JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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6.5.6 上位システムを名前解決できない場合の接続設定

運用キーにホスト名を使用している環境では,検疫システムなどによってDNSサーバへの接続が遮断されると,クライアントが接続先の上位システムを名前解決できなくなる場合があります。このような場合に,上位システムからの実行要求情報を受信したタイミングで,通信プロトコル中のIPアドレスから接続先の上位システムを名前解決させることができます。これによって,クライアントが接続先の上位システムを名前解決できない環境でも,ジョブをポーリングしたり上位システムへインベントリ情報を通知したりできます。このときクライアントは,実行要求を発信した上位システムを接続先として認識します。

この機能を使用するには,クライアントのセットアップで次の設定をしてください。

この機能を使用すると,上位システムからの実行要求を受信したタイミングで,自動的にクライアントに上位システムアドレス格納ファイルが作成されます。上位システムアドレス格納ファイルには,上位システムのIPアドレスとホスト名の対応が記述されます。以降,クライアントはこのファイルに記述された内容を基に上位システムを名前解決して接続します。

なお,通常,上位システムアドレス格納ファイルの編集は不要です。ただし,上位システムを名前解決できない環境にホスト名運用のクライアントを新規に導入する場合は,あらかじめ上位システムアドレス格納ファイルを作成する必要があります。

上位システムを名前解決できない環境にホスト名運用のクライアントを新規に導入する場合の設定については,「(1) 上位システムを名前解決できない環境に新規にクライアントを導入する場合の設定」を参照してください。上位システムアドレス格納ファイルの形式については,「(2) 上位システムアドレス格納ファイルの形式」を参照してください。

注意事項
  • 運用キーがIPアドレスの場合は設定不要です。
  • 上位システムのバージョンが06-71より前の場合,チェックボックスをオンにしても正しく接続できません。
  • 上位システムがクラスタシステムの場合,正しく接続できないことがあります。
  • 実行要求情報の通信プロトコルがUDPの場合,上位システムが複数のネットワークアダプタを使用した環境では,正しく接続できないことがあります。
<この項の構成>
(1) 上位システムを名前解決できない環境に新規にクライアントを導入する場合の設定
(2) 上位システムアドレス格納ファイルの形式

(1) 上位システムを名前解決できない環境に新規にクライアントを導入する場合の設定

上位システムを名前解決できない環境にホスト名運用のクライアントを新規に導入する場合,上位システムと接続できないためクライアントがあて先として認識されません。そこで,あらかじめ上位システムアドレス格納ファイルを作成し,次のどちらかの方法でクライアントに格納しておきます。

セットアップが完了したあと,クライアントを再起動すると,上位システムアドレス格納ファイルを基に上位システムと接続します。

(2) 上位システムアドレス格納ファイルの形式

上位システムアドレス格納ファイルには複数の接続先を記述できます。クライアントは,記述されているホスト名に対応したIPアドレスで,上位システムと接続します。

上位システムアドレス格納ファイルの形式を次に示します。

ファイル名
SERVERIP.ini
形式
[ホスト名]
IPaddress=IPアドレス
[#-filecheck]
key=Programcheck
説明
ホスト名
クライアントの接続先のホスト名を指定します。大文字,小文字は区別されません。同じホスト名が複数指定されている場合は,最初のホスト名が使用されます。
IPアドレス
ホスト名に対応するIPアドレスを指定します。
なお,ホスト名とIPアドレスの組み合わせは,一度に複数記述できます。
作成例
上位システムアドレス格納ファイルの作成例を次に示します。
[host001]
IPaddress=10.100.100.20
[host005]
IPaddress=10.100.100.15
[host007]
IPaddress=10.100.100.57
[#-filecheck]
key=Programcheck

上位システムアドレス格納ファイル作成時の注意事項を次に示します。