JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド

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付録B.3 JP1/Power Monitor連携用コマンドの作成

環境が作成できたら,JP1/Power Monitor連携用コマンドを作成します。JP1/Power Monitor連携用コマンドのコマンド形式や戻り値などの仕様を確認し,scbsmcmdコマンドの電源制御コマンドや状態確認コマンドを使用してJP1/Power Monitor連携用コマンドを作成してください。JP1/Power Monitor連携用コマンドのコマンド形式,および戻り値などの仕様については,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/Power Monitor」またはマニュアル「JP1 Version 8 JP1/Power Monitor」を参照してください。

なお,JP1/Power Monitor連携用コマンドを実行する際,ホスト名を8文字以内で指定する必要があるため,通常はIPアドレス指定のJP1/Power Monitor連携用コマンドを作成して運用することをお勧めします。ただし,VMゲストを管理対象サーバとする場合,ホスト名指定でJP1/Power Monitor連携用コマンドを実行する必要があります。このため,ホスト名指定のJP1/Power Monitor連携用コマンドを作成しておく必要があります。

VMゲストとそれ以外のホストが混在している環境の場合,IPアドレス指定のJP1/Power Monitor連携用コマンドと,ホスト名指定のJP1/Power Monitor連携用コマンドを,それぞれ作成しておき,エージェントホストの登録時に,次のように環境に合わせて実行するコマンドを選択できます。

JP1/Power Monitor連携用コマンドを作成するに当たって注意する事項を次に示します。

<この項の構成>
(1) JP1/Power Monitor連携用コマンド作成時の注意事項
(2) JP1/Power Monitor連携用コマンドの作成例

(1) JP1/Power Monitor連携用コマンド作成時の注意事項

(2) JP1/Power Monitor連携用コマンドの作成例

ここでは,管理対象サーバのIPアドレスを指定し,リブート,電源ON,または強制電源OFFを実行するときの,JP1/Power Monitor連携用コマンドの例を次に示します。

注意
  • この例は,ホスト名(コミュニティ名)の指定には対応していません。VMゲストを操作する場合のように,ホスト名を指定して管理対象サーバを操作する場合は,カスタマイズが必要です。カスタマイズ方法については,「ホスト名指定を有効にする方法」を参照してください。
  • この例では,電源制御コマンドだけを使用してバッチプログラムを作成しています。ご使用の環境や用途に合わせて,状態確認コマンド(scbsmcmd -chkcnまたはscbsmcmd -chkpw)を組み合わせて作成してください。

前提OS
ここで説明するJP1/Power Monitor連携用コマンドは,Windows Server 2003またはWindows Server 2008上で動作することを前提にしています。

バッチプログラムのファイルの内容
ここで説明するJP1/Power Monitor連携用コマンドは,sample1.batというファイル名のバッチプログラムとします。ファイルの内容を次に示します。
@rem ============================
@rem 電源制御種別判定
@rem ============================
if "%1" EQU "-r" goto REBOOT
if "%1" EQU "-o" goto POWERON
if "%1" EQU "-f" goto POWEROFF
exit /B 17
 
@rem ============================
@rem 電源ON
@rem ============================
:POWERON
scbsmcmd -pon -i %3
if %ERRORLEVEL% EQU 0 exit /B 0
if %ERRORLEVEL% LSS 100 exit /B 17
exit /B 8
 
@rem ============================
@rem 強制電源OFF
@rem ============================
:POWEROFF
scbsmcmd -fpoff -i %3
if %ERRORLEVEL% EQU 0 exit /B 0
if %ERRORLEVEL% LSS 100 exit /B 17
exit /B 8
 
@rem ============================
@rem リブート
@rem ============================
:REBOOT
scbsmcmd -fpoff -i %3
if %ERRORLEVEL% EQU 0 goto REBOOTON
if %ERRORLEVEL% LSS 100 exit /B 17
exit /B 8
:REBOOTON
timeout 120
scbsmcmd -pon -i %3
if %ERRORLEVEL% EQU 0 exit /B 0
if %ERRORLEVEL% LSS 100 exit /B 17
exit /B 8
 

