JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2
形式
jajs_setup [-F スケジューラーサービス名] {-a [-h 論理ホスト名] -n スケジューラーサービスの識別番号 -p ジョブ状態通信ポートのサービス名 -d データベースディレクトリ名 -t テンポラリーディレクトリ名 -j ジョブ情報ディレクトリ名 -b 退避情報ディレクトリ名 [-D 論理ホスト共有ディレクトリ名 -I セットアップ識別子 -P 組み込みDBポート番号] | -r -A 変更後のスケジューラーサービス名 | -e}形式1(スケジューラーサービスの追加)
jajs_setup -a [-h 論理ホスト名] [-F スケジューラーサービス名] -n スケジューラーサービスの識別番号 -p ジョブ状態通信ポートのサービス名 -d データベースディレクトリ名 -t テンポラリーディレクトリ名 -j ジョブ情報ディレクトリ名 -b 退避情報ディレクトリ名 [-D 論理ホスト共有ディレクトリ名 -I セットアップ識別子 -P 組み込みDBポート番号]形式2(スケジューラーサービス名の変更)
jajs_setup -r [-F スケジューラーサービス名] -A 変更後のスケジューラーサービス名形式3(スケジューラーサービスの削除)
jajs_setup -e [-F スケジューラーサービス名]
機能
JP1/AJS3のスケジューラーサービスをセットアップします。
指定したオプションに応じて次のセットアップが実行されます。
- スケジューラーサービスの追加
- スケジューラーサービスの名称変更
- スケジューラーサービスの削除
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-a
新規にスケジューラーサービスを追加します。
このコマンドを実行してスケジューラーサービスを追加する場合,新規に作成するスケジューラーサービスに対応したデータベースのインストールとセットアップを実行します。これによって,スケジューラーサービスを簡単に作成できます。
スケジューラーサービスの追加が正常終了したあとに,追加したスケジューラーサービスの環境設定パラメーターを変更する場合は,jajs_configコマンドの-kオプション(定義キー)に次の値を指定して変更します。
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}※1\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名※2]
- 注※1
- 物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は作成時に指定した論理ホスト名を指定します。
- 注※2
- 作成時に指定したスケジューラーサービス名を指定します。
このオプションは,-h,-F,-n,-p,-d,-t,-j,および-bオプションと同時に指定します。論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は,-D,-I,および-Pオプションも同時に指定します。
このオプションを指定した場合,-n,-p,-d,-t,-j,および-bオプションは省略できません。
組み込みDBを新規に作成する場合,コマンドの実行に数分から数十分の時間が掛かります。物理ホストでは,一つの組み込みDBに作成できるスケジューラーサービスの数は最大4個です。これを超えると組み込みDBを新規に作成するため,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。論理ホストでは,-Iオプションに構築済みの組み込みDBのセットアップ識別子を指定しない場合は新規に組み込みDBを作成するため,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。
また,jajs_migrateコマンドの-uオプションを指定していた場合も,一つの組み込みDBに最大4個のスケジューラーサービスが作成されます。一つの組み込みDBに作成されるスケジューラーサービスの数を指定したい場合は,組み込みDBの高度なセットアップを実施してください。jajs_migrateコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド jajs_migrate」を参照してください。組み込みDBの高度なセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 付録C 組み込みDBの高度なセットアップ」を参照してください。
-r
スケジューラーサービスの名称を変更します。物理ホストおよび論理ホストの区別なく,コマンドを実行したホスト上のスケジューラーサービスの名称を処理対象とします。
このオプションは,-F,および-Aオプションと同時に指定します。このオプションを指定した場合,-Aオプションは省略できません。
スケジューラーサービスの名称変更はJP1/AJS3の各種機能に影響を与え,ジョブネットやジョブが異常終了したり,正しく実行されなかったりなどの現象が発生する場合があります。このため,このオプションは,運用開始前のスケジューラーサービスに対して使用することを推奨します。
スケジューラーサービスの名称変更中にメッセージKAVS1133-Wが出力された場合は,スケジューラーサービスの設定が変更後のスケジューラーサービスに引き継がれていません。このため,スケジューラーサービスの名称を変更したあとに,スケジューラーサービスローカル日時またはサスペンド機能を再設定してください。
- スケジューラーサービスローカル日時の再設定
- 変更前のスケジューラーサービスでスケジューラーサービスローカル日時を設定している場合,ajslocaldateコマンドを実行し,変更後のスケジューラーサービスに対してスケジューラーサービスローカル日時を設定します。
- (例)スケジューラーサービスAJSROOT5のスケジューラーサービスローカル日時をホストの現在時刻より5分(300秒)進める場合
- ajslocaldate -F AJSROOT5 -s 300
- サスペンド機能の再設定
- 変更前のスケジューラーサービスでサスペンド機能を有効にしている場合,ajssetupコマンドを実行し,変更後のスケジューラーサービスに対してサスペンド機能を有効にします。
- (例)スケジューラーサービスAJSROOT5のサスペンド機能を有効にする場合
