JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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6.1.6 複数LAN接続環境でのJP1/NETM/DMの運用

1台のPCにNICなどの複数のネットワークアダプタが存在する複数LAN接続環境でも,JP1/NETM/DMを運用できます。

JP1/NETM/DMでは,次の2種類の複数LAN接続環境での運用をサポートしています。

次にこれらの環境でのJP1/NETM/DMの運用を説明します。

<この項の構成>
(1) 複数のネットワークに分かれている環境
(2) ネットワークが多重化されている環境

(1) 複数のネットワークに分かれている環境

複数のネットワークに分かれている環境の例を次に示します。

図6-3 複数のネットワークに分かれている環境の例

[図データ]

複数のネットワークに分かれている環境でも,ジョブの実行要求に,要求元の上位システムのIPアドレスが格納されているため,クライアントは正しいあて先にジョブの受信要求を送信できます。

上位システムからのジョブの実行要求時
下位システムとソケットコネクションが確立できた自システムのIPアドレスを取得し,要求元IPアドレスとして下位システムに通知します。
下位システムからのジョブの受信要求時
上位システムからのジョブの実行要求時に通知された要求元IPアドレスに対してソケットコネクションを確立し,ジョブの受信を要求します。

ただし,このような環境でJP1/NETM/DMを運用するには,TCPプロトコルによる接続であることが必要です。次のとおり設定してください。

上位システム
JP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM Client(中継システム)のセットアップで,[通信関連]パネルの「TCPプロトコル」ラジオボタンを選択してください。
[通信関連]パネルの詳細については,JP1/NETM/DM Managerの場合はマニュアル「構築ガイド」の「4.2.2 [通信関連]パネル」を,JP1/NETM/DM Client(中継システム)の場合は,マニュアル「構築ガイド」の「5.2.2 [通信関連]パネル」を参照してください。
下位システム
JP1/NETM/DM Client(クライアント)のセットアップで,[通信関連]パネルの「TCPプロトコル」チェックボックス,および「起動要求プロトコルで受信したIPアドレスで上位システムに接続する」チェックボックスをオンにしてください。
[通信関連]パネルの詳細については,マニュアル「構築ガイド」の「6.2.6 [通信関連]パネル」を参照してください。

(2) ネットワークが多重化されている環境

ネットワークが多重化されている環境の例を次に示します。

図6-4 ネットワークが多重化されている環境の例

[図データ]

ネットワークが多重化されている環境の場合,通常はメインのネットワークを使い,トラブルが発生した場合などには,バックアップのネットワークに切り替えて使うという運用が考えられます。また,JP1/NETM/DMが使用する通信回線は,メインのネットワークだけに限定して使用するという運用も考えられます。

このような運用に対応するには,各PCのクライアントのセットアップで,ネットワークアダプタの優先順位を設定する必要があります。セットアップの[通信関連]パネルの「複数のネットワークアダプタを設定する」を設定してください。設定方法の詳細については,マニュアル「構築ガイド」の「5.2.1 [接続先]パネル」を参照してください。