JP1/Automatic Job Management System 3 - SOA Option Webシステム呼び出し機能編

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5.8.2 環境設定ファイルの定義

環境設定ファイルajswscommon.confに定義できる環境設定パラメーター,および定義時の注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) 環境設定ファイルajswscommon.confに定義できる環境設定パラメーター
(2) 環境設定ファイルの設定例
(3) 定義時の注意事項

(1) 環境設定ファイルajswscommon.confに定義できる環境設定パラメーター

環境設定ファイルajswscommon.confに定義できる環境設定パラメーターを次の表に示します。

表5-2 ajswscommon.confに定義できる環境設定パラメーター一覧

環境設定パラメーター名 定義内容
port ポート番号
maxwsp WSジョブの最大同時実行数
log.file_size 稼働ログファイルのサイズ
log.num 稼働ログの面数
jvmlib コントローラーが使用するJavaVMのライブラリ名
apserver_path 使用するWebアプリケーションサーバのインストールパス
stdout_enable ユーザーWSジョブ実行時に標準出力を有効にするかどうか
apserver_kind 使用するWebアプリケーションサーバの種類
apserver_home Linuxの場合は,設定不要です。
keystore※1 キーストアファイルのパス
keystore_password※1 キーストアのパスワード
truststore※1 トラストストアファイルのパス
truststore_password※1 トラストストアファイルのパスワード
jaxws_enable※2 ユーザーWSプログラムでJAX-WSを利用するかどうか

注※1
WebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターに値を設定しても無効になります。

注※2
WebLogic ServerまたはWebSphere Application Serverを使用する場合,このパラメーターに値を設定しても無効になります。

次に,環境設定パラメーターの定義内容について説明します。

port
JP1/AJS3 - SOA Optionの内部処理の通信で使用するポート番号を設定します。
1,024〜65,535の範囲で設定します。
デフォルトでは,「20500」が設定されます。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。

maxwsp
WSジョブの最大同時実行数を設定します。
JP1/AJSの「ジョブ実行多重度」は,ここで設定したWSジョブの最大同時実行数分のWSジョブが実行できるように設定してください。
1〜64の範囲で設定します。
デフォルトでは,「10」が設定されます。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。

log.file_size
JP1/AJS3 - SOA Optionが出力する稼働ログのサイズを設定します。JP1/AJS3 - SOA Optionの稼働ログファイルには,幾つかの種類がありますが,すべてのログファイルに対して共通の設定項目です。
4,096〜16,777,216バイトの範囲で設定します。
デフォルトでは,「2097152」バイトが設定されます。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。
注意
現在の値よりも小さい値に変更する場合,次のディレクトリの下にあるファイルとディレクトリをすべて削除してください。なお,削除前にバックアップを採ってください。
/var/opt/jp1ajs2forws/base/log

log.num
JP1/AJS3 - SOA Optionが出力する稼働ログの面数を設定します。JP1/AJS3 - SOA Optionの稼働ログファイルには,幾つかの種類がありますが,すべてのログファイルに対して共通の設定項目です。
2〜16の範囲で設定します。
デフォルトでは,「2」が設定されます。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。
注意
現在の値よりも小さい値に変更する場合,次のディレクトリの下にあるファイルとディレクトリをすべて削除してください。なお,削除前にバックアップを採ってください。
/var/opt/jp1ajs2forws/base/log

jvmlib
使用するWebアプリケーションサーバが提供するJavaVMのライブラリ名をフルパスで設定します。
デフォルトを次に示します。
 
/opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/i386/server/libjvm.so
 
下線部は,使用するWebアプリケーションサーバに応じて,次に示すライブラリ名を指定してください。

表5-3 JavaVMライブラリ名

項番 Webアプリケーションサーバ JavaVMライブラリ名
1 Cosminexus Application Server /opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/i386/server/libjvm.so
2 WebSphere Application Server WSジョブ実行ホストのWebSphere Application Serverインストール先ディレクトリ/java/jre/lib/i386/classic/libjvm.so
3 WebLogic Server WSジョブ実行ホストのWebLogic Serverインストール先ディレクトリ/jrockit_160_17_R28.0.0-679/jre/lib/i386/jrockit/libjvm.so
 
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。

apserver_path
WSジョブ実行ホストにあるWebアプリケーションサーバのインストールパスをフルパスで設定します。
デフォルトでは次の値が設定されます。
 
