Tuning Manager - Agent for RAID
Performance Managementのパフォーマンスデータの収集と管理に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- この項の構成
- (1) データの保存期間を短く設定しても,PFM - AgentのStoreデータベースのサイズが小さくならない
- (2) 共通メッセージログにKAVE00128-Eメッセージが出力される
- (3) PFM - Agentを起動してもパフォーマンスデータが収集されない
- (4) レコードの値が不正になる
- (5) PI_LDSレコードまたはPI_PLSレコードの論理デバイスの読み取り/書き込み処理要求当たりの処理時間に関する性能情報が,実際の値より小さな値で表示される
- (6) 共通メッセージログにKAVE00166-Wメッセージが継続して出力される
- (7) 共通メッセージログにKAVE00227-Wメッセージが継続して出力される
- (8) Agent Storeサービスの状態が継続的に「Busy」となる
(1) データの保存期間を短く設定しても,PFM - AgentのStoreデータベースのサイズが小さくならない
Storeバージョン1.0でStoreデータベースのファイル容量がすでに限界に達している場合,データの保存期間を短く設定してもファイルサイズは小さくなりません。この場合,保存期間を短く設定したあと,いったんStoreデータベースをバックアップし,リストアし直してください。
データの保存期間の設定方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」の,エージェントの管理と設定について説明している個所を参照してください。また,Storeデータベースのバックアップとリストアの方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,バックアップとリストアについて説明している章を参照してください。
(2) 共通メッセージログにKAVE00128-Eメッセージが出力される
予期しないサービスの停止またはマシンのシャットダウンによって,Storeデータベースに不整合なデータが発生したおそれがあります。次の方法で対処をしてください。
- Storeデータベースをバックアップしてある場合は,Storeデータベースをリストアしてください。
- Storeデータベースをバックアップしていない場合は,Agent Storeサービスを停止したあと,対応するデータベースファイル(*.DBファイルおよび*.IDXファイル)を削除し,サービスを再起動してください。
(3) PFM - Agentを起動してもパフォーマンスデータが収集されない
次の方法で対処してください。
- 起動状況および設定を確認してください。
- インスタンス環境のセットアップ時の設定を見直してください。
jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを実行して,各項目の正しい値を設定し直してください。jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
HUS VM,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,SANRISE Hシリーズ,およびSANRISE9900Vシリーズのストレージシステムを監視する場合,HTM - Agent for RAIDの起動中にストレージシステムでLUSEを作成すると,次回の構成情報収集が完了するまで,次のレコードの値が不正となることがあります。
- 次のレコードのうち,作成したLUSE内にある代表の論理デバイス以外の論理デバイスに関する値
- Logical Device Summary(PI_LDS)レコード
- Logical Device Summary 1(PI_LDS1)レコード
- Logical Device Summary 2(PI_LDS2)レコード
- Logical Device Summary 3(PI_LDS3)レコード
- LDEV Summary - Extended(PI_LDE)レコード
- LDEV Summary 1 - Extended(PI_LDE1)レコード
- LDEV Summary 2 - Extended(PI_LDE2)レコード
- LDEV Summary 3 - Extended(PI_LDE3)レコード
- RAID Group Summary(PI_RGS)レコードのうち,作成したLUSE内にある代表の論理デバイス以外の論理デバイスが所属するパリティグループに関する値
- Logical Device Aggregation(PI_LDA)レコードのストレージシステムに関するすべての値
次のどちらかの方法で,この問題を回避してください。
- HTM - Agent for RAIDを停止してから,LUSEを作成する。LUSEを作成したあと,HTM - Agent for RAIDを再起動する。
- LUSEを作成したあと,すぐにjpctdrefreshコマンドを実行する。
- 注意
- LUSEの作成完了から,jpctdrefreshコマンドを実行して構成情報収集処理が完了するまでの間に,これらのレコードが収集された場合は,そのタイミングでのこれらのレコードの値が不正となることがあります。レコードの値を参照する場合は,構成情報収集処理が完了したあとに収集されたレコードの値を参照してください。
(5) PI_LDSレコードまたはPI_PLSレコードの論理デバイスの読み取り/書き込み処理要求当たりの処理時間に関する性能情報が,実際の値より小さな値で表示される
HUS VM,Virtual Storage Platformシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Hitachi USP,またはSANRISE9900Vシリーズのストレージシステムを監視する場合,次に示すレコードの,論理デバイスの読み取り/書き込み処理要求当たりの処理時間に関する性能情報が,実際の値より小さな値で表示されることがあります。
- Logical Device Summary(PI_LDS)レコード
- Logical Device Summary 1(PI_LDS1)レコード
- Logical Device Summary 2(PI_LDS2)レコード
- Logical Device Summary 3(PI_LDS3)レコード
- Pool Summary(PI_PLS)レコード
論理デバイスに大量の読み取り/書き込み要求による負荷が継続的に掛かっている場合,この問題が発生するおそれがあります。次に示す方法で,この問題を回避してください。
- Main Consoleで表示する場合
Logical Device Summary(PI_LDS)レコードのCollection Intervalの値を60秒に設定する。- Performance Reporterで表示する場合