このバッチプログラムを実行するときのコマンドの指定形式および引数の説明を次に示します。

形式
sample1.bat {-r | -o | -f} {-h IPアドレス} [-p コミュニティ名]

引数
sample1.batコマンドの引数,引数の説明,および引数を指定したときのプログラムの動作を次の表に示します。

表B-1 引数の説明とプログラムの動作

項番 引数 引数の説明 プログラムの動作
1 -r 管理対象サーバをリブートします。 scbsmcmdコマンドで強制電源OFFおよび電源ONを実行します。
2 -o 管理対象サーバの電源をONにします。 scbsmcmdコマンドで電源ONを実行します。
3 -f 管理対象サーバの電源を強制的にOFFにします。 scbsmcmdコマンドで強制電源OFFを実行します。
4 -h IPアドレス※1※2 管理対象サーバのIPアドレスを指定します。 scbsmcmdコマンドの-iオプションに,管理対象サーバのIPアドレスとして指定されます。
5 -p コミュニティ名※2※3 管理対象サーバのホスト名を指定します。 この例ではコミュニティ名の指定に対応していないため,無視されます。

注※1
JP1/Power Monitorの[エージェントホストの設定]ダイアログボックスの[IPアドレス]に指定されたIPアドレスが,-hオプションの指定値となります。

注※2
JP1/Power Monitor連携用コマンドでは,-hオプションにIPアドレスの指定,-pオプションにコミュニティ名の指定がそれぞれ必要です。しかし,JP1/Power Monitorのエージェントホスト登録時の設定によっては,JP1/Power Monitor連携用コマンドの-hオプションにIPアドレス以外の情報,または-pオプションにコミュニティ名以外の情報が指定されることがあります。-hオプションにIPアドレス以外の情報,または-pオプションにコミュニティ名称以外の情報が指定されるとscbsmcmdコマンドと正しく連携できないため,エージェントホスト登録時に誤った設定をしないように注意してください。
エージェントホスト登録時の設定内容とJP1/Power Monitor連携用コマンドの-hオプション,および-pオプションに指定される内容の関係については,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/Power Monitor」またはマニュアル「JP1 Version 8 JP1/Power Monitor」を参照してください。

注※3
JP1/Power Monitorの[エージェントホストの設定]ダイアログボックスの[コミュニティ名]に指定されたコミュニティ名が,-pオプションの指定値となります。

戻り値
sample1.batコマンドを実行した場合の,scbsmcmdコマンドの戻り値とJP1/Power Monitor連携用コマンドの戻り値の対応,およびプログラムの動作を次の表に示します。

表B-2 戻り値の対応とプログラムの動作

scbsmcmdコマンドの戻り値と意味 JP1/Power Monitor連携用コマンドの戻り値と意味※1 プログラムの動作
意味 意味
0 正常終了。 0 コマンドが正常終了しました。 scbsmcmdコマンドの戻り値が0の場合,0を返します。
100以上 リトライできるエラー。 8 エラーが発生しました。誤りを訂正してコマンドを再実行してください。※2 scbsmcmdコマンドの戻り値が100以上の場合,8を返します。
100未満 リトライできないエラー。 17 エラーが発生しました。コマンドを再実行する必要はありません。 scbsmcmdコマンドの戻り値が100未満の場合,17を返します。

注※1
この例では,ここで示した以外の戻り値は使用していません。

注※2
JP1/Power Monitorでの設定時間内であれば,コマンドが再実行されます。

ホスト名指定を有効にする方法
この例で,-pオプションでのホスト名(コミュニティ名)の指定を有効にする場合は,scbsmcmdコマンドのオプション指定「-i %3」を「-h %5」に変更してください。例えば,電源ONコマンドのscmcmd -pon -i %3は,次のように修正してください。
<修正前>scbsmcmd -pon -i %3
<修正後>scbsmcmd -pon -h %5
なお,ホスト名指定を有効にした場合でも,JP1/Power Monitor連携用コマンド実行時には-pオプションに加えて,-hオプションでのIPアドレスの指定が必要です。ただし,IPアドレスの指定は無視されます。