/opt/Cosminexus
下線部は,使用するWebアプリケーションサーバに応じて変更してください。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。

stdout_enable
ユーザーWSジョブ実行時に標準出力を有効にするかどうかを設定します。

0
ユーザーWSジョブ実行時に標準出力を無効にします。

1
ユーザーWSジョブ実行時に標準出力を有効にします。
 
デフォルトでは,「1」が設定されます。
「0」を設定すると,ユーザーWSプログラムにJava標準の機能で標準出力するように実装しても,標準出力には出力されません。
「1」を設定すると,Java標準の機能で標準出力に出力した内容とSOAPクライアントライブラリによって標準出力に出力された稼働情報が混在します。したがって,標準出力を使用してユーザーWSジョブの結果を後続ジョブへ引き継ぐことが困難になる場合があります。必要に応じてstdout_enableの値を「0」に変更してください。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。

apserver_kind
Webアプリケーションサーバの種類を次のように設定します。
  • Cosminexus Application Serverの場合:「COS」
  • WebSphere Application Serverの場合:「WAS7」
  • WebLogic Serverの場合:「WL10」
デフォルトでは,「COS」が設定されています。
このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。

apserver_home
Linuxの場合は,設定不要です。
デフォルトで空文字が設定されています。デフォルト値のまま(空文字)にしてください。

keystore
WSジョブによるWebサービス接続でHTTPS通信する場合に,キーストアファイルの格納先パスを設定します。このパラメーターは,WSジョブ実行ホストのWebアプリケーションサーバがCosminexus Application ServerまたはWebSphere Application Serverの場合に設定が必要です。
キーストアは,HTTPS通信する際の暗号化に使用する鍵です。キーストアファイルは,WSジョブの実行によってWebサービス提供ホストに接続する際,HTTPS通信を利用したクライアント認証で使用されます。
フルパスで設定してください。また,次の点に注意してください。

Cosminexus Application Serverを使用する場合
このパラメーターに設定した値は,次のシステムプロパティにマッピングされます。
 
javax.net.ssl.keyStore
 
このため,ユーザーWSジョブの実行でも有効になります。
javax.net.ssl.keyStoreについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ V8 SOAPアプリケーション開発の手引」のFAQの,SOAPクライアントからSSLを使用してSOAPサービスへの接続について記載している個所を参照してください。

WebSphere Application Serverを使用する場合
ユーザーWSジョブでのWebサービス接続でHTTPS通信する場合は,このパラメーターに値を設定してもHTTPS通信できません。ユーザーWSプログラムの実装で設定してください。
 
なお,WebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターは利用できません。
このため,標準WSジョブの実行によるWebサービス接続で,HTTPS通信を利用できません。ただし,ユーザーWSジョブでのWebサービス接続では,HTTPS通信を利用できます。ユーザーWSプログラムにHTTPS通信関連の設定を実装してください。

keystore_password
WSジョブによるWebサービス接続でHTTPS通信する場合に,キーストアのパスワードを設定します。このパラメーターは,WSジョブ実行ホストのWebアプリケーションサーバがCosminexus Application ServerまたはWebSphere Application Serverの場合に設定が必要です。
6〜511バイトの範囲で設定します。
また,次の点に注意してください。

Cosminexus Application Serverを使用する場合
このパラメーターに設定した値は,次のシステムプロパティにマッピングされます。
 
javax.net.ssl.keyStorePassword
 
このため,ユーザーWSジョブの実行でも有効になります。
javax.net.ssl.keyStorePasswordについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ V8 SOAPアプリケーション開発の手引」のFAQの,SOAPクライアントからSSLを使用してSOAPサービスへの接続について記載している個所を参照してください。

WebSphere Application Serverを使用する場合
ユーザーWSジョブでのWebサービス接続でHTTPS通信する場合は,このパラメーターに値を設定してもHTTPS通信できません。ユーザーWSプログラムの実装で設定してください。
 
なお,WebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターは利用できません。
このため,標準WSジョブの実行によるWebサービス接続で,HTTPS通信を利用できません。ただし,ユーザーWSジョブでのWebサービス接続では,HTTPS通信を利用できます。ユーザーWSプログラムにHTTPS通信関連の設定を実装してください。

truststore
WSジョブによるWebサービス接続でHTTPS通信する場合に,トラストストアファイルの格納先パスを設定します。このパラメーターは,WSジョブ実行ホストのWebアプリケーションサーバがCosminexus Application ServerまたはWebSphere Application Serverの場合に設定が必要です。
トラストストアは,HTTPS通信する際の電子証明書です。トラストストアファイルは,WSジョブの実行によるWebサービス提供ホストに接続する際,HTTPS通信を利用してクライアント認証する場合に使用します。
フルパスで設定してください。また,次の点に注意してください。

