ストリームデータ処理基盤 uCosminexus Stream Data Platform - Application Framework システム構築・運用ガイド

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2.5.2 データの編集方法の検討

標準提供アダプターが提供するデータの編集方法の中から,どの方法でデータを編集するかを検討します。

データの編集は,入力アダプターまたは出力アダプターで実行する処理です。標準提供アダプターでは,マッピングやレコードの抽出などのデータの編集ができます。データの編集方法を次の表に示します。

表2-4 データの編集方法

項番 データの編集方法 説明
1 フォーマット変換 フォーマット変換を使用して,入力形式レコード,または出力形式レコードと,共通形式レコードを相互変換できます。
  • 入力形式レコード,出力形式レコード:
    コンマで区切られたCSVファイルなど,行単位のデータのことです。
  • 共通形式レコード:
    名前(フィールド名)と値(フィールド値)で構成されるデータの集合のことです。
入力アダプターのフォーマット変換では,入力形式レコードを共通形式レコードに変換します。出力アダプターのフォーマット変換では,共通形式レコードを出力形式レコードに変換します。それぞれのデータ形式については,「11.2.2(1) 入力アダプターで扱うデータ形式」,および「11.6.2(1) 出力アダプターで扱うデータ形式」を参照してください。
なお,フォーマット変換は,次の場合だけ実行する処理です。
  • データの入力で,ファイルの入力を使用する場合
  • データの出力で,ファイルへの出力を使用する場合
フォーマット変換については,「11.2.2(3) フォーマット変換」または「11.6.2(4) フォーマット変換」を参照してください。
2 マッピング マッピングを使用して,マッピングの前のコールバックで出力される共通形式レコードと,マッピングの次のコールバックで入力される共通形式レコードとの関連づけができます。
マッピングには,レコード間のマッピング,およびレコードとストリーム間のマッピングがあります。
例えば,レコードとストリーム間のマッピングでは,フォーマット変換で入出力される共通形式レコードと,入力ストリームまたは出力ストリームの形式に従った共通形式レコードとを関連づけます。
マッピングについては,「11.2.2(4) マッピング」,または「11.6.2(3) マッピング」を参照してください。
3 レコードのフィルタリング フィルターを使用して,フィルター対象のレコードを取捨選択できます。レコードのフィルタリングの対象は,共通形式レコードです。
レコードのフィルタリングについては,「11.4 レコードのフィルタリング」を参照してください。
4 レコードの抽出 レコード抽出を使用して,条件に一致するレコードを抽出したあと,抽出したレコードを結合して,新たなレコードを生成できます。レコードの抽出の対象は,共通形式レコードです。
なお,レコードの抽出は,入力アダプターの場合だけ使用できます。
レコードの抽出については,「11.5 レコードの抽出」を参照してください。

データの編集の処理は,次の図に示すタイミングで実行します。

図2-11 データ編集の処理を実行するタイミング

[図データ]

フォーマット変換を実行するタイミング
入力アダプターの場合は,入力コネクターによるデータ入力のあと,出力アダプターの場合は,出力コネクターによるデータ出力の前に実行します。
マッピングを実行するタイミング
レコードとストリーム間のマッピングは,入力アダプターの場合は,タプル送信の前,出力アダプターの場合は,タプル受信のあとに実行します。
レコード間のマッピングは,入力アダプターの場合は,入力コネクターによるデータ入力またはフォーマット変換のあと,出力アダプターの場合は,フォーマット変換または出力コネクターによるデータ出力の前に実行します。
フィルターを実行するタイミング
入力アダプターの場合は,入力コネクターによるデータ入力またはフォーマット変換のあと,出力アダプターの場合は,フォーマット変換または出力コネクターによるデータ出力の前に実行します。
レコード抽出を実行するタイミング
入力コネクターによるデータ入力またはフォーマット変換のあとに実行します。
注※
フィルター,レコード抽出,レコード間のマッピングを実行する場合,どれを先に実行してもかまいません。

なお,データの編集については,アダプター構成定義ファイルの編集用CB定義で設定します。アダプター構成定義ファイルのCB定義については,「9. アダプター用定義ファイル」を参照してください。