JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 運用ガイド

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3.7.1 概要

情報取得は,管理対象サーバのOS情報,JP1/ServerConductorのログ,ハードウェア情報(本体装置)などを管理コンソールから取得し,取得した情報を管理者に転送する機能です。転送には,管理コンソールへファイルとして転送する方法と,e-mailの添付ファイルとして転送する方法があります。この機能を利用することで,管理者は障害の要因解析に必要な保守情報を遠隔地から取得できます。

図3-2 保守情報取得の概念

[図データ]

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 取得できる保守情報

(1) 前提条件

情報取得は次の管理対象サーバに対して実行できます。

(2) 取得できる保守情報

次の情報を取得できます。

(a) Windowsサーバの場合

OS情報
管理対象サーバのOS情報として取得できる情報を,次の表に示します。

表3-9 OS情報として取得できる情報

情報の種類 内容
クラスタ情報
  • cluster.exeの出力結果
  • cluster.log
ロードバランシング情報 wlbs.exeの出力結果
ネットワークログ
  • netStat.exeの出力結果
  • NbtStat.exeの出力結果
プログラム診断情報

Windows Server 2003の場合
WinMsd.exeの出力結果

Windows Server 2008およびWindows Server 2012の場合
msinfo32.exeの出力結果
ディレクトリリスト Dirコマンドの出力結果
イベントログ収集
  • イベントビューアEventVwr.exeで読み込めるEVT形式ファイル
  • 詳細内容を格納したCSV形式ファイル
レジストリ情報収集 最終更新日付を含むレジストリの内容(テキスト形式)
ハードコピー情報 ハードコピーの情報
Windows Server 2003 Enterprise Edition for Itanium-based Systems 日本語版,Windows Server 2008,およびWindows Server 2012の場合はコピーできません。
システムダンプ情報 ダンプファイルがあり,dumpchk.exeがある場合は,dumpchk.exeの結果,およびMemory.dmpのパス。
Memory.dmp自体は取得しない
ユーザダンプ情報

Windows Server 2003の場合
  • Drwtsn32.logがある場合はDrwtsn32.log
  • User.dmpがある場合はUser.dmpのパス
User.dmp自体は取得しない

Windows Server 2008およびWindows Server 2012の場合
ユーザダンプ情報が格納されているフォルダのパス

JP1/ServerConductor/Agentログ
管理対象サーバにあるJP1/ServerConductorのログを取得できます。

ハードウェア情報(本体装置)
管理対象サーバのハードウェア情報として次の情報を取得できます。
  • ハードウェアログ(共有メモリ領域など)
  • ファームウェア情報(SVPマイクロバージョン,SVPマイクロ作成日など)
  • ハードウェア関連情報(MIF情報)(HA8000の場合だけ)
  • ドライバ情報(ドライバ名称,ドライバステータス,sysファイル情報など)

ユーザ定義ツールでの取得情報
OS情報およびJP1/ServerConductorのログ以外の情報を取得するために,情報取得ツールをユーザが定義して,固有の保守情報を取得できます。
(b) Linuxサーバの場合

Linuxサーバの場合,次の表のメニューに示す情報,およびユーザ定義ツールでの保守情報を取得できます。

表3-10 Linuxサーバが取得できる保守情報

メニュー ツール名
ログ情報 agtget_log
JP1/ServerConductorログ情報 agtget_sysmgrlog
システム設定情報 agtget_sysconf
ネットワーク情報 agtget_net
パッケージ情報 agtget_rpminfo
カーネル情報 agtget_kernel
ファイルシステム情報 agtget_filesys
デバイス情報 agtget_dev
マシン構成情報 agtget_machineinfo
プロセス情報 agtget_pid

エージェント環境設定メニューで情報取得時の圧縮コマンド(CompressCommand)を指定している場合,メニューごとにファイルを圧縮します。圧縮後のファイル名は,ホスト名_ツール名_メニュー種別_YYMMDDhhmmss.ext(YY:年 MM:月 DD:日 hh:時 mm:分 ss:秒 ext:指定したコマンドが付加する拡張子)となります。メニュー種別は,JP1/ServerConductorがデフォルトで提供するメニューではH,ユーザが追加したメニューではUです。

例:ログ情報とシステム設定情報を実行し,LHAで圧縮した場合,次のファイルが取得されます。

エージェント環境設定メニューのCompressCommandには,圧縮コマンドを起動するコマンドライン文字列を設定します。このとき,次のマクロを使用することができ,コマンド実行時に展開されて実行されます。エージェント環境設定メニューのCompressCommandについては,マニュアル「JP1 Version 9 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 リファレンス」に記載されているsmheditコマンド(Linuxサーバ)を参照してください。

マクロ 意味
%archive% 出力アーカイブファイル名に置き換わります(拡張子は含まれません)。
%directory% 情報取得用一時ディレクトリ(/var/opt/hitachi/system_manager/collect/コンソールごとのディレクトリ)に置き換わります。
%file% メニューの実行によって得られた個々のファイル名(フルパス)に置き換わります。このマクロが指定されていて,かつ得られたファイルが複数個ある場合は,その個数分だけコマンドが繰り返し実行されます。

圧縮ツールにLHAを使用する場合の例
 
lha m %archive%.lzh %directory%
 
または,
 
lha a %archive%.lzh %file% ; rm -f %file% ; rm -f %archive%.bak
 
と設定すると,取得したファイルをすべてLHAで圧縮し,元のファイルを削除します。一時ディレクトリにファイルが残ると,残ったファイルも転送されるため,圧縮コマンドを実行する場合には,上記の例のように一時ディレクトリにファイルが残らないようにコマンドを指定してください。
(c) HP-UXサーバの場合

HP-UXサーバの場合,次の表に示す情報,およびユーザ定義ツールでの保守情報を取得できます。

表3-11 HP-UXサーバが取得できる保守情報

項番 OS情報 説明
1 HPUX-trb-core コアファイル(カーネルコア)
2 HPUX-trb-syslog システムログファイル
3 HPUX-trb-diagmem OnlineDiag システム検出メモリエラー情報
4 HPUX-trb-diagio OnlineDiag I/Oシステム検出I/Oエラー情報
5 HPUX-trb-pim PIM情報(主にハードウェア要因でのパニックのログ)
6 HPUX-trb-ems HP-UX EMSログ情報
7 HPUX-con-dev デバイス情報(スペシャルファイル名一覧とディレクトリ情報一覧)
8 HPUX-con-disk ディスク構成情報
9 HPUX-con-ioscan ioscan情報(接続・使用デバイス情報)
10 HPUX-con-sysconf システムコンフィグレーション情報
11 HPUX-con-net ネットワーク情報
12 HPUX-con-inst インストールソフトウェア情報
13 HPUX-con-info システム情報
14 HPUX-con-cron cron実行情報
15 HPUX-con-login login記録情報
16 HPUX-con-swagd swagentdデーモン実行記録情報
17 HPUX-con-shutlog シャットダウン・リブート記録情報
18 HPUX-con-startlog システムスタート時ログ情報
19 HPUX-trb-errinfo 障害情報取得用。項番2〜6のメニューを一括実行します。
20 HPUX-con-control-info 遠隔保守情報取得用。項番7〜18のメニューを一括実行します。
21 HPUX-con-sysinfo システム情報取得用。項番7〜14のメニューを一括実行します。
22 HPUX-con-run 実行記録取得用。項番15〜18のメニューを一括実行します。
23 HPUX-out-media 媒体出力用。取得した情報(/var/opt/htcsma/collect下のファイル)をエージェント設定ファイルのContMediaDevで設定したテープデバイスへ出力します。