JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)
マルチキャスト配布を実現するために,どのようなシステム構成にしたらよいかを説明します。また,システム構成中にマルチキャスト配布をサポートしていないバージョンのJP1/NETM/DM製品が混在した場合,ジョブがどのように配布されるかを説明します。
マルチキャスト配布を実現するための標準的なシステム構成と,パケットの流れを次の図に示します。
図6-15 標準的なマルチキャスト配布のシステム構成とパケットの流れ
配布管理システム,クライアントが接続する上位システム,およびクライアントは,すべてWindows版JP1/NETM/DM 06-71以降である必要があります。
マルチキャストグループは,クライアントが接続する上位システム単位に作成します。そして,各マルチキャストグループには,それぞれ別のマルチキャストアドレスを割り当てます。図6-15の例を基に説明します。説明の番号は,図6-15中の番号と対応しています。1と2はシステム構成の設定,3と4はジョブの実行によるパケットの流れです。
同じ構成でジョブをユニキャスト配布した場合は,クライアントが接続する上位システムからは,あて先となるクライアント数だけジョブのパケットが流れます。そのため,4の経路では,中継システムAおよび中継システムBからそれぞれ3倍のパケットが送信されます。
なお,配布管理システムに直接クライアントを接続している構成でも,ジョブをマルチキャスト配布できます。その場合,配布管理システムに,配布先のマルチキャストグループのマルチキャストアドレスを設定します。
マルチキャスト配布は,Windows版JP1/NETM/DM 06-71以降で実行できます。ここでは,システム構成中に,マルチキャスト配布をサポートしていないバージョンのJP1/NETM/DM製品(Windows版JP1/NETM/DM 06-53以前またはUNIX版JP1/NETM/DM)が混在した場合,ジョブがどのように配布されるかを説明します。
クライアントが接続する上位システムがマルチキャスト配布をサポートしていないバージョンの場合,そのシステムからクライアントへはマルチキャスト配布できません。配布管理システムからマルチキャスト配布を指定したジョブが送付されても,ユニキャスト配布されます。
クライアントがマルチキャスト配布をサポートしていないバージョンの場合,そのクライアントに対してはユニキャスト配布になります。システム構成中に,マルチキャスト配布をサポートしていないバージョンのクライアントが混在した場合の,パケットの流れを次の図に示します。
図6-16 クライアントがマルチキャスト配布をサポートしていない場合
次に,中継するシステム(中継マネージャまたは中継システム)が多階層になっている環境で,配布管理システムから「マルチキャスト配布」を指定したジョブを送信した場合を説明します。
中継するシステムが多階層になっている場合,クライアントが接続する上位システムより上位に位置する中継するシステムがマルチキャスト配布をサポートしていなければ,その下位システムにはユニキャスト配布になります。ただし,クライアントが接続する上位システムよりも上位の中継するシステムが次のどちらかの場合,下層の中継システムとクライアント間ではマルチキャスト配布ができます。
中継するシステムが多階層で,下層の中継システムとクライアント間だけがマルチキャスト配布になる場合を,次の図に示します。
図6-17 中継するシステムが多階層の場合(下層の経路だけマルチキャスト配布)
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