Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド
旧ストレージシステムからVirtual Storage PlatformまたはHUS VMにリプレースするとき,仮想IDを用いるとホストを停止しないでデータを移行できます。仮想IDとは,移行先のリソースに設定される旧ストレージシステムの情報です。Device Managerでは,データ移行後に仮想IDを確認したり,仮想IDが設定されたリソースを操作したりできます。ただし,対象のリソースのデータ移行がすべて完了するまでは,仮想IDの情報を確認できてもそのリソースは操作できません。
仮想IDを用いてデータを移行するリソースについて,Device Managerでの操作対象を次の図に示します。
図A-1 Device Managerで操作できる仮想IDが設定されたリソース
- データ移行前(物理IDでの運用)
ホストでは,物理IDを用いて移行元のリソースを運用します。Device Managerでリソースを操作できます。- データ移行中
ホストからストレージシステムへのパスが,移行元から移行先に変更されます。移行先のリソースに仮想IDが設定され,移行元のリソースからデータが移行されます。移行先のストレージシステムでデータ移行中を示す属性が有効になっている間は,Device Managerでリソースを操作できません。- データ移行後(仮想IDでの運用)
対象のリソースのデータ移行がすべて完了し,Device Managerでリソースを操作できるようになります。ホストでは,仮想IDを用いて移行先のストレージシステムのリソースを運用します。Device Managerで確認できる仮想IDの情報は,仮想LDEV ID,仮想ポートなどです。ホスト管理者から連絡された仮想IDの情報と物理IDの情報との対応を確認し,対象のリソースを特定します。
仮想IDが設定されたリソースを使って,次の操作ができます。
- DPボリューム拡張
- DPボリュームのゼロページ破棄
- HDTボリュームの再配置設定
- HDTボリュームの階層ポリシー編集
- HDTボリュームの階層プロファイル管理
- ボリューム割り当て※1
- 類似ボリューム割り当て※1
- LUNパス編集
- ボリューム割り当て解除※2
- コピーペアの定義※3
- コピーペア状態の変更※3
- Tiered Storage Managerによるデータマイグレーション※4
- 論理グループ作成
- 階層作成
- ボリュームラベル編集
- ボリュームラベル更新
注※1 仮想IDが設定されていないボリュームに新規に仮想IDを設定して,仮想IDが設定済みのホストグループに割り当てることもできます。
注※2 ボリューム割り当て解除と同時に,仮想IDを削除することもできます。
注※3 仮想IDが設定されているボリュームのコピーペアを操作する場合,コピーペアの構成定義ファイルを移行後のストレージシステムの情報(物理IDの情報)に更新しておく必要があります。構成定義ファイルの内容,および仮想IDが設定されているボリュームのコピーペアを操作するときのシステム構成の要件に関しては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。
注※4 Legacyモードでは,仮想IDが設定されたリソースをマイグレーションできません。
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