ストリームデータ処理基盤 uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド

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11.5.1 レコードの抽出の概要

特定のレコードを抽出したあと,それらのレコードを意味のある一つのレコードにする場合,編集用コールバックとして,レコード抽出を使用します。

レコードの抽出の概要を次の図に示します。

図11-13 レコードの抽出の概要

[図データ]

レコードの抽出では,アダプター構成定義ファイルのレコード抽出定義で定義した内容に従って,入力されたレコードが条件に一致するかどうかを判定します。レコード形式,レコードに設定されているフィールド値,レコードの入力順序などから目的のレコードを抽出したあと,それらのレコードを結合して新たなレコードを生成して出力します。レコードの抽出で,レコードを結合して新たに生成するレコードのことを抽出レコードといいます。レコードの抽出の処理の詳細については,「11.5.2 レコードの抽出のデータ処理の流れ」で説明します。

レコード抽出の入出力データの形式
レコード抽出の入出力データの形式は,共通形式レコードです。
レコード抽出を実施するタイミング
レコード抽出は,入力アダプターの編集用コールバックとして実施します。HTTPパケット入力コネクターによるデータ入力またはフォーマット変換のあとにレコード抽出を実施します。
なお,出力アダプターでは,レコード抽出は使用できません。
編集用コールバックを実施するタイミングについては,「2.5.2 データの編集方法の検討」を参照してください。
レコード抽出の使用例
例えば,「11.3 HTTPパケットの入力」で説明したHTTPパケット入力コネクターとレコード抽出を組み合わせた場合には,HTTPパケットの要求から応答までの時間を測定できます。この場合,レコード抽出では,送信元IPアドレスとポート番号,および送信先IPアドレスとポート番号が等しいリクエストとレスポンスのパケットのレコードを抽出し,それらのレコードを対にして結合します。結合されたレコードで,リクエストとレスポンスのパケットの時間を比較することで,要求から応答までの時間を測定できます。
また,結合されたレコードに対して,さらにレコード抽出を行い,指定したURLのレコードだけを抽出したあと,指定した順序でURLが遷移しているレコードを結合します。これによって,HTTPパケットのURLからユーザーのサイト遷移状況を監視することもできます。