JP1/Advanced Shell

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5.10.1 通常ファイルの割り当ておよび後処理をする

#-adsh_fileコマンドを使用して,ジョブまたはジョブステップ,これらから起動するコマンドで使用する通常ファイルのファイルパスをシェル変数および環境変数に割り当てます。該当するジョブステップまたはジョブの結果によって,割り当てたファイルの後処理をします。

<この項の構成>
(1) 通常ファイルの割り当て
(2) 通常ファイルの後処理

(1) 通常ファイルの割り当て

指定した通常ファイルのファイルのパスを,ファイル環境変数定義名と同名のシェル変数および環境変数に割り当てます。ファイルの実体は作成しません。

割り当て時にファイルが存在するかどうかを確認する場合は,-chk属性にexistを指定します。existが指定された場合,割り当て時にファイルが存在しなければエラーとなります。

ファイルが存在するかどうかに関係なく割り当てる場合は,-chk属性にnoを指定します。noが指定されたとき,ファイルが存在しなくてもエラーとしないで割り当てます。

通常ファイルtest1をFILEに割り当てる場合の使用例を次に示します。

UNIXの場合の-chk属性の使用例を次に示します。

 
#-adsh_job FILE_CHK
#-adsh_step_start STEP01
  #-adsh_file FILE01 /home/test/test1 -chk no -normal keep -abnormal keep
  #-adsh_file FILE02 /home/test/test2 -chk exist -normal keep -abnormal keep
  cmdA ${FILE01} ${FILE02}
#-adsh_step_end
 

FILE01の割り当てでは,割り当て時にファイルが存在するかどうかを確認しません。したがって,/home/test/test1が存在しなくてもファイルを割り当てます。

FILE02の割り当てでは,割り当て時にファイルが存在するかどうかを確認します。したがって,/home/test/test2が存在しない場合,ファイル割り当て処理はエラーとなります。

(2) 通常ファイルの後処理

通常ファイルは,割り当てたジョブステップまたはジョブ終了時に後処理をします。後処理では,ファイルパスを設定したシェル変数および環境変数を設定前の値に戻します。また,ジョブステップまたはジョブの終了状態および-normal属性または-abnormal属性の指定値に従って次に示す処理をします。

ジョブステップおよびジョブが正常終了した場合,-normal属性の指定に従って後処理をします。-normal属性の指定および通常ファイルの後処理について次に示します。

ジョブステップまたはジョブがエラー終了した場合,-abnormal属性の指定に従って後処理をします。-abnormal属性の指定および通常ファイルの後処理について次に示します。

ただし,ファイル割り当て処理中にエラーが発生した場合,エラーが発生したジョブまたはジョブステップで割り当てた通常ファイルについては,-normal属性および-abnormal属性の指定に関係なくkeepを仮定し,ファイルを削除しません。

通常ファイルの割り当てではファイルの実体を作成しないため,後処理をするときに存在しないファイルは存在しない状態のままになります。

Windowsでの後処理の実行例を次に示します。

 
#-adsh_job JOB
#-adsh_file FILE01 'C:\user\file01' -chk exist -normal keep -abnormal del
 
#-adsh_step_start STEP
    #-adsh_file FILE02 'C:\user\file02' -chk exist -normal del -abnormal del
    #-adsh_file FILE03 'C:\user\file03' -chk exist -normal keep -abnormal del 
    uap
#-adsh_step_end
 
#-adsh_file FILE04 'C:\user\file04' -chk exist -normal del -abnormal del
 

例1
FILE03の割り当てでエラーになった場合
  • FILE01に割り当てた通常ファイルは,ジョブ終了時に後処理をします。-abnormal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。
  • FILE02に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-normal属性および-abnormal属性の指定に関係なくkeepを仮定し,通常ファイルは削除しません。
  • FILE03に割り当てようとした通常ファイルは,割り当てが完了していないため後処理をしません。
  • FILE04の割り当て処理は動作しません。

例2
FILE04の割り当てでエラーになった場合
  • FILE01に割り当てた通常ファイルは,ジョブ終了時に後処理をします。-normal属性および-abnormal属性の指定に関係なくkeepを仮定し,通常ファイルは削除しません。
  • FILE02に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-normal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。
  • FILE03に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-normal属性の指定に従って通常ファイルは削除しません。
  • FILE04に割り当てようとした通常ファイルは,割り当てが完了していないため後処理をしません。

例3
uapでエラーになった場合
  • FILE01に割り当てた通常ファイルは,ジョブ終了時に後処理をします。-abnormal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。
  • FILE02に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-abnormal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。
  • FILE03に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-abnormal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。
  • FILE04の割り当て処理は動作しません。

例4
正常終了した場合
  • FILE01に割り当てた通常ファイルは,ジョブ終了時に後処理をします。-normal属性の指定に従って通常ファイルは削除しません。
  • FILE02に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-normal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。
  • FILE03に割り当てた通常ファイルは,ジョブステップ終了時に後処理をします。-normal属性の指定に従って通常ファイルは削除しません。
  • FILE04に割り当てた通常ファイルは,ジョブ終了時に後処理をします。-normal属性の指定に従って通常ファイルを削除します。

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