- ajssetup -F AJSROOT5 -m
運用開始後にスケジューラーサービスの名称を変更する方法については,「補足事項」を参照してください。
-e
スケジューラーサービスを削除します。物理ホストおよび論理ホストの区別なく,コマンドを実行したホスト上のスケジューラーサービスの名称を処理対象とします。
このコマンドでスケジューラーサービスを削除すると,スケジューラーサービスに対応したデータベースも削除されます。
このオプションは,-Fオプションと同時に指定します。
-h 論理ホスト名
セットアップ対象とする論理ホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1〜32(単位:バイト)です。
オプションに指定した論理ホストに対してセットアップが実行されます。
オプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりオプションに指定した値の方が優先されます。省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEの値が論理ホスト名に仮定されます。
物理ホストをセットアップする場合,次の方法でセットアップ対象に指定できます。
- オプションの指定を省略し,環境変数JP1_HOSTNAMEを設定しない
- オプションの値または環境変数JP1_HOSTNAMEの値に「JP1_DEFAULT」を指定する
オプションの値または環境変数JP1_HOSTNAMEの値に,物理ホストのマシン名を指定しても,物理ホストの設定はできません。
論理ホストをセットアップ対象とした場合,同時に-D,-Iオプションおよび-Pオプションの指定が必要です。
このオプションは,-rおよび-eオプションと同時に指定できません。
-F スケジューラーサービス名
処理対象とするスケジューラーサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
スケジューラーサービス名に指定できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド2 2.2 スケジューラーサービス環境設定」の表2-2 の下にある,スケジューラーサービスに関する注意を参照してください。
省略した場合は,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。
-A 変更後のスケジューラーサービス名
変更後のスケジューラーサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
このオプションは,-rオプションと同時に指定します。
-n スケジューラーサービスの識別番号
スケジューラーサービスの識別番号を10進数で指定します。
指定できる値は,1〜20です。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- 自ホスト内の物理ホスト,およびすべての論理ホストで使用している識別番号と重複する値を指定した場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
ここで指定した識別番号は,テンポラリーファイルの名称や,プロセス間通信のキーなど,内部的にスケジューラーサービスを識別する場合に使われるため,一度指定した識別番号を変更しないことを推奨します。変更した場合は,スケジューラーサービスをコールドスタートしてください。
-p ジョブ状態通信ポートのサービス名
ジョブ状態の情報を取得するために使用する通信ポートのポート番号をサービス名で指定します。jajs_setupコマンド完了後に,指定したジョブ状態通信ポートのサービス名をservicesファイルに定義してください。
指定できる文字数は,1〜31(単位:バイト)です。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- スケジューラーサービスを多重起動する場合で,スケジューラーサービスごとに異なるサービス名を指定してservicesファイルに重複するポート番号が設定された場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-d データベースディレクトリ名
JP1/AJS3のユニット情報を格納するディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1〜191(単位:バイト)です。
指定するデータベースディレクトリ名の最後にパス区切り文字(Windowsの場合は「\」,UNIXの場合は「/」)を指定しないでください。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- 指定したディレクトリがない場合
- 自ホスト内の物理ホスト,およびすべての論理ホストで使用しているデータベースディレクトリ名と重複する値を指定した場合
- 指定したデータベースディレクトリ名の最後にパス区切り文字がある場合
- UNIXで「/」(ルート)を指定した場合
- Windowsで,先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-t テンポラリーディレクトリ名
JP1/AJS3のテンポラリーファイルを作成するディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1〜191(単位:バイト)です。
指定したディレクトリがない場合は,警告メッセージが表示されます。警告メッセージに表示されたディレクトリを手動で作成するか,jajs_configコマンドで環境設定パラメーターAJSTMPDIRを更新してください。jajs_configコマンドで指定する定義キーについては,-aオプションの説明を参照してください。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- 自ホスト内の物理ホスト,およびすべての論理ホストで使用しているテンポラリーディレクトリ名と重複する値を指定した場合
- UNIXで「/」(ルート)を指定した場合
- Windowsで,先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-j ジョブ情報ディレクトリ名
ジョブ定義時に標準エラー出力ファイルを指定していない場合に,ジョブ実行時に標準エラー出力ファイルを格納するディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1〜191バイト(単位:バイト)です。
