Tuning Manager Software インストールガイド

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2.9 カーネルパラメーターの設定方法(Solarisの場合)

Tuning Manager serverをインストールする前に,Solarisのカーネルパラメーターに適切な値を設定する必要があります。カーネルパラメーターの値は,次のファイルに設定してください。

Solaris 9の場合
/etc/systemファイル

Solaris 10の場合
  • /etc/projectファイル
  • /etc/systemファイル

カーネルパラメーターの値が適切に設定されていないと,インストールに失敗します。

次の手順に従って,カーネルパラメーターの値を設定してください。なお,カーネルパラメーターの値の確認および設定は,rootユーザーで実施します。

Solaris 9の場合:
手順1,手順2,手順5および手順6を実施してください。

Solaris 10の場合:
手順1,手順3,手順4,手順5および手順6を実施してください。

  1. カーネルパラメーターのバックアップを取得します。
    カーネルパラメーターを設定する前に,次の方法で,カーネルパラメーターのバックアップを取得してください。

    Solaris 9の場合:
    /etc/systemファイルのバックアップを取得します。

    Solaris 10の場合:
    /etc/systemファイルのバックアップを取得します。
    また,prctlコマンドなどを使用してuser.rootプロジェクトおよびsystemプロジェクトで有効になっている値をそれぞれ確認し,記録します。確認方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
  2. Solaris 9の/etc/systemファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
    カーネルパラメーターの値は,「表2-2 Solaris 9の/etc/systemファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値」を参照して,次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max{x,y,z}”は,x,y,zの中で最も大きい値を選択するという意味です。

    shmsys:shminfo_shmmax以外の場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + Max { <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }

    shmsys:shminfo_shmmaxの場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> }, <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値> , <HiRDBの推奨値> }

    注意
    各カーネルパラメーターの最大値は,OSが規定する最大値を超えないようにしてください。
  3. Solaris 10の/etc/projectファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
    カーネルパラメーターの値は,「表2-3 Solaris 10の/etc/projectファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値」を参照して,次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max{x,y,z}”は,x,y,zの中で最も大きい値を選択するという意味です。

    project.max-shm-memory以外の場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + Max { <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }

    project.max-shm-memoryの場合:
    カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>

    注意
    各カーネルパラメーターの最大値は,OSが規定する最大値を超えないようにしてください。
  4. Solaris 10の/etc/systemファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
    Solaris 10の/etc/systemファイルに設定する各カーネルパラメーターの値は,手順3で算出した値(Solaris 10の/etc/projectファイルに設定する各カーネルパラメーターの値)を使用して,次の計算式に従い算出してください。
    なお,次の計算式に示す<各プロジェクトの<パラメーター名>の有効値>は,prctlコマンドなどを使用して確認します。確認方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
    • msgsys:msginfo_msgmni = Max { <算出したproject.max-msg-idsの値>, <各プロジェクトのproject.max-msg-idsの有効値のうちの最大値> }
    • msgsys:msginfo_msgtql = Max { <算出したprocess.max-msg-messagesの値>, <各プロジェクトのprocess.max-msg-messagesの有効値のうちの最大値> }
    • semsys:seminfo_semmni = Max { <算出したproject.max-sem-idsの値>, <各プロジェクトのproject.max-sem-idsの有効値のうちの最大値> }
    • semsys:seminfo_semmsl = Max { <算出したprocess.max-sem-nsemsの値>, <各プロジェクトのprocess.max-sem-nsemsの有効値のうちの最大値> }
    • semsys:seminfo_semopm = Max { <算出したprocess.max-sem-opsの値>, <各プロジェクトのprocess.max-sem-opsの有効値のうちの最大値> }
    • shmsys:shminfo_shmmni = Max { <算出したproject.max-shm-idsの値>, <各プロジェクトのproject.max-shm-idsの有効値のうちの最大値> }
    • shmsys:shminfo_shmmax = Max { <算出したproject.max-shm-memoryの値>, <各プロジェクトのproject.max-shm-memoryの有効値のうちの最大値> } / shmsys:shminfo_shmmni

    注※
    除算の結果は,小数点以下を切り上げてください。
  5. 算出した各カーネルパラメーターの値を設定します。
    Solaris 9の場合は/etc/systemファイルに,Solaris 10の場合は/etc/projectファイルおよび/etc/systemファイルに設定します。

    注意
    /etc/projectファイルにカーネルパラメーターを設定する場合,user.rootプロジェクトおよびsystemプロジェクトの両方に,カーネルパラメーターを設定する必要があります。設定方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
  6. 次のコマンドを実行してOSを再起動します。
    shutdown -y -i6 -g0

カーネルパラメーターの値を算出するために必要な値を次に示します。

表2-2 Solaris 9の/etc/systemファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値

カーネルパラメーター (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v7.6.1の推奨値 Device Manager v7.6.1の推奨値 Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値 Replication Manager v7.6.1の推奨値
msgsys:msginfo_msgmni (150) 50 0 44 12 44 0 0
msgsys:msginfo_msgtql (1296) 40 0 15 1205 36 0 0
semsys:seminfo_semmni (1034) 10 1024 9 12 10 1 1
semsys:seminfo_semmns (7260) 60 7200 80 0 125 50 50
semsys:seminfo_semmnu (1054) 30 1024 0 0 0 0 0
semsys:seminfo_semume (522) 10 512 0 0 0 0 0
semsys:seminfo_semmsl (153) 25 128 0 0 0 0 0
semsys:seminfo_semopm (256) 10 128 0 246 0 0 0
shmsys:shminfo_shmmax (1488651648) 8388608 200000000 11546624 966656000 360349696 50000000 100000000
shmsys:shminfo_shmmni (2100) 100 2000 0 0 497 0 0

表2-3 Solaris 10の/etc/projectファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値

カーネルパラメーター (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v7.6.1の推奨値 Device Manager v7.6.1の推奨値 Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値 Replication Manager v7.6.1の推奨値
process.max-msg-messages (9412) 8192 0 15 1205 36 0 0
process.max-sem-nsems (640) 512 128 0 0 0 0 0
process.max-sem-ops (640) 512 128 0 0 0 0 0
project.max-msg-ids (172) 128 0 44 12 44 0 0
project.max-sem-ids (1152) 128 1024 9 12 10 1 1
project.max-shm-ids (2128) 128 2000 0 0 497 0 0
project.max-shm-memory (1665089704) 物理メモリーの1/4 0 26214400 966656000 477087744 100695040 94457000

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