Tuning Manager - Agent for RAID
インストールおよびセットアップを開始する前に前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。
- この項の構成
- (1) 前提条件
- (2) 論理ホスト運用するHTM - Agent for RAIDのセットアップに必要な情報
- (3) HTM - Agent for RAIDで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項
- (4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項
- (5) AIX環境でHAモニタを使用する場合の注意事項
HTM - Agent for RAIDをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。
次の条件が整っていることを確認してください。
- クラスタシステムがクラスタソフトによって制御されていること。
- クラスタソフトが論理ホスト運用するHTM - Agent for RAIDの起動や停止などを制御するように設定されていること。
次の条件が整っていることを確認してください。
- 論理ホストごとに共有ディスクがあり,実行系ノードから待機系ノードへ引き継げること。
- 共有ディスクが,各ノードに物理的にFibre Channel,FCoEまたはSCSIで接続されていること。
Performance Managementでは,ネットワークドライブや,ネットワーク経由でレプリケーションしたディスクを共有ディスクとして使う構成はサポートされていません。- フェールオーバーの際に,何らかの問題によって共有ディスクを使用中のプロセスが残った場合でも,クラスタソフトなどの制御によって強制的に共有ディスクをオフラインにしてフェールオーバーできること。
- 1つの論理ホストでPFM - ManagerやPFM - Agentを複数実行する場合,共有ディスクのディレクトリ名が同じであること。
なお,Storeデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。次の条件が整っていることを確認してください。
- 論理ホストごとに論理ホスト名,および論理ホスト名と対応する論理IPアドレスがあり,実行系ノードから待機系ノードに引き継げること。
- 論理ホスト名と論理IPアドレスが,hostsファイルやネームサーバに設定されていること。
- DNS運用している場合は,FQDN名ではなく,ドメイン名を除いたホスト名を論理ホスト名として使用していること。
- 物理ホスト名と論理ホスト名は,システムの中でユニークであること。
- 注意
- 論理ホスト名に,物理ホスト名(uname -nコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常に通信処理がされなくなるおそれがあります。
- 論理ホスト名に使用できる文字は,1~32バイトの半角英数字です。次の記号および空白文字は指定できません。
/ \ : ; * ? ' " < > | & = , .- 論理ホスト名には,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名を指定できません。
(2) 論理ホスト運用するHTM - Agent for RAIDのセットアップに必要な情報
論理ホスト運用するHTM - Agent for RAIDをセットアップするには,通常のHTM - Agent for RAIDのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の情報が必要です。
表4-4 論理ホスト運用のHTM - Agent for RAIDのセットアップに必要な情報(UNIXの場合)
項目 例 論理ホスト名 jp1-ha1 論理IPアドレス 172.16.92.100 共有ディスク /jp1 なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。
共有ディスクに必要な容量については,「付録A. システム見積もり」を参照してください。
(3) HTM - Agent for RAIDで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項
HTM - Agent for RAIDを論理ホスト運用するシステム構成の場合,HTM - Agent for RAIDの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。
HTM - Agent for RAIDの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,HTM - Agent for RAIDが動作している同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与える可能性があります。
HTM - Agent for RAIDに異常が発生しても,同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションの動作に影響がないように,必要に応じてクラスタソフトの設定を次のどちらかにしてください。
- HTM - Agent for RAIDの動作監視をしない
- HTM - Agent for RAIDの異常を検知してもフェールオーバーしない
論理ホスト運用のHTM - Agent for RAIDをバージョンアップする場合は,実行系ノードまたは待機系ノードのどちらか一方で,共有ディスクをオンラインにする必要があります。
AIX環境で,HAモニタを使用したクラスタシステムでHTM - Agent for RAIDを運用する場合のコマンドの設定について説明します。
serversファイルを使用したサーバの環境設定で,server定義文のnameオペランドに指定するスクリプトでは,次のコマンドを実行してからjpcspm start(jpcstart)コマンドを実行するように設定してください。
ulimit -s 32768HAモニタの設定については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編」を参照してください。
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