指定したディレクトリがない場合は,警告メッセージが表示されます。警告メッセージに表示されたディレクトリを手動で作成するか,jajs_configコマンドで環境設定パラメーターJOBINFDIRを更新してください。jajs_configコマンドで指定する定義キーについては,-aオプションの説明を参照してください。
次に示す場合,メッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- 自ホスト内の物理ホスト,およびすべての論理ホストで使用しているジョブ情報ディレクトリ名と重複する値を指定した場合
- UNIXで「/」(ルート)を指定した場合
- Windowsで,先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-b 退避情報ディレクトリ名
ユニットを退避させるときのディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1〜191(単位:バイト)です。
指定したディレクトリがない場合は,警告メッセージが表示されます。警告メッセージに表示されたディレクトリを手動で作成するか,jajs_configコマンドで環境設定パラメーターAJSBKUROOTを更新してください。jajs_configコマンドで指定する定義キーについては,-aオプションの説明を参照してください。
次に示す場合はメッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- UNIXで「/」(ルート)を指定した場合
- Windowsで,先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
-D 論理ホスト共有ディレクトリ名
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する際に,論理ホストで使用する共有ディレクトリ名をフルパスで指定します。
指定できる文字数は,1〜165(単位:バイト)です。
次に示す場合はメッセージが表示され,コマンドが異常終了します。
- 範囲外の値を指定した場合
- 指定したディレクトリがない場合
- UNIXで「/」(ルート)を指定した場合
- Windowsで,先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は必ず指定してください。指定しない場合,コマンドが異常終了します。
-I セットアップ識別子
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する際に,論理ホストで使用する組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは1〜9またはA〜Zのどれか)の4文字で指定します。
論理ホストに構築済みの組み込みDBにスケジューラーデータベースをセットアップする場合は,構築済みの組み込みDBのセットアップ識別子を指定してください。構築済みの組み込みDBのセットアップ識別子を指定しない場合は,-Iオプションに指定したセットアップ識別子で組み込みDBを新規に構築し,スケジューラーデータベースをセットアップしてください。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は必ず指定してください。指定しない場合,コマンドが異常終了します。
-P 組み込みDBポート番号
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する際に,論理ホストの組み込みDBで使用するポート番号を指定します。
論理ホストに構築済みの組み込みDBにスケジューラーデータベースを作成する場合は,-Iオプションに指定したセットアップ識別子に対応する組み込みDBのポート番号を指定してください。組み込みDBを新規で構築する場合は,システム内で使用されていないポート番号を指定してください。
指定できる値は数値で,5001〜65535です。
このオプションは,-aオプションと同時に指定します。
論理ホストにスケジューラーサービスを追加する場合は必ず指定してください。指定しない場合,コマンドが異常終了します。
注意事項
- このコマンドを同時に複数実行しないでください。
- コマンド実行中に強制終了しないでください。
- スケジューラーサービス名の変更,およびスケジューラーサービスの削除を実施する場合は,該当するスケジューラーサービスを停止してからこのコマンドを実行してください。停止しないで実行した場合,異常終了します。
該当するスケジューラーサービス以外のサービスは停止する必要はありません。
- スケジューラーサービスを追加または削除する場合は,設定するホストに構築されているすべての組み込みDBを稼働状態にする必要があります。組み込みDBの状態を確認しないでコマンドを実行した場合は異常終了するおそれがあります。対象のホストに構築されている組み込みDBのセットアップ識別子(_JFn)については,ajsembdbidlistコマンドを実行して確認してください。
組み込みDBの状態の確認方法を次に示します。
- Windowsの場合
- 対象のJP1/AJS3 Database _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)のサービスが開始していることを確認してください。開始していない場合は,JP1/AJS3 Database _JFnのサービスを開始してください。
- ajsembdbstatusコマンドを-s ust -id _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)オプションを指定して実行し,組み込みDBが稼働状態になっていること(UNIT-STATがONLINEになっていること)を確認してください。稼働状態になっていない場合は,ajsembdbstartコマンドを-id _JFnオプションを指定して実行してください。
- UNIXの場合
- ajsembdbstatusコマンドを-s ust -id _JFn(nは0〜9またはA〜Zのどれか)オプションを指定して実行し,組み込みDBが稼働状態になっていること(UNIT-STATがONLINEになっていること)を確認してください。稼働状態になっていない場合は,ajsembdbstartコマンドを-id _JFnオプションを指定して実行してください。
