JP1/ServerConductor/Deployment Manager
DPMが提供するバックアップ/リストアの機能を使うと,ターゲットのコンピュータのHDDを対象にリモート操作でバックアップを行い,またそのバックアップファイルを使用してリストアすることができます。特に,リストアではマルチキャストを使った配信を行うことができますので,ネットワークに負荷をかけず一括で複数のコンピュータに実行することができます。また,ユニキャストによるリストアもできます。
バックアップファイルは,管理サーバ側に保存します。また,パーティション単位のバックアップ/リストアも可能で,オプション設定と併用して,必要に応じて多様な設定を行うことができます。
- 【重要!】
- 管理対象コンピュータのシステムディスク以外に対する,バックアップ/リストアには対応していません。
- 【注意!】
- ActiveDirectoryサーバ(ドメインコントローラ)のバックアップ/リストアには,対応していません。
- ディスクの物理障害に備えてバックアップを取得する場合は,ディスク単位のバックアップを取得し,復旧する場合はディスク単位のバックアップファイルからリストアしてください。パーティション単位のバックアップファイルからは復旧させることはできません。
- バックアップ/リストアを行う際は,バックアップ時とリストア時で同じハードウェア構成にしてください。ハードウェア構成には,拡張ボード種類/枚数/搭載位置,RAID構成/設定,接続HDD数,HDD接続形態,HDD容量,NIC数/種類を含みます。また,パーティション単位でバックアップ/リストアを行う際は,さらにバックアップ/リストアに指定したHDDが同じパーティション割当て(パーティション数,パーティションサイズ,ファイルシステム)にしてください。
- 正常にOSのシャットダウン処理を行っていないコンピュータの場合,ファイルシステムにダメージを与える場合があります。このようなディスクに対してバックアップを行うと,途中でシナリオ実行エラーになる場合があります。このような場合には,ファイルシステムを修復してから再度バックアップを行ってください。
- リストアする場合は,インストールされるマシン上で動作するオペレーティングシステムやソフトウェアライセンスの許諾範囲を超えないようにご注意ください。
- 日立ディスクアレイサブシステムやBRシリーズの論理ユニット(LU)をバックアップ/リストア対象とする場合,LU番号を0としてください。それ以外の場合は,バックアップ/リストアに失敗することがあります。詳細は,「付録C 日立ディスクアレイサブシステムおよびBR20環境冗長化構成対応」を参照してください。
- Windows Server 2008のライセンス認証後にマシン交換等によるバックアップイメージのリストアを行った場合は,Windowsのライセンス認証を行ってください。
但し,以下の場合はライセンス認証による制限はありません。
− 認証されたキー管理サービス(KMS)の管理対象コンピュータ
− 物理環境でOEMライセンスでBIOSが対応した管理対象コンピュータ
また,マルチプルアクティベーションキー(MAK)の場合,ディスク構成により,ライセンス認証が必要ない場合があります。
- ターゲットのOSがRed Hat Linuxの場合,ネットワーク設定ファイル名や設定内容にMACアドレス情報が含まれている場合があります。
この状態のままバックアップを行い他の管理対象コンピュータへリストアした場合は,正しくネットワークが動作しません。他の管理対象コンピュータへリストアする場合は,バックアップを行う前に以下の手順にてMACアドレス情報を削除してください。
- 以下ファイルをテキストエディタ(vi等)で開きます。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethn(n:デバイス番号)
(例)#vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1
- 以下のようにMACアドレス情報が記載された行を削除してください。
(例)HWADDR=01:02:03:04:05:06
MACADDR=01:02:03:04:05:06
- ※ 以下のようにbondingまたはhbondingデバイスが設定されている場合も同様に修正してください。
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bondn(n:デバイス番号)
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-hbondn(n:デバイス番号)
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-Hbondn(n:デバイス番号)
- バックアップ/リストア実行中にシナリオ実行エラーが発生した場合の解決法については,「4. トラブルシューティング」および「5. エラー情報」を参照してください。
なお,上記にて解決しなかった場合,サポートサービスをご契約のお客様は,「6. 資料の採取方法」に示すとおり情報を採取いただき,弊社サポートサービスにお問合せください。
- <バックアップ>
- ネットワークを介して,ターゲットとなるコンピュータのHDDにある有効データを管理サーバ上にアーカイブファイルとして保存します。ディスクの未使用の部分はバックアップ対象にならないので,バックアップファイルの容量を比較的低容量に抑えることができます。また,バックアップ対象は,ディスク単位,パーティション単位から選択することができます。
- 【ヒント】
- バックアップファイルの圧縮率の目安としては,OSインストール直後のコンピュータに対し,フルセクタオプションなしの設定がされたシナリオでバックアップを行った場合,以下のようになります。
- Windows OSの場合,バックアップ対象となるデータサイズの約60%
- Linux OS(※)の場合,バックアップ対象となるデータサイズの約40%
- ※ LVM1,ReiserFS,JFS,XFSパーティションを含むディスクを対象としてバックアップを行なった場合,フルセクタオプションなしのシナリオであっても有効セクタだけでなく無効セクタも含んだバックアップとなります。
- そのため,バックアップイメージファイルのサイズの圧縮率が異なる場合があります。
- 【ヒント】
- バックアップ対象のHDDが断片化されている場合,実際のディスク使用量よりもバックアップイメージのサイズが大きくなる場合がありますので,バックアップイメージの保存先HDDの残容量にはご注意ください。
- <不良セクタについて>
- バックアップを行うHDDに不良セクタがあり,そこにデータが記録されていた場合はバックアップ中にエラーが発生することがあります。また,エラーが発生しない場合も,そのバックアップイメージファイルを使ってリストアするとファイルが正しく読み込めず,OSが起動しない等の問題が発生する可能性があります。
- こういった問題を避けるために,バックアップ前に対象HDDに対してOSからスキャンディスク・チェックディスクを実行されることをお勧めします。
- これにより不良セクタは修復,または未使用領域としてデータを保存されないようになります。スキャンディスク・チェックディスクの実行手順はご使用のOSのヘルプを参照してください。
- <この節の構成>
- 2.4.1 バックアップシナリオファイルの作成
- 2.4.2 バックアップシナリオ実行
- 2.4.3 リストアシナリオファイルの作成
- 2.4.4 リストアシナリオ実行
- 2.4.5 複数のサービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用,リストアの異なるシナリオを一斉実行する際の注意点
- 2.4.6 フルセクタシナリオオプションの設定
- 2.4.7 バックアップイメージファイル確認ツール
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