Tiered Storage Manager Software CLI リファレンスガイド

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5.7.1 GetVolumes

GetVolumesコマンドは,ストレージドメイン内のドメインコントローラーの中にあるボリューム(LU)の一覧を取得します。

ストレージ階層やマイグレーショングループを指定すれば,ボリューム一覧を取得する範囲を限定できます。ストレージ階層またはマイグレーショングループの指定とボリュームの検索条件の指定を組み合わせると,さらに対象範囲を限定できます。

ストレージドメインのリフレッシュ状態が「実行中」または「終了(失敗)」である場合,ボリュームの情報を取得できません。

リフレッシュが必要なストレージドメインに対してコマンドを実行した場合,標準エラー出力に警告メッセージが出力されます。

重要
GetVolumesコマンドを実行すると,ボリュームの情報は分割して取得,表示されます。GetVolumesコマンドの実行中にほかのユーザーがボリュームを操作した場合,操作する前のボリューム情報と操作したあとのボリューム情報が混在して表示されることがあります。
この項の構成
(1) 記述形式
(2) オプション
(3) パラメーター
(4) 出力項目
(5) コマンド指定例と実行結果

(1) 記述形式

  
htsmcli [ サーバのロケーション] GetVolumes
    [ 共通オプション ]
    [ { -d | --detail } ]
    storagedomainname=ストレージドメイン名
    [ { storagetiername=ストレージ階層名 | migrationgroupname=マイグレーショングループ名 } ]
    [ filtercondition=検索条件 ]

(2) オプション

-dまたは--detail
CLIコマンド実行後に,詳細情報を標準出力に表示したいときに指定します。
省略した場合,サマリー情報だけが表示されます。

(3) パラメーター

表5-64 GetVolumesコマンドのパラメーター

パラメーター名 説明
storagedomainname ストレージドメイン名を指定します。
[storagetiername] ストレージ階層名を指定します。
migrationgroupnameと同時には指定できません。
[migrationgroupname] マイグレーショングループ名を指定します。
storagetiernameと同時には指定できません。
[filtercondition] 検索条件を指定します。
指定できるプロパティについては,「表4-2 ボリューム検索条件式に指定できるプロパティの概要」および「表4-5 ボリューム検索条件式のプロパティに指定できる値の範囲」を参照してください。
省略時には,検索条件による絞り込みはされません。

(凡例)
[ ]:指定は任意です。

(4) 出力項目

重要
一部の出力項目では,次のどれかに該当する場合に"-"または"Unknown"が表示されます。
  • Device Managerを使用してストレージシステムの中のボリュームが削除されるなど,ストレージドメイン内のボリュームの情報を取得できない状態になった場合
  • 外部接続されたストレージの情報を取得できない状態になった場合
  • 外部接続されたストレージがSMI-S enabledストレージシステムの場合

表5-65 GetVolumesコマンドの出力項目(StorageDomainインスタンス)

項目名 説明
name ストレージドメイン名です。

表5-66 GetVolumesコマンドの出力項目(LogicalUnitインスタンス)