- JP1/AJS3サービスが起動中の場合でも,スケジューラーサービスの追加,または対象のスケジューラーサービスだけを停止してスケジューラーサービスを削除および名称変更ができます。ただし,変更されたスケジューラーサービス構成が有効になるのは,次回JP1/AJS3サービスを起動したあとです。運用形態に合わせてスケジューラーサービス構成を変更する場合の手順については,次のマニュアルの記載個所を参照してください。
- Windowsの場合
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 6.1.1 スケジューラーサービスの多重起動の設定」
- UNIXの場合
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 15.1.1 スケジューラーサービスの多重起動の設定」
- Windows ファイアウォールを使用している場合,セットアップ処理中にポップアップメッセージが表示されることがあります。その場合は,Windows ファイアウォールへの例外登録が必要になるため,ajsembdbinstlコマンドの注意事項を参照して対応してください。
- コマンドを実行する際は,論理ホスト名から解決したIPアドレスを使って通信できる状態である必要があります。
- コマンド実行中に,メッセージ「Database maintenance failed(func code=xx, error code=yy)」を出力してコマンドが異常終了することがあります。その場合は,次の表に従って対処してください。
xxの値 対処 1 このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbbuildコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 2 このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbsetupコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 3 このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbunsetコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 4 このメッセージの前に出力されているエラーメッセージの対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。 5 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(1) 組み込みDBのメンテナンス中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 6 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(2) 組み込みDBのインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 7 出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.8.8(3) 組み込みDBのアンインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。 - クラスタ構成の待機系ホストでは,jajs_setupコマンドでスケジューラーサービスを追加および削除できません。
待機系ホストに対してこれらの操作を実行したい場合は,JP1/Baseのコマンドを使用してください。手順は次のとおりです。
- スケジューラーサービスの追加
- 実行系ホストで次のコマンドを実行し,論理ホストの構成定義を取得する。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 出力ファイル名
- 待機系ホストで次のコマンドを実行し,手順1で出力したファイルを取り込む。
jbssetcnf 出力ファイル名
- スケジューラーサービスの削除
- 待機系ホストで次のコマンドを実行する。
jbsunsetcnf -h 論理ホスト名 -c "JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名"
- 運用プロファイルが設定されているスケジューラーサービスの名称を変更する場合,運用プロファイルのファイル名も変更してください。
例えば,ユニット属性プロファイルが設定されているスケジューラーサービスAJSROOT2の名称をAJSROOT3に変更する場合,ユニット属性プロファイルのファイル名を,次のように変更してください。
変更前:ajsprof_AJSROOT2_unit.conf
変更後:ajsprof_AJSROOT3_unit.conf
- 運用プロファイルが設定されているスケジューラーサービスを削除する場合,必要に応じて該当する運用プロファイルも削除してください。
戻り値
0〜9 正常終了。 10〜49 警告終了。コマンドは終了したが,手動による操作が必要。 50以上 異常終了。
運用開始後にスケジューラーサービスの名称を変更する手順を次に示します。
- 変更するスケジューラーサービスを停止し,スケジューラーサービスをコールドスタートする。
コールドスタート後は,名称変更の手順が終了するまでジョブネットを実行登録しないでください。
- JP1/AJS3サービスを停止する。
- UNIXの場合,ajsshmdelコマンドを実行して共有メモリー情報を削除する。
ajsshmdelコマンドのパスは,「/opt/jp1ajs2/bin/ajsshmdel」です。
- (例)
- shの場合:/opt/jp1ajs2/bin/ajsshmdel >/dev/null 2>&1
- cshの場合:/opt/jp1ajs2/bin/ajsshmdel >&/dev/null
- jajs_setupコマンドを実行し,スケジューラーサービスの名称を変更する。
jajs_setupコマンド実行時にメッセージKAVS1133-Wが出力されなかった場合は,手順7以降の操作を実行してください。
- (例)AJSROOT2をAJSROOT5に変更する場合
- jajs_setup -r -F AJSROOT2 -A AJSROOT5
