Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


7.5.3 クラスタ構成に依存するパラメタ

クラスタ構成に依存するパラメタの一覧を次の表に示します。

なお,必ず指定するパラメタを太字で表記しています。

表7‒6 クラスタ構成に依存するパラメタ一覧

項番

定義ファイル

パラメタ名

指定する値

デフォルト値

1

クラスタ定義ファイル

eads.node.<EADSサーバID>.address

IPアドレスまたはホスト名

なし

2

eads.node.<EADSサーバID>.port

ポート番号

なし

3

eads.node.<EADSサーバID>.position

-2147483648〜2147483647

なし

4

共通設定ファイル

eads.failureDetector.heartbeat.address

IPアドレス

  • マルチキャスト通信の場合:マルチキャストアドレス

  • ユニキャスト通信の場合:値を指定せず,必ずコメントアウトしてください。

239.255.2.1

5

eads.failureDetector.heartbeat.port

ポート番号

24630

6

eads.failureDetector.heartbeat.unicast.enable

  • true

  • false

false

7

eads.replication.factor

1〜5

2

注意事項

クラスタ定義ファイルおよび共通設定ファイルの定義内容は,クラスタを構成する全EADSサーバで同じになるようにしてください。同一でないとクラスタが構築できないため,EADSサーバは起動しません。

また,範囲外の値が設定されていた場合は,デフォルト値が設定されます。

〈この項の構成〉

(1) クラスタ定義ファイル

(a) eads.node.<EADSサーバID>.address

クラスタを構成するEADSサーバのIPアドレスまたはホスト名(サーバ定義のeads.server.addressパラメタの値)を指定します。

ホスト名で指定する場合は,ホスト名からIPアドレスが一意に識別できるホスト名を指定してください。

ハートビートの送信にユニキャスト通信を使用する場合は,このパラメタに指定した自分以外のIPアドレスを宛先としてハートビートを送信します。

EADSサーバIDはユーザが任意に割り振る番号(1〜96の整数)です。EADSサーバIDはクラスタ内のEADSサーバを一意に識別するために,ストアデータファイル名に使用されます。連番でなくてもかまいませんが,クラスタ内ではユニークにする必要があります。

(b) eads.node.<EADSサーバID>.port

クラスタを構成するEADSサーバのポート番号(サーバ定義のeads.server.portパラメタの値)を指定します。

EADSサーバIDはユーザが任意に割り振る番号(1〜96の整数)です。EADSサーバIDはクラスタ内のEADSサーバを一意に識別するために,ストアデータファイル名に使用されます。連番でなくてもかまいませんが,クラスタ内ではユニークにする必要があります。

(c) eads.node.<EADSサーバID>.position

EADSサーバの位置(ハッシュ値)を指定します。

EADSサーバIDはユーザが任意に割り振る番号(1〜96の整数)です。EADSサーバIDはクラスタ内のEADSサーバを一意に識別するために,ストアデータファイル名に使用されます。連番でなくてもかまいませんが,クラスタ内ではユニークにする必要があります。

このパラメタは省略できます。省略した場合,EADSサーバがクラスタ上の論理的な位置に均等に分散配置されるように設定されます。

指定する場合は,クラスタを構成する全EADSサーバの位置を指定してください。指定の有無が混在した場合はエラーとなり,EADSサーバの起動に失敗します。

(2) 共通設定ファイル

(a) eads.failureDetector.heartbeat.address

EADSサーバ間のハートビートの送信に使用するIPアドレスを指定します。

注※ EADSサーバ間のハートビートの送信にユニキャスト通信を使用する場合は,値を指定せず,必ずコメントアウトしてください。

IPアドレスのエイリアス名でも指定できます。

(b) eads.failureDetector.heartbeat.port

EADSサーバ間のハートビートの送信に使用するポート番号を指定します。

(c) eads.failureDetector.heartbeat.unicast.enable

EADSサーバ間のハートビートの送信にユニキャスト通信を使用するか,マルチキャスト通信を使用するかを指定します。

true:

UDPユニキャスト通信によるハートビート監視を行います。

false:

UDPマルチキャスト通信によるハートビート監視を行います。

なお,ハートビートをユニキャストで送信する場合は,スケールアウト処理は実行できません。

注意事項

ハートビートをユニキャストで送信するように切り替える場合は,次の点に注意してください。

  • 共通設定のeads.failureDetector.heartbeat.addressパラメタは,異なるEADSクラスタ間のハートビートの識別情報として引き続き使用されるので,クラスタ内での設定値は一致させる必要があります。

  • 複数のEADSサーバを同じOS上で起動できません。

(d) eads.replication.factor

データの多重度を指定します。

注意事項

クラスタを構成するEADSサーバ数は,「データの多重度×2−1」以上であることが前提です。

クラスタを構成するEADSサーバ数が,「データの多重度×2−1」より少なかった場合,エラーとなりEADSサーバの開始に失敗します。