項目名 説明
controllerDeviceNumber コントローラー論理デバイス番号(LUSEボリュームの場合は代表LDEVの論理デバイス番号)です。
16進数と" : "(コロン)を組み合わせた値で表示されます。
label ボリュームに設定されているラベルです。
ラベルが設定されていない場合は,空文字が表示されます。
[subsystemSerialNumber] 実際のデータを格納しているストレージシステムのシリアル番号です。
[subsystemDisplayModel] 実際のデータを格納しているストレージシステムの表示用モデル名です。
表示用モデル名が不明の場合は,プロダクト名が表示されます。
[subsystemName] 実際のデータを格納しているストレージシステム名です。
ストレージシステム名が不明の場合は,プロダクト名とシリアル番号が表示されます。
subsystemVendor 実際のデータを格納しているストレージシステムのベンダー名です。
migrationGroupName 所属するマイグレーショングループの名称です。
emulationType エミュレーションタイプです。
[CVS] ボリュームがCVS属性かどうかを示します。
  • Yes:CVS属性です。
  • No:CVS属性ではありません。
capacityInKB ボリュームの容量(単位はKB)です。
ボリューム種別が,通常ボリュームまたはプールボリュームの場合は実ボリュームの容量,仮想ボリュームの場合は仮想容量が表示されます。
consumedCapacityInKB 実使用量(単位はKB)です。
ボリューム種別が,通常ボリュームの場合は通常ボリュームの容量,仮想ボリュームの場合は仮想ボリュームの実使用量,プールボリュームの場合は空文字が表示されます。
consumedCapacityPercentage capacityInKBに対するconsumedCapacityInKBの割合(%)です。ボリューム種別が,プールボリュームの場合は空文字が表示されます。
RAIDLevel RAIDレベルです。
diskType ドライブ種別です。
[fdChipType] フラッシュメモリーのチップタイプ(詳細種別)です。
[diskRPM] 毎分ごとのドライブ回転数です。
DiskTypeSSDまたはFMDを指定した場合は"-"が表示されます。
[encryption] パリティグループが暗号化されているかどうかを示します。
  • Enabled:パリティグループが暗号化されています。
  • Disabled:パリティグループが暗号化されていません。
  • -:DPボリューム,V-VOL,LUSEボリュームの場合,または暗号化機能がサポートされていません。
[diskCapacityInGB] ドライブ容量(単位はGB)です。
[arrayGroupNumber] 実際のデータを格納しているストレージシステムのLUのパリティグループ番号です。
HUS100またはHitachi AMS2000のDPボリュームが外部接続されている場合は"-"が表示されます。
controllerArrayGroupName ドメインコントローラーのLUのパリティグループ名です。
arrayGroupName 実際のデータを格納しているストレージシステムのLUのパリティグループ名です。
HUS100またはHitachi AMS2000のDPボリュームが外部接続されている場合は空文字が表示されます。
arrayGroupBusyRate パリティグループの使用率(%)です。小数点第2位まで出力されます。
Tuning Managerから情報を取得できない状態になった場合に,空文字で表示されます。
arrayGroupMaxBusyRate パリティグループの使用率(%)の最大値です。小数点第2位まで出力されます。
Tuning Managerから情報を取得できない状態になった場合に,空文字で表示されます。
[プログラムプロダクト名]※1,※2
shadowImagetrueCopySynchronoustrueCopyAsynchronousuniversalReplicatorcopyOnWriteSnapshotthinImageなど)
プログラムプロダクトのボリューム種別です。
LUの属性として表示する必要のあるプログラムプロダクト名だけが出力されます。
ストレージシステムがVirtual Storage Platformの場合,次の条件に該当するときにはcopyOnWriteSnapshotthinImageに同じ値が表示されます。
  • Copy-on-Write SnapshotまたはThin Imageのペアを構成する前のV-VOLのとき
  • Copy-on-Write SnapshotまたはThin Imageのプールボリュームのとき
ボリューム種別名 ※1
dynamicProvisioning
{ xpThinProvisioning }

