JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)
JP1/NETM/DMシステムには,配布管理システムの負荷やネットワークの負荷を軽減するために,中継するシステムがあります。中継するシステムを使用することで,多数のクライアントを階層構成で管理できます。また,直接,配布管理システムに接続するクライアントの数を減らしたり,ネットワークで扱われるデータ量を減らしたりすることができます。
なお,仮想化環境のクライアントは,ログインユーザ数に比例して取得する操作ログが増加します。そのため,配布管理システムに直接接続する運用をお勧めします。
配布管理システムに直接接続できるマシンの数は,ハードウェア環境にもよりますが,一般的に200台以内を推奨します。200台を超えるクライアントを管理する場合は,配布管理システムとクライアントの間に中継するシステムを配置することをお勧めします。
なお,中継システムで配布管理システムの機能を使用しない場合,直接接続できるマシンの数は,1,000台以内を推奨します。
また,中継システムで配布管理システムの機能を使用する場合,直接接続できるクライアントの数は200台以内を推奨します。管理するクライアントの数が200台を超えるときは,中継マネージャの配置を検討してください。
例えば,500台のクライアントを持つ中規模ネットワークにJP1/NETM/DMを導入し,配布管理システムの機能を使用してクライアントを管理する場合,次の図のようなシステム構成が考えられます。
図5-5 中継するシステムの配置の目安
中継するシステムの階層を増やすと,さらに多くのクライアントを管理できるようになります。ただし,階層を増やし過ぎると,ソフトウェアの配布などの処理に時間が掛かることがあります。ハードウェア導入のコストやネットワーク性能なども考慮して,適切な階層を検討してください。
なお,配布管理システムのセットアップでは,「同時に接続できる下位システム数」を設定し,同時接続台数を絞り込むことができます。同様に,中継システムのセットアップでは,「同時に接続できるクライアント数」を設定して,クライアントの同時接続台数を絞り込むことができます。ネットワークの負荷状態,サーバのCPU使用率などを基にチューニングしてください。
中継するシステムの階層を増やすと,非常に多くのクライアントを管理できるようになります。しかし,中継するシステムの階層を増やし過ぎると,中継するシステムの数だけハードウェアのコストが掛かります。これは,中継するシステムにはクライアントよりも高性能なハードウェアが要求されるためです。また,クライアントまでに多くの中継するシステムを経由すると,クライアントへのソフトウェアの配布が遅れることもあります。中継するシステムの階層は,ハードウェアの導入コストやネットワーク性能なども考慮して,適切な階層を検討する必要があります。
中継するシステムは,次に示す制限内で設置してください。
次に,ホスト名の長さによる階層の制限について説明します。
配布管理システムでジョブを実行するとき,ジョブの対象となるクライアントを指定します。このとき,配布管理システムからクライアントまでの経路は,経由する中継するシステムのホスト名とクライアントのホスト名をつないだ形式のアドレスで管理されています。アドレスの形式は次のとおりです。
各ホスト名は「!」で区切ります。また,DNSを使用する場合は各ホストを「ホスト名.ドメイン名」の形式で指定します。アドレスの長さは最大255バイトで,区切り文字の「!」および「.」もアドレスの長さに含まれます。また,ホスト名は64バイトまで指定できます。
中継するシステムは,この制限内で設置できます。そのため,極端に長いホスト名を使用している場合や,DNSでのドメイン名が長い場合には,中継するシステムの階層数が制限されます。
中継するシステムの階層例を次の図に示します。
図5-6 中継するシステムの階層例
この階層例の場合,配布管理システムが管理するアドレスは次のようになります。
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