JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)
Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterを使用したクラスタシステムにも,JP1/NETM/DMを導入できます。クラスタシステムは,複数のサーバを連携させて一つのシステムとして運用することで,一つのシステムでトラブルが発生しても,ほかのサーバに業務を引き継いで続行させる(フェールオーバー)ため,システム全体の停止を防止することができます。クラスタシステムのフェールオーバー機能は,JP1/NETM/DM Manager(マネージャ)だけで使用できます。
JP1/NETM/DM Managerではクラスタシステムの運用形態のうち,アクティブ・スタンバイ構成に対応しています。アクティブ・スタンバイ構成は,2ノード・クラスタシステムで,それぞれのサーバを実行系と待機系として設定します。
JP1/NETM/DMを導入したクラスタシステムの概要を次の図に示します。
図5-15 JP1/NETM/DMを導入したクラスタシステムの概要
システムを構成する複数台のJP1/NETM/DM Managerの物理的なホスト名およびIPアドレスとは別に,論理ホスト名または論理IPアドレスを使用して論理マネージャに接続します。これによって,ほかのマシンはどちらのマネージャで処理を実行しているかを意識しないで接続することができます。
管理データベースにリレーショナルデータベースを使うと,Microsoft Cluster ServiceまたはWindows Server Failover Clusterの機能であるフェールオーバー機能を使うことができます。この場合,クラスタソフトが監視する項目を次に示します。
なお,クラスタシステムの複数のサーバを論理ホストとしてでなく,それぞれの物理ホスト名またはIPアドレスを使った構成として運用することもできます。
クラスタシステムの環境設定および構築手順については,マニュアル「構築ガイド」の「11.1 JP1/NETM/DMのクラスタシステムの構築」を参照してください。
JP1/NETM/DMでのクラスタシステムの構成例を次に示します。
JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせる場合のクラスタシステムの構成例を次に示します。システム構成は次の種類があります。
図5-16 フェールオーバー機能を使ってJP1/NETM/DM Managerのサービスを監視させる場合のシステム構成例
図5-17 サーバでJP1/NETM/DM Managerとリレーショナルデータベースサーバをお互いに監視させる場合のシステム構成例
図5-18 リレーショナルデータベースサーバを2ノード・クラスタシステム構成にする場合のシステム構成例
JP1/NETM/DM Managerをクラスタグループに登録しないで,実行系マシン・待機系マシンをそれぞれ別のシステムと考えてフェールオーバーさせない運用もできます。この場合,他プログラムが論理ホストを使用している場合でも,JP1/NETM/DMでは論理ホストを使用しないで,それぞれの物理ホスト名・IPアドレスを使用して通信します。
JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせない場合,中継マネージャ(JP1/NETM/DM Manager),またはJP1/NETM/DM Clientを,クラスタシステムを構成する物理ホスト上にインストールして使用することもできます。
JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせない場合の構成例を次の図に示します。
図5-19 JP1/NETM/DMをフェールオーバーさせない場合の構成例
JP1/NETM/DMの機能のクラスタシステムへの対応について,次の表に示します。
表5-1 JP1/NETM/DMの機能のクラスタシステムへの対応
項目 | 使用の可否 | |
---|---|---|
対応クラスタ | Microsoft Cluster Service | ○ |
Windows Server Failover Cluster | ○ | |
対応クラスタシステム構成 | アクティブ・スタンバイ構成 | ○ |
アクティブ・アクティブ構成 | × | |
運用キー | ホスト名運用 | ○ |
IPアドレス運用 | ○ | |
ホスト識別子の使用 | ○ | |
ネットワーク関連 | 複数LAN接続環境での運用 | × |
JP1/NETM/DM Managerのデータベース | Embedded RDB | ○ |
Microsoft SQL Server 7.0 | ○ | |
Microsoft SQL Server 2000 | ○ | |
Microsoft SQL Server 2005 | ○ | |
Microsoft SQL Server 2008 | ○ | |
Microsoft SQL Server 2012 | ○ | |
Oracle8i(Windows NT) | ○ | |
Oracle8i(Solaris) | ○ | |
Oracle9i(Windows NT) | ○ | |
JP1/NETM/DM Managerの機能 | 通常配布 | ○ |
IDを使った配布 | ○ | |
分割配布 | ○ | |
リモートコレクト | ○ | |
インベントリ収集 | ○ | |
システム構成の自動登録 | ○ | |
JP1/IMへのイベント通知 | ○ | |
自動ダイヤリング | × | |
JP1/Cm2連携機能 | △ | |
パッケージャ | △ | |
中継マネージャ | △ | |
JP1/NETM/DM Client(中継システム) | 中継システム | △ |
JP1/NETM/DM Client(クライアント) | △ | |
Asset Information Manager Limited | ○ | |
リモートコントロールマネージャ | △ | |
リモートコントロールエージェント | △ |
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