レポートの設定または表示時に指定するRefresh Intervalの値を60秒に設定する。ただし,Collection Intervalを60秒に設定することによって,次の問題が発生するおそれがあります。
- 共通メッセージログにKAVE00227-Wメッセージが継続して出力される。
- Agent Storeサービスの状態が継続的に「Busy」となる。
それぞれの問題の解決方法については,「(7) 共通メッセージログにKAVE00227-Wメッセージが継続して出力される」および「(8) Agent Storeサービスの状態が継続的に「Busy」となる」を参照してください。
(6) 共通メッセージログにKAVE00166-Wメッセージが継続して出力される
対処方法を次に示します。
- HTM - Agent for RAIDで監視する論理デバイスの数が多いと,Storeデータベースへのパフォーマンスデータの格納が遅延したり,パフォーマンスデータが欠落したりするおそれがあります。
共通メッセージログにKAVE00166-Wメッセージが継続して出力されている場合,次に示す2つの方法のうちどちらかの方法で対処してください。
- PIレコードタイプのレコードのCollection Intervalの値に,デフォルトの値よりも大きな値を指定します。
- HTM - Agent for RAIDが提供する論理デバイス定義ファイル(ldev_filter.ini)を使用して,HTM - Agent for RAIDで監視する論理デバイスの数を絞り込みます。論理デバイス定義ファイルの設定方法については,「5. パフォーマンスデータの収集条件の変更」を参照してください。
- jpctool service list(jpcctrl list)コマンドで表示されるAgent StoreサービスのStatusが継続的に「Busy」となる場合,Storeデータベースへのパフォーマンスデータの格納が遅延したり,パフォーマンスデータが欠落したりするおそれがあります。
共通メッセージログにKAVE00166-Wメッセージが継続して出力されている場合,「(8) Agent Storeサービスの状態が継続的に「Busy」となる」に示す対処を実施してください。
(7) 共通メッセージログにKAVE00227-Wメッセージが継続して出力される
Collection Intervalの値が小さ過ぎる場合,パフォーマンスデータが欠落するおそれがあります。
KAVE00227-Wメッセージが継続して出力されている場合は,Storeデータベースサイズを確認してください。Storeデータベースサイズが2GBを超えた場合,それ以降に収集したパフォーマンスデータは,Storeデータベースに格納されません。Collection Intervalの値を大きくするか,HTM - Agent for RAIDが提供する論理デバイス定義ファイル(ldev_filter.ini)を使用して,HTM - Agent for RAIDで監視する論理デバイスの数を絞り込んでください。論理デバイス定義ファイルの設定方法については,「5. パフォーマンスデータの収集条件の変更」を参照してください。
(8) Agent Storeサービスの状態が継続的に「Busy」となる
jpctool service list(jpcctrl list)コマンドで表示されるAgent StoreサービスのStatusが継続的に「Busy」となる場合,次の現象が発生することがあります。
- 共通メッセージログにKAVE00166-Wメッセージが出力され,Storeデータベースへのパフォーマンスデータの格納が遅延する
- 共通メッセージログにKAVE00213-Wメッセージが出力され,パフォーマンスデータの収集がスキップされる
- 共通メッセージログにKAVE00187-Eメッセージが出力され,レコードが生成されない
- 標準エラー出力および共通メッセージログにKAVE06018-Wメッセージが出力され,jpctool db backup(jpcctrl backup)コマンドによるStoreデータベースのバックアップが失敗する
この現象が発生する要因を次に示します。
セキュリティ関連プログラムをTuning Managerシリーズプログラムと同時に使用している
Agent StoreサービスのStatusが継続的に「Busy」となる要因として,次に示すセキュリティ関連プログラムの影響が考えられます。
- セキュリティ監視プログラム
- ウィルス検出プログラム
- プロセス監視プログラム
ファイルへの入出力動作をリアルタイムに監査する機能を持つセキュリティ関連プログラムをTuning Managerシリーズプログラムと同時に使用する場合,セキュリティ関連プログラムがTuning Managerシリーズプログラムのパフォーマンスデータの格納やログ出力などの動作を監査すると,Tuning Managerシリーズプログラムの処理性能が極端に低下するなどの問題が発生するおそれがあります。
このような問題の発生を防ぐためには,セキュリティ関連プログラム側で「付録G. ファイルおよびディレクトリ一覧」に示すディレクトリ,または「付録D. プロセス一覧」に示すプロセスをファイル入出力動作監査の対象外に設定してください。
PI_LDSレコードのCollection Intervalの値が小さ過ぎる
Agent StoreサービスのStatusが継続的に「Busy」となる要因として,Logical Device Summary(PI_LDS)レコードのCollection Intervalの値が,収集したパフォーマンスデータを格納するために必要な時間に対して小さ過ぎることが考えられます。
HTM - Agent for RAIDで監視できる論理デバイスの数は,論理デバイス性能情報のCollection Interval,およびHTM - Agent for RAIDがインストールされているホストの性能,同時に稼働するプログラムの負荷などによって異なります。
HTM - Agent for RAIDで5,000個の論理デバイスを60秒周期で監視する場合の,HTM - Agent for RAIDを稼働させるホストの構成例を次に示します。
- CPU:Intel® Xeon™ CPU 3.60GHz(2 processor)
- メモリー:4GB
- OS:Windows Server 2008
- ホストで稼働しているプログラム:Agent for RAIDだけ
HTM - Agent for RAIDを稼働させるホストの性能または稼働条件が十分でないために,Agent StoreサービスのStatusが継続的に「Busy」となる場合は,Logical Device Summary(PI_LDS)レコードのCollection Intervalの値を大きくするか,HTM - Agent for RAIDが提供する論理デバイス定義ファイル(ldev_filter.ini)を使用して,HTM - Agent for RAIDで監視する論理デバイス数を絞り込んでください。論理デバイス定義ファイルの設定方法については,「5. パフォーマンスデータの収集条件の変更」を参照してください。
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