Cosminexus Application Serverを使用する場合
このパラメーターに設定した値は,次のシステムプロパティにマッピングされます。
 
javax.net.ssl.trustStore
 
このため,ユーザーWSジョブの実行でも有効になります。
javax.net.ssl.trustStoreについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ V8 SOAPアプリケーション開発の手引」のFAQの,SOAPクライアントからSSLを使用してSOAPサービスへの接続について記載している個所を参照してください。

WebSphere Application Serverを使用する場合
ユーザーWSジョブでのWebサービス接続でHTTPS通信する場合は,このパラメーターに値を設定してもHTTPS通信できません。ユーザーWSプログラムの実装で設定してください。
 
なお,WebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターは利用できません。
このため,標準WSジョブの実行によるWebサービス接続で,HTTPS通信を利用できません。ただし,ユーザーWSジョブでのWebサービス接続では,HTTPS通信を利用できます。ユーザーWSプログラムにHTTPS通信関連の設定を実装してください。

truststore_password
WSジョブによるWebサービス接続でHTTPS通信する場合に,トラストストアのパスワードを設定します。このパラメーターは,WSジョブ実行ホストのWebアプリケーションサーバがCosminexus Application ServerまたはWebSphere Application Serverの場合に設定が必要です。
6〜511バイトの範囲で設定します。
また,次の点に注意してください。

Cosminexus Application Serverを使用する場合
このパラメーターに設定した値は,次のシステムプロパティにマッピングされます。
 
javax.net.ssl.trustStorePassword
 
このため,ユーザーWSジョブの実行でも有効になります。
javax.net.ssl.trustStorePasswordについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ V8 SOAPアプリケーション開発の手引」のFAQの,SOAPクライアントからSSLを使用してSOAPサービスへの接続について記載している個所を参照してください。

WebSphere Application Serverを使用する場合
ユーザーWSジョブでのWebサービス接続でHTTPS通信する場合は,このパラメーターに値を設定してもHTTPS通信できません。ユーザーWSプログラムの実装で設定してください。
 
なお,WebLogic Serverを使用する場合,このパラメーターは利用できません。
このため,標準WSジョブの実行によるWebサービス接続で,HTTPS通信を利用できません。ただし,ユーザーWSジョブでのWebサービス接続では,HTTPS通信を利用できます。ユーザーWSプログラムにHTTPS通信関連の設定を実装してください。

jaxws_enable
WebアプリケーションサーバにCosminexus Application Server 08-50以降を使用する場合,ユーザーWSプログラムでJAX-WSを利用するかどうかを設定します。

0
JAX-WSを利用しません。

1
JAX-WSを利用します。
 
デフォルトでは,「1」が設定されます。ただし,この環境設定パラメーター名がない場合(JP1/AJS3 - SOA Optionからのアップグレードの場合)は,設定値を「0」として動作します。このパラメーターの設定を省略した場合,または不正な値を設定した場合,デフォルト値が設定されます。
なお,WebLogic ServerまたはWebSphere Application Serverを使用する場合,このパラメーターは利用できません。

(2) 環境設定ファイルの設定例

環境設定ファイルajswscommon.confの設定例を次に示します。

WebアプリケーションサーバがCosminexus Application Serverの場合
 
# コメント
port=20500
maxwsp=10
log.file_size=2097152
log.num=2
jvmlib=/opt/Cosminexus/jdk/jre/lib/i386/server/libjvm.so
apserver_path=/opt/Cosminexus
stdout_enable=1
apserver_kind=COS
keystore=/home/user1/1.keystore
keystore_password=password
truststore=/home/user1/1.truststore
truststore_password=password
jaxws_enable=1
 

WebアプリケーションサーバがWebSphere Application Serverの場合
 
# コメント
port=20500
maxwsp=10
log.file_size=2097152
log.num=2
jvmlib=/usr/IBM/WebSphere/AppServer/java/jre/lib/i386/classic/
libjvm.so
apserver_path=/usr/IBM/WebSphere/AppServer
stdout_enable=1
apserver_kind=WAS7
keystore=/home/user1/1.keystore
keystore_password=password
truststore=/home/user1/1.truststore
truststore_password=password
 

WebアプリケーションサーバがWebLogic Serverの場合
 
# コメント
port=20500
maxwsp=10
log.file_size=2097152
log.num=2
jvmlib=/usr/Oracle/Middleware/jrockit_160_17_R28.0.0-679/jre/lib
/i386/jrockit/libjvm.so
apserver_path=/usr/Oracle/Middleware/wlserver_10.3
stdout_enable=1
apserver_kind=WL10
 

(3) 定義時の注意事項

定義時の注意事項を次に示します。

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