Hitachi

インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


7.9.1 スケールアウト処理・リバランス処理に依存するパラメタ

スケールアウト処理・リバランス処理に依存するパラメタの一覧を次の表に示します。

表7‒13 スケールアウト処理・リバランス処理に依存するパラメタ一覧

項番

定義ファイル

パラメタ名

指定する値

デフォルト値

1

サーバ定義ファイル

eads.scaling.moveDataWithUpdateRequest.enable

  • true

  • false

true

2

eads.scaling.moveData.interval

0〜60000

0

3

共通設定ファイル

eads.scaling.requestQueuing.enable

  • true

  • false

true

4

eads.scaling.eviction.targetKeyCount

1024〜1073741824

8192

〈この項の構成〉

(1) サーバ定義ファイル

(a) eads.scaling.moveDataWithUpdateRequest.enable

スケールアウト処理中またはリバランス処理中の更新リクエスト実行時に,データを移動させるかどうかを指定します。

true:

データを移動させます。

false:

データを移動させません。

ポイント
  • 05-30より前のバージョンと同じ動作にしたい場合は,trueを指定してください。

  • スケールアウト処理の開始直後,またはリバランス処理中のリクエストの応答に一時的に時間が掛かる場合,それを回避したいときはfalseを指定してください。

  • スケールアウト処理中,またはリバランス処理中にリクエストが実行されない場合は,falseを指定してください。

(b) eads.scaling.moveData.interval

スケールアウト処理中,またはリバランス処理中のデータの移動間隔(単位:ミリ秒)を指定します。

このパラメタに0以外を指定すると,スケールアウト処理,またはデータ自動削除機能を使用するキャッシュが存在しないときのリバランス処理の実行完了までの時間が,最大で次に示す時間分だけ従来よりも増加する場合があります。

  • スケールアウト処理の場合

    分割元レンジでのデータ移動回数×このパラメタの指定値(単位:ミリ秒)+リクエスト増加数分の処理時間※1

     分割元レンジでのデータ移動回数≒

      Σ(キャッシュ単位でのデータ移動件数÷1,000)※2

    注※1

    スケールアウト処理の実行完了までの時間が長くなることで,スケールアウト処理中のリクエスト数が従来よりも増加する場合の,増加数分のリクエストの処理時間を指します。

    注※2

    小数点以下の値は切り上げてください。

  • リバランス処理の場合

    (移動元レンジでのデータ移動回数+移動先レンジでのデータ移動回数)

     ×このパラメタの指定値(単位:ミリ秒)+リクエスト増加数分の処理時間※1

     移動元レンジでのデータ移動回数≒

      Σ(キャッシュ単位でのデータ移動件数÷1,000)※2

     移動先レンジでのデータ移動回数≒

      Σ(キャッシュ単位でのデータ移動件数÷1,000)※2

    注※1

    リバランス処理の実行完了までの時間が長くなることで,リバランス処理中のリクエスト数が従来よりも増加する場合の,増加数分のリクエストの処理時間を指します。

    注※2

    小数点以下の値は切り上げてください。

スケールアウト処理,またはリバランス処理の実行完了までの時間の増加を回避するためには,次のように値を指定してください。

  • 運用によって,スケールアウト処理,またはデータ自動削除機能を使用しない場合のリバランス処理の実行時間の上限があるときは,その時間内に収まるように指定値を小さくする

  • スケールアウト処理中,またはデータ自動削除機能を使用しない場合のリバランス処理中のリクエストの応答時間の上限があるときは,その時間内に収まるように指定値を調整する

ポイント
  • 05-30より前のバージョンと同じ動作にしたい場合は,0を指定してください。

  • スケールアウト処理の開始直後のリクエストの応答,またはデータ自動削除機能を使用するキャッシュが存在しないときのリバランス処理中のリクエストの応答に一時的に時間が掛かる場合,それを回避したいときは0以外を指定してください。

  • スケールアウト処理中,またはデータ自動削除機能を使用するキャッシュが存在しないときのリバランス処理中にリクエストが実行されない場合は,0を指定してください。

  • データ自動削除機能を使用するキャッシュが存在するときのリバランス処理の場合は,指定した値に関係なく,0が指定されたときと同じ動作になります。

(2) 共通設定ファイル

(a) eads.scaling.requestQueuing.enable

スケールアウト処理において,分割前のレンジを管理していたEADSサーバから,追加されたEADSサーバに追加されたレンジの範囲のデータを転送する間に,分割前のレンジを管理していたEADSサーバで受け付けたリクエストを一時的に待機させることをリクエスト・キューイングといいます。

このパラメタでは,スケールアウト処理中に,受付済みで未実行のリクエストをキューイングするかエラーにするかを指定します。

true:

受付済みで未実行のリクエストをキューイングします。

false:

受付済みで未実行のリクエストをエラーにします。

EADSクライアントにはエラーコード4120が返却されます。

このパラメタを指定する場合は,次の説明も参照してください。

ポイント
  • 05-30より前のバージョンと同じ動作にしたい場合は,trueを指定してください。

(b) eads.scaling.eviction.targetKeyCount

データ自動削除機能を使用するキャッシュが存在する場合の,リバランス処理の移動レンジのキー数を指定します。

ポイント
  • 次のどちらかに該当する場合は,1073741824を指定してください。

    ・05-30より前のバージョンと同じ動作にしたい場合

    ・データ自動削除機能を使用するキャッシュが存在するときのリバランス処理中にリクエストが実行されない場合

  • データ自動削除機能を使用するキャッシュが存在しない場合は,指定値は使用されません。

  • データ自動削除機能を使用するキャッシュが存在するときのリバランス処理中のリクエストの応答に一時的に時間が掛かる場合は,1073741824未満の値を指定してください。

  • 運用上,リバランス処理の実行時間に上限がある場合,実行時間の上限を超えないようにこのパラメタの指定値を大きくしてください。