JP1/Cm2/Extensible SNMP Agent
ログは異常が発生した場合に,その原因を調査するためにシステム管理者が使用します。拡張MIB定義機能を使用している場合はMIB取得時に実行しているコマンドのトレースを出力して問題個所の特定に使用します。
マスターエージェントおよびサブエージェントは,デフォルトで次の内容でログを常時出力します。
- ログの種類:警告ログおよびエラーログ
- ログの出力先:/var/adm/snmpd.logn(n:ログファイルの面を示す値(1〜10))
- ログのファイルサイズ:10メガバイト
なお,取得するログの種類,ログの出力先およびログのファイルサイズと面数は,次の方法で変更できます。
- <この節の構成>
- (1) ログの種類
- (2) ログの出力先
- (3) ログファイルの面数とサイズ
- (4) 注意事項
(1) ログの種類
取得するログの種類は,ログマスクによって選択できます。ログマスクは,ログの取得内容の種類を特定するものです。
マスターエージェントとサブエージェントとでは,ログマスクは異なります。マスターエージェントのログマスクを次の表に示します。
ログマスク(snmpdm -mで指定する値) 意味 文字列 10進数 16進数 − 0 0x ログの抑止 FACTORY_TRACE 8388608 0x00800000 トレースログの出力 FACTORY_WARN 268435456 0x10000000 警告ログの出力 FACTORY_ERROR 536870912 0x20000000 エラーログの出力
- (凡例)
- −:該当なし。
マスターエージェントは,ログマスクの指定を省略すると,ログマスク値にはエラーログと警告ログとを加算した値が設定されます。
マスターエージェントのログを変更するには,現在稼働中のマスターエージェントをkillコマンドで停止させます。そのあと,次に示すように入力します。
/usr/sbin/snmpdm -m 8388608複数のログマスクを指定したい場合に,10進数,16進数を指定するとき,それぞれのログマスク値を加算した値を指定してください。文字列で指定するときは,-mに続けて文字列を指定してください。例を次に示します。
/usr/sbin/snmpdm -m FACTORY_TRACE FACTORY_WARN FACTORY_ERROR-mオプションを文字列で指定する場合で,ほかのオプションと組み合わせて指定するとき,-mオプションは最後に指定してください。
サブエージェントのログマスク値を次の表に示します。
ログマスク(各サブエージェントの
コマンドのオプションとして指定)意味 -aperror エラーログ -apwarn エラー,および警告 -aptrace トレース -apconfig 構成ファイル -appacket パケットの組み立て,および解析 -aptrap トラップメッセージ -apaccess エージェント処理 -apemanate マスターエージェント・サブエージェント -apverbose 冗長ログ -apuser ユーザーログ -apall すべてのログ サブエージェントは,ログマスクの指定を省略するとログを取得しません。サブエージェントのログを取得するには,現在稼働中のサブエージェントをkillコマンドで停止させます。そのあと,次に示すように入力します。
/usr/sbin/extsubagt -aperror複数のログマスクを指定する場合は,指定したいログマスク値を続けて指定します。例を次に示します。
/usr/sbin/extsubagt -aperror -apwarn -aptrace
(2) ログの出力先
ログの出力先はsnmpdmプロセスの環境変数定義ファイル(SnmpMaster)のSR_LOG_DIR環境変数で変更できます。なお,ファイル名はsnmpd.lognで固定です。変更はできません。
SR_LOG_DIR環境変数については,「5. コマンド」の「snmpdm」を参照してください。
ログの出力先を変更する手順を次に示します。
- snmpstopコマンドでSNMPエージェントを停止する。
- SR_LOG_DIR環境変数でログの出力先を指定する。
- (例)
- SR_LOG_DIR=/tmp/esalog
- export SR_LOG_DIR
- snmpstartコマンドでSNMPエージェントを再起動する。
また,資料採取コマンドのjp1esalog.sh.defは,デフォルトでは/var/adm/snmpd.lognを収集する設定になっています。jp1esalog.sh.defコマンド実行でのログ出力先を変更したい場合は,viエディタなどを使用してログの出力先を変更します。jp1esalog.sh.defコマンドの編集例を次に示します。
- 変更前
COLFILE="$COLFILE ./var/adm/snmpd.log* ./var/adm/*agt*.log ./etc/SnmpAgent.d ./etc/srconf/agt"
- 変更後
COLFILE="$COLFILE ./tmp/esalog/snmpd.log* ./var/adm/*agt*.log ./etc/SnmpAgent.d ./etc/srconf/agt"
- 注意事項
jp1esalog.sh.defコマンドを編集する前に,jp1esalog.sh.defコマンドのバックアップを必ず取得してください。
(3) ログファイルの面数とサイズ
ログファイルの面数とサイズは次の環境変数で変更できます。
- snmpdmプロセスの環境変数定義ファイル(SnmpMaster)のSNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE環境変数で,ログファイルsnmpd.logn(n:1〜10)のサイズを指定します。SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE環境変数については,「5. コマンド」の「snmpdm」を参照してください。
- snmpdmプロセスの環境変数定義ファイル(SnmpMaster)のSNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT環境変数で,ログファイルsnmpd.lognの面数nを指定します。SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT環境変数については,「5. コマンド」の「snmpdm」を参照してください。
ログファイルの面数とサイズを変更する手順を次に示します。
- snmpstopコマンドでSNMPエージェントを停止する。
- SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE環境変数でログファイルのサイズを指定する※。
- (例)
- SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE=10
- export SNMP_HTC_SNMPD_LOG_SIZE
- SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT環境変数でログファイルの面数を指定する※。
- (例)
- SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT=10
- export SNMP_HTC_SNMPD_LOG_CNT
- snmpstartコマンドでSNMPエージェントを再起動する。
注※ 手順2.と手順3.はどちらを先に操作してもかまいません。
(4) 注意事項
- ログは,システム管理者がトラブルシューティングの資料として使用します。ログファイルはラップアラウンドで出力されます。デフォルトで,ファイル1面当たり10メガバイトで,10面で作成するため,ログの格納先には100メガバイトを格納できる領域が必要です。
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