Tuning Manager Software インストールガイド
Tuning Manager serverをインストールする前に,Solarisのカーネルパラメーターに適切な値を設定する必要があります。カーネルパラメーターの値は,次のファイルに設定してください。
- Solaris 9の場合
- /etc/systemファイル
- Solaris 10の場合
- /etc/projectファイル
- /etc/systemファイル
カーネルパラメーターの値が適切に設定されていないと,インストールに失敗します。
次の手順に従って,カーネルパラメーターの値を設定してください。なお,カーネルパラメーターの値の確認および設定は,rootユーザーで実施します。
- Solaris 9の場合:
- 手順1,手順2,手順5および手順6を実施してください。
- Solaris 10の場合:
- 手順1,手順3,手順4,手順5および手順6を実施してください。
- カーネルパラメーターのバックアップを取得します。
カーネルパラメーターを設定する前に,次の方法で,カーネルパラメーターのバックアップを取得してください。
- Solaris 9の場合:
- /etc/systemファイルのバックアップを取得します。
- Solaris 10の場合:
- /etc/systemファイルのバックアップを取得します。
- また,prctlコマンドなどを使用してuser.rootプロジェクトおよびsystemプロジェクトで有効になっている値をそれぞれ確認し,記録します。確認方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
- Solaris 9の/etc/systemファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
カーネルパラメーターの値は,「表2-2 Solaris 9の/etc/systemファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値」を参照して,次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max{x,y,z}”は,x,y,zの中で最も大きい値を選択するという意味です。
- shmsys:shminfo_shmmax以外の場合:
- カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + Max { <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }
- shmsys:shminfo_shmmaxの場合:
- カーネルパラメーターの設定値 = Max { Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> }, <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値> , <HiRDBの推奨値> }
- 注意
- 各カーネルパラメーターの最大値は,OSが規定する最大値を超えないようにしてください。
- Solaris 10の/etc/projectファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
カーネルパラメーターの値は,「表2-3 Solaris 10の/etc/projectファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値」を参照して,次の計算式に従い算出してください。計算式の“Max{x,y,z}”は,x,y,zの中で最も大きい値を選択するという意味です。
- project.max-shm-memory以外の場合:
- カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + Max { <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>, <HiRDBの推奨値> }
- project.max-shm-memoryの場合:
- カーネルパラメーターの設定値 = Max { <システムで有効になっている値>, <OSの初期値> } + <共通コンポーネントの推奨値> + <Tuning Manager serverの推奨値> + <Device Managerの推奨値> + <Tiered Storage Managerの推奨値> + <Replication Managerの推奨値>
- 注意
- 各カーネルパラメーターの最大値は,OSが規定する最大値を超えないようにしてください。
- Solaris 10の/etc/systemファイルに設定する各カーネルパラメーターの値を算出します。
Solaris 10の/etc/systemファイルに設定する各カーネルパラメーターの値は,手順3で算出した値(Solaris 10の/etc/projectファイルに設定する各カーネルパラメーターの値)を使用して,次の計算式に従い算出してください。
なお,次の計算式に示す<各プロジェクトの<パラメーター名>の有効値>は,prctlコマンドなどを使用して確認します。確認方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
- msgsys:msginfo_msgmni = Max { <算出したproject.max-msg-idsの値>, <各プロジェクトのproject.max-msg-idsの有効値のうちの最大値> }
- msgsys:msginfo_msgtql = Max { <算出したprocess.max-msg-messagesの値>, <各プロジェクトのprocess.max-msg-messagesの有効値のうちの最大値> }
- semsys:seminfo_semmni = Max { <算出したproject.max-sem-idsの値>, <各プロジェクトのproject.max-sem-idsの有効値のうちの最大値> }
- semsys:seminfo_semmsl = Max { <算出したprocess.max-sem-nsemsの値>, <各プロジェクトのprocess.max-sem-nsemsの有効値のうちの最大値> }
- semsys:seminfo_semopm = Max { <算出したprocess.max-sem-opsの値>, <各プロジェクトのprocess.max-sem-opsの有効値のうちの最大値> }
- shmsys:shminfo_shmmni = Max { <算出したproject.max-shm-idsの値>, <各プロジェクトのproject.max-shm-idsの有効値のうちの最大値> }
- shmsys:shminfo_shmmax = Max { <算出したproject.max-shm-memoryの値>, <各プロジェクトのproject.max-shm-memoryの有効値のうちの最大値> } / shmsys:shminfo_shmmni※
- 注※
- 除算の結果は,小数点以下を切り上げてください。
- 算出した各カーネルパラメーターの値を設定します。
Solaris 9の場合は/etc/systemファイルに,Solaris 10の場合は/etc/projectファイルおよび/etc/systemファイルに設定します。
- 注意
- /etc/projectファイルにカーネルパラメーターを設定する場合,user.rootプロジェクトおよびsystemプロジェクトの両方に,カーネルパラメーターを設定する必要があります。設定方法の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
- 次のコマンドを実行してOSを再起動します。
shutdown -y -i6 -g0カーネルパラメーターの値を算出するために必要な値を次に示します。
表2-2 Solaris 9の/etc/systemファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値
カーネルパラメーター (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v7.6.1の推奨値 Device Manager v7.6.1の推奨値 Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値 Replication Manager v7.6.1の推奨値 msgsys:msginfo_msgmni (150) 50 0 44 12 44 0 0 msgsys:msginfo_msgtql (1296) 40 0 15 1205 36 0 0 semsys:seminfo_semmni (1034) 10 1024 9 12 10 1 1 semsys:seminfo_semmns (7260) 60 7200 80 0 125 50 50 semsys:seminfo_semmnu (1054) 30 1024 0 0 0 0 0 semsys:seminfo_semume (522) 10 512 0 0 0 0 0 semsys:seminfo_semmsl (153) 25 128 0 0 0 0 0 semsys:seminfo_semopm (256) 10 128 0 246 0 0 0 shmsys:shminfo_shmmax (1488651648) 8388608 200000000 11546624 966656000 360349696 50000000 100000000 shmsys:shminfo_shmmni (2100) 100 2000 0 0 497 0 0 表2-3 Solaris 10の/etc/projectファイルに設定するカーネルパラメーターの推奨値
カーネルパラメーター (Tuning Manager server v7.6.1のインストーラーチェック値) OSの初期値 HiRDBの推奨値 共通コンポーネントの推奨値 Tuning Manager server v7.6.1の推奨値 Device Manager v7.6.1の推奨値 Tiered Storage Manager v7.6.1の推奨値 Replication Manager v7.6.1の推奨値 process.max-msg-messages (9412) 8192 0 15 1205 36 0 0 process.max-sem-nsems (640) 512 128 0 0 0 0 0 process.max-sem-ops (640) 512 128 0 0 0 0 0 project.max-msg-ids (172) 128 0 44 12 44 0 0 project.max-sem-ids (1152) 128 1024 9 12 10 1 1 project.max-shm-ids (2128) 128 2000 0 0 497 0 0 project.max-shm-memory (1665089704) 物理メモリーの1/4 0 26214400 966656000 477087744 100695040 94457000
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