JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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1.1 JP1/NETM/DMの特長

近年,ネットワークの複雑化と,ソフトウェア・ハードウェアの多様化に伴って,ソフトウェアの配布やクライアントの管理を自動化・省力化するツールの必要性が高まっています。特に,大規模なネットワークでは,このようなツールを導入し,ネットワーク環境を利用して集中的に管理しないかぎり,システム管理者の負担は増大する一方です。

運用管理業務を従来のままの方法で行うことには,例えば次のような問題があります。

ソフトウェアのインストール作業での問題
  • 媒体の現地への運搬や,クライアントごとのインストール・セットアップ作業が必要となり,業務環境の構築に膨大な手間とコストが掛かる。
  • ソフトウェアの頻繁なバージョンアップに迅速に対応できない。
クライアントからの情報収集の問題
  • 各クライアントのハードウェアの情報,インストールされているソフトウェアの情報などを把握するのが困難である。
  • クライアントからの情報収集に時間が掛かり,常に最新の情報を手に入れられるとは限らない。

JP1/NETM/DMでは,上記の作業をセンタサーバからの指示で一括して実行でき,システム管理者の負担を大幅に軽減できます。JP1/NETM/DMの特長を次に示します。

●ソフトウェア配布,インベントリ管理の一元化

クライアントに必要な業務プログラムや流通ソフトウェアなどを,センタサーバから一括して配布できます。配布方法は,スケジュール配布やグループ単位での配布など,運用に合わせた方法を選択できます。また,配布時のデータ送信量を削減するために,マルチキャスト配布をサポートしています。

クライアントの資産管理に必要なインベントリ情報は,センタサーバからの指示で一括して取得できます。クライアントから取得するインベントリ情報は,ハードウェア情報やソフトウェア情報だけでなく,クライアントを使用するユーザに関する情報も取得できるため,クライアントをPC環境と利用者の両方から管理できます。また,インターネットの普及とともに重要な意味を持つようになった,ウィルス対策製品の適用の実態などを詳細に管理できます。

●さまざまな規模のシステム,プラットフォーム,環境に対応

JP1/NETM/DMは,数十台程度のクライアントで構成される小規模なシステムから,数万台のクライアントで構成される大規模なシステムまで,さまざまな規模のシステムに適用できます。WindowsシステムとUNIXシステムが混在するシステムや,クライアントにWindows Server 2003 (IPF)搭載のコンピュータおよびWindows CE搭載のPDAが含まれるシステムにも対応しています。

また,システムの可用性を向上させるためのクラスタシステムや,複数LAN接続環境への導入も可能です。

●他プログラムとの連携

JP1/NETM/DMは,JP1/Base,JP1/NETM/Asset Information Manager,JP1/NETM/Client Security Control,JP1/IMなどの他プログラムと連携して使用することで,ソフトウェアの配布やクライアントの資産管理をシステム全体の管理と統合して行うことができます。

また,JP1/AJSからJP1/NETM/DMが提供するコマンドインターフェースを利用して,JP1/NETM/DMを利用した業務を自動的に運用できます。