JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent
SNMPエージェントを運用する上での次の問題について対処方法を説明します。
- MIBが取得できない。
- SNMPトラップがマネージャーに届かない。
- SNMPエージェントの拡張機能が使用できない。
- <この項の構成>
- (1) MIBが取得できない場合
- (2) SNMPトラップがマネージャーに届かない場合
- (3) SNMPエージェントの拡張機能が使用できない場合
(1) MIBが取得できない場合
SNMPエージェントが起動しているにもかかわらず,マネージャー製品からMIB値が取得できない場合,次の要因が考えられます。
- SNMPエージェントとマネージャーが通信できるか確認します。ネットワーク構成に問題があることも考えられます。ネットワークの接続を確認するにはpingコマンドを実行します。
- NNMおよびSubManagerのsnmpgetコマンドによってSNMPエージェントのMIB値を調査します。
- 調査のためにSNMPエージェントのMIBの一部またはすべてのダンプを取得するには,NNMおよびSubManagerのsnmpwalkコマンドを使用します。
- SNMPエージェントに設定されたオブジェクト識別子が,マネージャーに設定されたオブジェクト識別子と一致しているかどうかを確認します。
- SNMP SetRequestを実行しようとしている場合は,SNMPエージェントがSNMP SetRequestに応答するように設定されているかどうかを確認します。デフォルトでは,マネージャーはSNMPエージェントのMIB値を変更できません。SNMPエージェントをSNMP SetRequestに応答するように設定するには,SNMPエージェントの /etc/SnmpAgent.d/snmpd.confファイルにsetコミュニティ名を追加します。
- 情報の検索が正しいかを確認するには,NNMの[MIBのブラウズ:SNMP...]の操作を使用します。
- Solaris,AIX,Linux,Linux(IPF)でネイティブエージェント提供のMIB値が取得できない場合,SNMPエージェントのネイティブエージェントアダプターとOSが提供するネイティブエージェント間のコミュニティ名が一致しているか確認してください。
なお,ネイティブエージェント提供のMIB値とは,JP1/Cm2/SSOのリソースでは,ネットワークサマリ,回線利用率,インタフェーストラフィック,IPトラフィック,ICMPトラフィック,TCPトラフィック,およびUDPトラフィックです。
- SNMPエージェントで提供するすべてのMIB値が取得不可となるとき,次の手順を実行してください。
- マネージャー製品とSNMPエージェントのコミュニティ名が一致しているかを確認してください。
SNMPエージェントのコミュニティ名を変更したあとに,SNMPエージェントまたはOSを再起動しているか確認してください。
- マネージャー製品とSNMPエージェントの間にファイアウォールがあり,SNMP通信が許可されていることを確認してください。
ファイアウォールの設定を見直してください。
また,OSが提供するパケットトレースコマンドなどでパケットトレースを取得して,OS側までSNMPリクエストが届いているか確認してください。
使用方法についてはmanページなどで確認してください。
AIXの場合:iptraceコマンド
Solarisの場合:snoopコマンド
Linux,Linux(IPF)の場合:tcpdumpコマンド
HP-UX(IPF)の場合:nettlコマンド
- MIB値がタイムアウトやnoSuchNameエラーで取得できないことがあるとき
マネージャー製品からのSNMPリクエストのタイムアウト時間が短い場合に,このような現象が発生します。
「3.5 運用上の注意事項」を参照してタイムアウト時間が適切か見直してください。
- そのほかのMIB値が取得不可となるとき
Solaris,AIX,Linux,Linux (IPF)でSNMPエージェントがMIB値を取得するために使用するコマンドがインストールされていません。
/opt/CM2/ESA/bin/snmpcmdchkコマンドを実行して,必要なコマンドがインストールされているか確認してください。詳細については「2.2.1(2) MIB値の取得で使用するコマンドのインストール(HP-UX (IPF)以外の場合)」を参照してください。
(2) SNMPトラップがマネージャーに届かない場合
SNMPエージェントが起動しているにもかかわらず,SNMPトラップがマネージャーに届かない場合,次の要因が考えられます。なお,マネージャーシステムとSNMPエージェントシステム間の問題については,「(1) MIBが取得できない場合」を参照してください。
- SNMPエージェントのトラップのあて先が正しく設定されているかどうかを確認します。トラップのあて先については,「2.4.3 トラップのあて先の設定」を参照してください。
- NNMおよびSubManagerのSNMPコマンドを使用して,リモートSNMPノードでのSNMPオペレーションを確認します。
(3) SNMPエージェントの拡張機能が使用できない場合
SNMPエージェントが起動しているにもかかわらず,SNMPエージェントの拡張機能が使用できない場合,次の要因が考えられます。なお,マネージャーシステムとSNMPエージェントシステム間の問題については,「(1) MIBが取得できない場合」を参照してください。
●/etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイルの問題
/etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイルのトラブルシューティングは,最初は部分的に実行して,次にネットワーク全体について実行します。/etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイルのトラブルを解決するには,次に示す方法を使用します。
- コマンドの応答が正しいかどうかを確認するには,OSコマンドラインから/etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイル中の各コマンドを実行します。
- 次に示すコマンドを使用して,コマンドが正確に実行されたか確認します。
echo $?- コマンドが引数を持つ場合は,引数を確認します。このために独自に必要なパラメタをすべて設定し,コマンドを実行します。
シンタクスエラーは,extsubagt起動時に標準エラーに出力されます。
- SNMPエージェントは/etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイルの読み込み中にエラーを検知すると,エラーが発生した行および正しいシンタクスを表示します。
- /etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイルに定義されたコマンドが実行できるかどうか調査します。
- コマンドに実行認可が設定されているかどうかを確認します。
- 情報を取得するために使用するオブジェクト識別子が,正しいコマンドを実行するかどうかを調査します。そのオブジェクトで何のコマンドを実行するかを確認するには,ログマスクを次のように設定します。
/usr/sbin/extsubagt -apall- 実行しているコマンドの出力が正しいデータ形式と一致しているかどうかを確認します。
- /etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイル中のコマンドが正しいかをどうか確認します。例えば,/usrを/userと指定したことなどが考えられます。
●マネージャーからの問題
エージェントでの問題を解決したあとでも,まだ問題がある場合は,次に示す内容を調査します。
- マネージャーから/etc/SnmpAgent.d/snmpd.extendファイルの各オブジェクトにSNMP要求をし,ファイルが正しく動作するかを確認します。
- SNMP SetRequestをしたあと,SNMP GetRequestによって値が正しく設定されたかどうかを確認します。
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