jajs_setupコマンド実行時にメッセージKAVS1133-Wが出力された場合は,メッセージ中に出力される設定名称から手順5または手順6の操作を実行し,手順7以降の操作を実行してください。
- 注意事項
- 変更前のスケジューラーサービスにスケジューラーサービスローカル日時を設定している場合は,スケジューラーサービスの名称変更前に,スケジューラーサービスローカル日時とシステム日時の差分を取得しておいてください。
- スケジューラーサービスローカル日時は,ajslocaldateコマンド(オプション指定なし)で取得してください。
- システム日時の取得方法については,使用しているOSのドキュメントを参照してください。
- スケジューラーサービスローカル日時の設定に失敗してメッセージKAVS1133-Wが出力された場合,この差分によって変更後のスケジューラーサービスにスケジューラーサービスローカル日時を設定します。
- スケジューラーサービスローカル日時を再設定する。
ajslocaldateコマンドを実行し,変更後スケジューラーサービスに対してスケジューラーサービスローカル日時を設定します。
- (例)スケジューラーサービスAJSROOT5のスケジューラーサービスローカル日時をホストの現在時刻より5分(300秒)進める場合
- ajslocaldate -F AJSROOT5 -s 300
- サスペンド機能を再設定する。
ajssetupコマンドを実行し,変更後スケジューラーサービスに対してサスペンド機能を有効にします。
- (例)スケジューラーサービスAJSROOT5のサスペンド機能を有効にする場合
- ajssetup -F AJSROOT5 -m
- 変更する前のスケジューラーサービス名が次に示す環境設定パラメーターに設定されている場合,jajs_configコマンドを実行して変更後のスケジューラーサービス名に変更する。
定義キー:JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER
環境設定パラメーター:
デフォルトスケジューラーサービス名:DEFAULTSERVICENAME
リモートジョブネットを実行するスケジューラーサービス名:REMNETSERVICENAME
- (例)デフォルトスケジューラーサービス名をAJSROOT5に設定する場合
- jajs_config -k "[JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER]" DEFAULTSERVICENAME=AJSROOT5
- (例)リモートジョブネットを実行するスケジューラーサービス名をAJSROOT5に設定する場合
- jajs_config -k "[JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER]" REMNETSERVICENAME=AJSROOT5
- JP1/AJS3サービスを起動する。
- 次に示す場合は,スケジューラーサービス起動後,必要に応じてスケジューラーサービス設定を変更または再設定する。
- ユニット定義中に変更前スケジューラーサービス名を指定している場合
- JP1/AJS3の連携機能で,変更前スケジューラーサービスを監視対象や情報収集対象としている場合
使用例1
物理ホストに対して,次の条件のスケジューラーサービスを追加します。
- スケジューラーサービス名:AJSROOT2
- スケジューラーサービスの識別番号:2
- ジョブ状態通信ポートのサービス名:jp1ajs2report2
- データベースディレクトリ名:/var/opt/jp1ajs2/database/schedule/AJSROOT2
- テンポラリーディレクトリ名:/var/opt/jp1ajs2/tmp/schedule2
- ジョブ情報ディレクトリ名:/var/opt/jp1ajs2/jobinf2
- 退避情報ディレクトリ名:/var/opt/jp1ajs2/backup/schedule2
jajs_setup -a -h JP1_DEFAULT -F AJSROOT2 -n 2 -p jp1ajs2report2 -d "/var/opt/jp1ajs2/database/schedule/AJSROOT2" -t "/var/opt/jp1ajs2/tmp/schedule2" -j "/var/opt/jp1ajs2/jobinf2" -b "/var/opt/jp1ajs2/backup/schedule2"
使用例2
論理ホスト(lhost)に対して,次の条件のスケジューラーサービスを追加します。
- スケジューラーサービス名:AJSROOT3
- スケジューラーサービスの識別番号:3
- ジョブ状態通信ポートのサービス名:jp1ajs2report3
- データベースディレクトリ名:H:\JP1LHOST\jp1ajs2\database\schedule\AJSROOT3
- テンポラリーディレクトリ名:H:\JP1LHOST\jp1ajs2\tmp\schedule3
- ジョブ情報ディレクトリ名:H:\JP1LHOST\jp1ajs2\jobinf3
- 退避情報ディレクトリ名:H:\JP1LHOST\jp1ajs2\backup\schedule3
- 論理ホスト共有ディレクトリ名:H:\JP1LHOST
- セットアップ識別子:_JFA
- 組み込みDBポート番号:22250
jajs_setup -a -h lhost -F AJSROOT3 -n 3 -p jp1ajs2report3 -d "H:\JP1LHOST\jp1ajs2\database\schedule\AJSROOT3" -t "H:\JP1LHOST\jp1ajs2\tmp\schedule3" -j "H:\JP1LHOST\jp1ajs2\jobinf3" -b "H:\JP1LHOST\jp1ajs2\backup\schedule3" -D "H:\JP1LHOST" -I _JFA -P 22250
使用例3
スケジューラーサービス名(AJSROOT2)を(JP1AJS3001)に変更します。
jajs_setup -r -F AJSROOT2 -A JP1AJS3001
使用例4
スケジューラーサービス(AJSROOT2)を削除します。
jajs_setup -e -F AJSROOT2
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi, Ltd.
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