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インメモリデータグリッド Hitachi Elastic Application Data Store ユーザーズガイド


1.1 ITシステムの特性に合わせて,大量データを効率的に処理するインメモリデータグリッド

Hitachi Elastic Application Data Store(以降,EADSと表記します)は,インメモリデータグリッドを構築する,データ処理基盤製品です。インメモリデータグリッドとは,複数サーバのメモリ上に大量データを分散配置し,そのデータを効率的に処理するデータ処理基盤のことです。

IT技術の進歩,特にインターネット技術の進歩と,インターネット上に展開されるサービスの拡充によって,社会インフラは急激に変化しています。また,携帯電話やスマートフォンといった高性能のモバイル機器の普及が,社会インフラの変化をさらに加速させています。

このような社会インフラの変化に伴って,ITシステムが取り扱うデータ量が爆発的に増加しています。また,「アクセスのピーク時にも,高速なレスポンスを実現したい」,「アクセス数やデータ量の変動に合わせてサーバを追加したい」というように,ITシステムに対する要件も多様化しています。

そのため,これまでのRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)だけがデータ管理を担うITシステムでは,多様化する要件に応えることが難しくなってきています。

そこで,インメモリデータグリッドなど,従来のRDBMSとは異なる思想に基づくデータ処理基盤ソフトウェアが注目されるようになりました。いわゆるNoSQL(Not Only SQL)と言われる,RDBMSを補完するソフトウェアです。

NoSQLの登場によって,RDBMSだけにすべてのデータ管理を任せるのではなく,RDBMSとそれを補完するソフトウェアを組み合わせることで,多様な要件に応えることができるようになってきました。

EADSは,高スケーラビリティと高信頼性を両立するインメモリデータグリッドを構築することで,RDBMSを補完するデータ処理基盤を提供します。