ボリューム種別です。
  • dynamicProvisioningの場合:
    -:通常ボリューム
    DP-VOL:DPボリューム
    DP-Pool-VOL:DPプールボリューム
  • xpThinProvisioningの場合:
    -:通常ボリューム
    THP-VOL:THPボリューム
    THP-Pool-VOL:THPプールボリューム
[PoolId] DPプール番号です。
  • DP x{ THP x }:プールに関連づけられているDPボリュームまたはプールボリュームの場合
    (x0127)
  • Unassigned:プールに関連づけられていないDPボリュームの場合
上記以外の場合,空文字が表示されます。
[PVolMigrationGroupName] ボリュームがShadowImageのS-VOLである場合,対応するP-VOLが含まれているマイグレーショングループ名です。
[PVolDeviceNumber] ボリュームがShadowImageのS-VOLである場合,対応するP-VOLのコントローラー論理デバイス番号です。
16進数と" : "(コロン)を組み合わせた値で表示されます。
[PVolMUNumber] ボリュームがShadowImageのS-VOLである場合,対応するP-VOLのMU番号です。
volumeStatus ボリュームが使用中かどうかを示します。
  • Used:使用中です(マイグレーション先に使用できません)。
  • Free:未使用です(マイグレーション先に使用できます)。
volumeLockStatus ボリュームがロックされているかどうかを示します。
  • Locked:ロックされています。
  • Unlocked:ロックされていません。
[path] パスが設定されているかどうかを示します。
  • Yes:パスが設定されています。
  • No:パスが設定されていません。
hostNames ホスト名です。複数ある場合,コンマで区切って表示されます。
[logicalGroup] 常に空文字が表示されます。
[port/HostStorageDomain] ホストストレージドメイン名です。複数ある場合,コンマで区切って表示されます。
[SYSPLEXID/DEVN] SYSPLEXID/DEVNです。複数ある場合,コンマで区切って表示されます。
[VOLSER] メインフレームホストの管理する,メインフレームボリューム情報(ボリューム通し番号)です。
canMigrate マイグレーション可能かどうかを示します。
  • Yes:マイグレーション可能です。
  • No:マイグレーション不可です。
[reason] マイグレーション不可理由が表示されます。表示される文字列と説明は,「A.3.1 マイグレーションできない理由」を参照してください。
出力順序は,Tiered Storage ManagerサーバとCLIのバージョンによって異なる場合があります。

(凡例)
[ ]:-dまたは--detailオプションの指定があるときだけ出力されます。
{ }:ストレージシステムがVP9500,H24000,またはH20000のときに表示される文字列です。

注※1
ストレージのベンダーとシリーズによって項目名が変わります。表示される項目名は,次のとおりです。

表5-67 ストレージベンダーとシリーズによって変わる項目名の表示

項目名 Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,HUS VM Hitachi USP VP9500,H24000,H20000 H12000,H10000
プログラムプロダクト名 shadowImage businessCopy businessCopyXP
trueCopySynchronous continuousAccessSynchronous continuousAccessXPSynchronous
trueCopyAsynchronous continuousAccessAsynchronous continuousAccessXPAsynchronous
universalReplicator continuousAccessJournal continuousAccessXPJournal
copyOnWriteSnapshot xpSnapshot snapshotXP
thinImage fastSnap
ボリューム種別名 dynamicProvisioning 該当なし xpThinProvisioning 該当なし

注※2
バージョン7.4.0より前のCLIでは,ストレージドメインに対応するストレージシステムがVirtual Storage PlatformおよびHUS VMの場合にThin Imageのボリューム種別をCopy-on-Write Snapshotの値として表示します。
ストレージシステムがVirtual Storage Platformの場合,Thin Imageのボリューム種別をCopy-on-Write Snapshotのボリューム種別にまとめて表示します。copyOnWriteSnapshotに表示される値を次に示します。
  • Copy-on-Write SnapshotおよびThin Imageのボリューム種別がSimplexのとき
    Simplexが表示されます。
  • Copy-on-Write Snapshotのボリューム種別がSimplexで,Thin Imageのボリューム種別がSimplex以外のとき
    Thin Imageのボリューム種別(Simplex以外)が表示されます。
  • Copy-on-Write Snapshotのボリューム種別がSimplex以外のとき
    Copy-on-Write Snapshotのボリューム種別(Simplex以外)が表示されます。

次に示す出力項目は,-dまたは--detailオプションの指定があるときだけ出力されます。複数のLDEV情報がある場合は,繰り返して表示されます。

表5-68 GetVolumesコマンドの出力項目(LDEVインスタンス)

