JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド
N+MコールドスタンバイとN+1コールドスタンバイでは,設定方法や利用できる機能に違いがあります。N+MコールドスタンバイとN+1コールドスタンバイの違いを次の表に示します。
表9-2 N+MコールドスタンバイとN+1コールドスタンバイの利用条件の比較
| 項番 | 項目 | N+Mコールドスタンバイ | N+1コールドスタンバイ |
|---|---|---|---|
| 1 | 予備系サーバモジュールに対する運用前のHBA-BIOS設定 | 不要 | 手動で設定 |
| 2 | 予備系サーバモジュールに対する運用前のシステムBIOS/EFI設定 | 不要 | 手動で設定 |
| 3※1 | 9900VシリーズおよびHitachi USPで構成される現用系サーバモジュールの適用 | 利用できる | HP-UXサーバだけ利用できる |
| 4 | HP-UXサーバへの適用 | 利用できない | 利用できる |
| 5 | WWNに依存するソフトウェア機能(Persistent Bindingなど)の利用 | 利用できる | 利用できない |
| 6 | 現用系サーバモジュールの異なるストレージシステムのポートへの接続 | 利用できる | 利用できない |
| 7 | N+1グループの現用系ホスト数の制限 | 256台 |
|
| 8 | 予備系サーバモジュールの最大登録数 |
|
1台 |
| 9 | N+1グループ内の現用系サーバモジュール,予備系サーバモジュールのネットワーク構成 | 同一ネットワークの必要なし | 同一ネットワークの必要あり |
| 10 | ストレージ運用支援機能のホストグループ割り当ての要否 | 必須ではない※2 | 必須 |
| 11 | 管理対象サーバへのAgentのインストール要否 | 必須ではない | 必須 |
| 12 | SASインタフェースまたはiSCSIインタフェースでのSANブート構成 | 利用できる | 利用できない |
表に示した各項目について説明します。
N+1コールドスタンバイでは,予備系サーバモジュールのHBA-BIOSの設定を,運用に入る前に,現用系サーバモジュールと同じように手動で設定しておく必要があります。
N+Mコールドスタンバイでは,この設定が不要となります。
N+1コールドスタンバイでは,予備系サーバモジュールのシステムBIOS/EFIの設定を,運用に入る前に,現用系サーバモジュールと同じように手動で設定しておく必要があります。
N+Mコールドスタンバイでは,この設定が不要となります。
Device Managerのバージョンが5.0より前の場合,N+1コールドスタンバイでは,9900VシリーズおよびHitachi USPで構成される現用系サーバモジュールを適用できません。
N+Mコールドスタンバイでは,9900VシリーズおよびHitachi USPで構成される現用系サーバモジュールを適用できます。
N+1コールドスタンバイは,HP-UXサーバに対して適用できます。
N+Mコールドスタンバイは,HP-UXサーバに対して適用できません。
N+1コールドスタンバイでは,実行時に予備系サーバモジュールのHBA(WWN)が変更されます。したがって,現用系ホストでWWNに依存するソフトウェア機能を使用している場合,正常に動作しないときがあります。
N+Mコールドスタンバイでは,実行時にWWNが変更されないので,WWNに依存するソフトウェア機能を使用できます。
N+1コールドスタンバイでは,予備系サーバモジュールのHBA-BIOSにブート用のストレージシステムのポートとLUNを運用前に設定する必要があります。したがって,N+1グループ内すべての現用系サーバモジュールは,同一のストレージシステムのポートとLUNからブートする必要があります。
N+Mコールドスタンバイでは,切り替え時に現用系サーバモジュールのHBA-BIOS設定情報を予備系サーバモジュールのHBA-BIOSにコピーします。したがって,N+1グループ内の現用系サーバモジュールが異なるストレージシステムのポートからブートする構成であってもN+1コールドスタンバイ機能を利用できます。
N+1コールドスタンバイおよびN+Mコールドスタンバイの現用系ホスト数の制限について,次の図を用いて説明します。
図9-7 N+1コールドスタンバイとN+Mコールドスタンバイの現用系ホスト数の制限
N+1コールドスタンバイおよびN+Mコールドスタンバイでは,N+1グループ単位でサーバモジュールを割り当てます。N+1グループとは,現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールを一まとめにした管理単位(グループ)を表します。
N+1コールドスタンバイでは,1つのN+1グループに現用系ホストとして登録できるIPFサーバモジュールは7台までです。したがって,8台以上のサーバモジュールを利用する場合は,N+1グループを分け,それぞれに予備系サーバモジュールを割り当てる必要があります。
N+Mコールドスタンバイでは,1つのN+1グループに7台以上の現用系ホストを登録できます。したがって,8台以上の現用系サーバモジュールに対して,1台または複数の予備系サーバモジュールを設定できます。
なお,SASインタフェース,またはiSCSIインタフェースでのSANブート構成では,現用系ホストと異なるサーバシャーシのホストはN+1グループに登録できません。
N+Mコールドスタンバイ構成の予備系サーバモジュールの最大登録数は,IA32サーバモジュールの場合は256台,IPFサーバモジュールの場合は1,024台です。
N+Mコールドスタンバイ構成では,N+1グループ内で現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールをすべて同一ネットワークにする必要はありません。
異なるネットワークの現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールでN+1グループを構成する場合は,「9.4 ネットワークスイッチとの連携」を参照してください。
N+1コールドスタンバイの場合,ストレージ運用支援機能のホストグループ割り当てを実施している必要があります。
N+Mコールドスタンバイの場合,ストレージ運用支援機能のホストグループ割り当ては必須ではありません。SAS Switch Moduleを使用しているBS320を使用する場合,ストレージ運用支援機能は使用できません。
N+1コールドスタンバイの場合,管理対象サーバへAgentをインストールしておく必要があります。
N+Mコールドスタンバイの場合,管理対象サーバへのAgentのインストールは必須ではありません。ただし,AgentがインストールされていないホストをN+1グループに登録するためには,次の条件が必要です。次の条件を満たしていない場合は,[N+1コールドスタンバイ詳細設定]ウィンドウの各設定画面に表示されません。
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