JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.6.5 稼働情報管理の運用例

ここでは,稼働情報を,JP1/NETM/DMのリレーショナルデータベースに自動で格納する場合と,必要なときにコマンドを実行して格納する場合の運用例を紹介します。

<この項の構成>
(1) 稼働情報を自動で格納する
(2) 稼働情報を手動で格納する
(3) データパーティションを使用して稼働監視履歴を格納する

(1) 稼働情報を自動で格納する

自動で格納する設定にしておけば,トラブル発生時に最新の稼働情報を確認できます。また,最新の稼働情報を定期的に監査する場合にも便利です。なお,自動で格納する場合,保存日数を経過すると稼働情報がデータベースから自動的に削除されますが,コマンドを実行して格納すれば再び参照できます。

この場合の,設定と運用時の操作について説明します。

設定
セットアップの[稼働監視]パネルで,次に示す設定にします。
  • 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
  • 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
  • 「自動格納する」チェックボックスをオン
セットアップの詳細については,マニュアル「構築ガイド」の「4.2.14 [稼働監視]パネル」を参照してください。
運用
稼働情報の格納および削除は自動で行うので,運用時の操作は不要です。なお,必要であれば,dcmmonrstコマンドでも稼働情報をデータベースに格納または削除できます。
dcmmonrstコマンドの詳細については,マニュアル「運用ガイド2」の「4.13 dcmmonrst.exe(稼働情報のデータベースへの格納)」を参照してください。

(2) 稼働情報を手動で格納する

あらかじめ監査するタイミングおよび期間を決めていなくても,コマンドを実行することで,必要なときに任意の期間の稼働情報を監査できます。

この場合の,設定と運用時の操作について説明します。

設定
セットアップの[稼働監視]パネルで,次に示す設定にします。
  • 「稼働監視履歴を保存する」チェックボックスをオン
  • 「稼働監視履歴をJP1/NETM/DMのデータベースに格納する」チェックボックスをオン
  • 「操作履歴を格納ディレクトリから圧縮して退避する」ラジオボタンを選択
  • 「自動格納する」チェックボックスをオフ
セットアップの詳細については,マニュアル「構築ガイド」の「4.2.14 [稼働監視]パネル」を参照してください。
運用
dcmmonrstコマンドを実行することで,稼働情報をデータベースに格納または削除します。
Embedded RDB環境では,稼働情報を削除したあとに,netmdb_reclaim.batコマンドで領域を解放する必要があります。
dcmmonrstコマンドの詳細については,マニュアル「運用ガイド2」の「4.13 dcmmonrst.exe(稼働情報のデータベースへの格納)」を参照してください。

(3) データパーティションを使用して稼働監視履歴を格納する

稼働情報を手動で格納する運用の場合,Microsoft SQL Server 2012,Microsoft SQL Server 2008,またはMicrosoft SQL Server 2005の機能であるデータパーティションを使用して稼働監視履歴を格納できます。

大規模ユーザ
1日に発生する稼働情報件数が,1,000万件を超える場合は,日単位にデータパーティションを作成して格納することをお勧めします。
中規模ユーザ
ひとつきに発生する稼働情報件数が,1,000万件を超える場合は,月単位にデータパーティションを作成して格納することをお勧めします。
小規模ユーザ
次のような場合は,データパーティションは不要です。
  • 取得する操作ログの種類が限定されていて,管理対象となる操作ログ件数が,ひとつき当たり数百万件程度のユーザ
  • 管理ユーザが少なく,管理対象となる操作ログ件数が,ひとつき当たり数百万件程度のユーザ
  • 操作ログを管理しないユーザ

パーティションを複数のディスクに分割して構成すると,次のような効果があります。

なお,定期的にシステムを停止して,新たなデータを格納できるようにパーティションを再構成する運用手順が必要です。

稼働監視履歴を検索する場合
パーティションを分割すると,検索の性能が低下するおそれがあります。[操作ログ一覧]ウィンドウからの検索を例に,検索の性能が向上する場合と,低下するおそれがある場合を次に示します。
検索の性能が向上する場合
[操作ログ一覧]ウィンドウの検索期間に,パーティションを分割した範囲内(日単位では当日の範囲内,月単位では当月の範囲内)を指定する場合
検索の性能が低下するおそれがある場合
  • 検索期間を指定しない場合
  • jamTakeOperationLog.batコマンドを実行して検索結果を全件出力する場合
不要な稼働監視履歴を削除する場合
dcmmonrstコマンドでの削除では,時間が掛かることがあります。その場合は,不要になった稼働監視履歴を一括して削除用テーブルに切り替えて,テーブルを削除すると,時間を掛けないでデータを削除できます。