項目名 説明
controllerDeviceNumber コントローラー論理デバイス番号です。
16進数と" : "(コロン)を組み合わせた値で表示されます。
controllerSerialNumber ドメインコントローラーのシリアル番号です。
controllerDisplayModel ドメインコントローラーの表示用モデル名です。
controllerName ドメインコントローラー名です。
emulationType エミュレーションタイプです。
CVS ボリュームがCVS属性かどうかを示します。
  • Yes:CVS属性です。
  • No:CVS属性ではありません。
capacityInKB LDEVの容量(単位はKB)です。
ボリューム種別が,通常ボリュームまたはプールボリュームの場合は実ボリュームの容量,仮想ボリュームの場合は仮想容量が表示されます。
consumedCapacityInKB 実使用量(単位はKB)です。
ボリューム種別が,通常ボリュームの場合は通常ボリュームの容量,仮想ボリュームの場合は仮想ボリュームの実使用量,プールボリュームの場合は空文字が表示されます。
consumedCapacityPercentage capacityInKBに対するconsumedCapacityInKBの割合(%)です。ボリューム種別が,プールボリュームの場合は空文字が表示されます。
cylinders シリンダ数です。
LBA Block数単位のボリュームの容量です。
SLPRNumber SLPR番号です。
CLPRNumber CLPR番号です。
RAIDLevel RAIDレベルです。
diskType ドライブ種別です。
diskModelName ドライブモデル名です。
fdChipType フラッシュメモリーのチップタイプ(詳細種別)です。
diskRPM ドライブ回転数です。
DiskTypeSSDまたはFMDを指定した場合は"-"が表示されます。
encryption パリティグループが暗号化されているかどうかを示します。
  • Enabled:パリティグループが暗号化されています。
  • Disabled:パリティグループが暗号化されていません。
  • -:DPボリューム,V-VOL,LUSEボリュームの場合,または暗号化機能がサポートされていません。
diskCapacityInGB ドライブ容量(単位はGB)です。
guardMode LDEVに適用されているガード属性です。Data Retention Utilityのガード属性が表示されます。ガード属性には次の6種類があり,複数の属性を持つ場合は" ; "で区切って表示されます。属性が"Read/Write"のときは,空文字が表示されます。
  • Read/Write
  • Read only
  • Protect
  • Invisible
  • Zero Read Capacity
  • S-VOL disable
retainedThrough ロック期間が終了する日です。無期限の場合は"Unlimited"が表示されます。
guardDate ロックした日です。Tiered Storage Managerでロックした場合だけ表示されます。Tiered Storage Manager以外でロックした場合は表示されません。
controllerArrayGroupNumber LDEVのパリティグループ番号です。
controllerArrayGroupName LDEVのパリティグループ名です。
cacheMode キャッシュモードです。
  • Enable:キャッシュモードがONです。
  • Disable:キャッシュモードがOFFです。
IOSuppressionMode IO抑止モードです。
  • Enable:IO抑止モードがONです。
  • Disable:IO抑止モードがOFFです。
subsystemDeviceNumber 実際のデータを格納しているストレージシステムのLUのデバイス番号です。
10進数,または,16進数と" : "(コロン)を組み合わせた値で表示されます。
subsystemDeviceID 実際のデータを格納しているストレージシステムのLUのデバイスIDです。
日立ストレージシステムの場合は"-"が表示されます。
subsystemSerialNumber 実際のデータを格納しているストレージシステムのシリアル番号です。
subsystemDisplayModel 実際のデータを格納しているストレージシステムの表示用モデル名です。
表示用モデル名が不明の場合は,プロダクト名が表示されます。
subsystemName 実際のデータを格納しているストレージシステム名です。
ストレージシステム名が不明の場合は,プロダクト名とシリアル番号が表示されます。
subsystemVendor 実際のデータを格納しているストレージシステムのベンダー名です。
arrayGroupNumber 実際のデータを格納しているストレージシステムのLUのパリティグループ番号です。
HUS100またはHitachi AMS2000のDPボリュームが外部接続されている場合は"-"が表示されます。
arrayGroupName 実際のデータを格納しているストレージシステムのLUのパリティグループ名です。
HUS100またはHitachi AMS2000のDPボリュームが外部接続されている場合は空文字が表示されます。
arrayGroupBusyRate パリティグループの使用率(%)です。小数点第2位まで表示されます。
Tuning Managerから情報を取得できない状態になった場合に,空文字で表示されます。
arrayGroupMaxBusyRate パリティグループの使用率(%)の最大値です。小数点第2位まで表示されます。
Tuning Managerから情報を取得できない状態になった場合に,空文字で表示されます。

(5) コマンド指定例と実行結果

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