステム内前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。また,仮想化システムで運用する場合に必要な製品については,「ソフトウェア添付資料」の機能別/条件付前提ソフトウェアについて説明している個所を参照してください。

(6) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「4. クラスタシステムでの運用」を参照してください。

(7) 仮想化システムでのインストールとセットアップについて

仮想化システムでのHTM - Agent for SAN Switchのインストール手順およびセットアップ手順は,非仮想化システムの場合と同じです。インストール手順については「2.1.3 インストール手順」を,セットアップ手順については「2.1.4 HTM - Agent for SAN Switchのセットアップ手順」を参照してください。

(8) インストール済みのHTM - Agent for SAN Switchのバージョンを確認する

インストール済みのHTM - Agent for SAN Switchのバージョンを確認する方法について説明します。

Windows Server 2003の場合
Tuning Managerシリーズのv6.0以降では,HTM - Agent for SAN Switchのバージョンを[コントロールパネル]の[プログラムの追加と削除]から確認できます。製品のサポート情報へのリンクをクリックして表示されるダイアログを確認してください。ダイアログが表示されない場合は,jpctminfoコマンドで確認してください。

Windows Server 2008およびWindows Server 2012の場合
HTM - Agent for SAN Switchのバージョンを[コントロールパネル]の[プログラムと機能]から確認できます。製品を選択して,[整理]-[レイアウト]-[詳細ペイン]または[詳細ウィンドウ]に表示される製品バージョンを確認してください。または,jpctminfoコマンドで確認してください。

jpctminfoコマンドは,実行ホストにインストールされたHTM - Agent for SAN Switchの製品情報を表示するコマンドです。このコマンドを使用すると,バージョンおよび修正パッチ履歴情報を確認できます。

コマンドの格納先フォルダを次に示します。

   インストール先フォルダ\tools\

HTM - Agent for SAN Switchのバージョンを確認したい場合,次のように指定してコマンドを実行します。

   jpctminfo agtw

コマンドを実行すると,次の例のように,製品のバージョンが表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for SAN Switch
   VERSION  7.0.0-00(07-00-00)
 

また,修正パッチ履歴情報を付加して製品情報を表示したい場合,次のように-pオプションを指定してコマンドを実行します。

   jpctminfo agtw -p

修正パッチがインストールされている場合,-pオプションを指定してコマンドを実行すると,次の例のように,修正パッチのバージョンとインストール日が表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for SAN Switch
   VERSION  7.0.0-02(07-00-02)
   PATCH    DATE
   070001   2010/01/31
   070002   2010/02/28

修正パッチがインストールされていない場合,-pオプションを指定してコマンドを実行すると,次の例のように,修正パッチのインストール履歴がないことを示すメッセージが表示されます。

(例)

   PRODUCT  Hitachi Tuning Manager - Agent for SAN Switch
   VERSION  7.0.0-00(07-00-00)
   KAVF24903-I 修正パッチの履歴情報はありません

(9) セキュリティ関連プログラムの有無を確認する

次に示すプログラムがインストールされていないかどうか確認してください。インストールされている場合,次の説明に従って対処してください。

(10) 障害発生時の資料採取の準備

トラブルが発生した場合にメモリーダンプ,クラッシュダンプ,ユーザーモードプロセスダンプなどが必要になることがあります。トラブル発生時にこれらのダンプを採取する場合は,あらかじめダンプが出力されるように設定してください。

Windows Server 2003の場合の設定方法

Windows Server 2008またはWindows Server 2012の場合の設定方法

(11) Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)への接続手順

Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続して,Cisco社製のスイッチを監視するための手順を次に示します。

  1. 監視対象スイッチにFM_Serverライセンスをインストールする。
    インストール手順の詳細については,Cisco社のマニュアルを参照してください。
  2. DCNM-SANをインストールする。
    インストール手順の詳細については,Cisco社のマニュアルを参照してください。
  3. DCNM-SANで監視対象ファブリックを設定する。
    設定手順の詳細については,Cisco社のマニュアルを参照してください。
  4. HTM - Agent for SAN Switch のバージョンがv7.2.1 より前の場合,Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続してCisco社製スイッチを監視する方法をv7.2.1以降でサポートしているため,v7.2.1 以降へバージョンアップインストールする。
  5. Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続するインスタンスを作成する。
    Cisco(Seed Switch)に接続して監視中のCisco社製スイッチが所属するファブリックに対し構成変更する場合
    接続先をCisco(Seed Switch)からCisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)へ切り替える手順を次に示します。

    1. Cisco(Seed Switch)に接続するインスタンスに対してjpcconf inst unsetup (jpcinsunsetup)コマンドを実行し,インスタンスを削除する。
      jpcconf inst unsetup (jpcinsunsetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
    2. Tuning Manager serverのホストでjpctool service delete (jpcctrl delete)コマンドを実行し,Cisco(Seed Switch)に接続するインスタンスの情報を削除する。
      jpctool service delete (jpcctrl delete)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドの章を参照してください。
    3. Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続するインスタンス環境の設定をする。
      インスタンス環境の設定方法については,「2.1.4 HTM - Agent for SAN Switchのセットアップ手順」の「(3) インスタンス環境の設定」を参照してください。
    Cisco社製のスイッチで構成されたファブリックを新たに監視する場合

    1. Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)に接続するインスタンス環境の設定をする。
      インスタンス環境の設定方法については,「2.1.4 HTM - Agent for SAN Switchのセットアップ手順」の「(3) インスタンス環境の設定」を参照してください。
注意
  • 接続先をCisco(Seed Switch)からCisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)へ切り替えると,HTM - Agent for SAN Switchによる監視がスイッチ単位からファブリック単位となります。このため,Storeデータベースに格納された履歴データを引き継ぐことができません。
    Cisco(Seed Switch)に接続して収集した履歴データを保存する必要がある場合,Cisco(DCNM-SAN SMI-S Agent)への切り替えを実行する前に,履歴レポートをファイル出力してください。履歴レポートのファイル出力には,Performance Reporter のjpcrptコマンドを使用します。jpcrptコマンドの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software ユーザーズガイド」を参照してください。
  • DCNM-SAN v5.2を使用する場合,次のレコードは監視対象ファブリック中のストレージ,およびストレージに所属するポートの情報収集はサポートしていません。
    ・PD_DEVD
    ・PD_PTD
    ・PD_CPTD
    ・PI
  • HTM - Agent for SAN Switch v7.4.1またはv7.5で,DCNM-SAN v6.1を使用する場合,次のレコードは監視対象ファブリック中のストレージ,およびストレージに所属するポートの情報収集はサポートしていません。
    ・PI

(12) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

環境変数に関する注意事項

Performance Managementが使用しているため,JPC_HOSTNAMEを環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストにPFM - ManagerとPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。

参考
システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - ManagerとPFM - Agentをそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。

バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。

HTM - Agent for SAN Switchの監視対象についての注意事項

HTM - Agent for SAN Switchの監視対象についての注意事項を次に示します。

その他の注意事項

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