JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2
形式
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] { {-d データ領域ディレクトリ [,システム領域ディレクトリ1 [,システム領域ディレクトリ2]] | -a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 [,ajssys17=システム領域パーティション2] -d 作業領域ディレクトリ } [-lh 論理ホスト名] | {{-r|-f} {-d データ領域ディレクトリ [,システム領域ディレクトリ1 [,システム領域ディレクトリ2]] | -a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 [,ajssys17=システム領域パーティション2] } -ld 作業領域ディレクトリ -mh 論理ホスト名 -eh 実行系物理ホスト名 } } [-p ポート番号] [-i 組み込みDB運用ディレクトリ] [-bs -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ | -br -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ ] [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子] [-ext_db] [-ext_log]形式1(物理ホストの標準的なセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] -d データ領域ディレクトリ [,システム領域ディレクトリ1] [-lh 論理ホスト名] [-p ポート番号] [-i 組み込みDB運用ディレクトリ] [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子] [-ext_db] [-ext_log]形式2(物理ホストでバックアップとアンロードログファイルで運用するセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] -d データ領域ディレクトリ ,システム領域ディレクトリ1 [,システム領域ディレクトリ2] [-lh 論理ホスト名] [-p ポート番号] [-i 組み込みDB運用ディレクトリ] {-bs -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ| -br -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ} [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子] [-ext_db] [-ext_log]形式3(物理ホストでRAWファイルを使用したセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] -a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 -d 作業領域ディレクトリ [-lh 論理ホスト名] [-p ポート番号] [-i 組み込みDB運用ディレクトリ] [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子]形式4(物理ホストでRAWファイルを使用し,バックアップとアンロードログファイルで運用するセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] -a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 [,ajssys17=システム領域パーティション2] -d 作業領域ディレクトリ [-lh 論理ホスト名] [-p ポート番号] [-i 組み込みDB運用ディレクトリ] {-bs -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ | -br -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ} [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子]形式5(論理ホストの標準的なセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] {-r|-f} -d データ領域ディレクトリ [,システム領域ディレクトリ1] -ld 作業領域ディレクトリ -mh 論理ホスト名 -eh 実行系物理ホスト名 [-p ポート番号] -i 組み込みDB運用ディレクトリ [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子] [-ext_db] [-ext_log]形式6(論理ホストでバックアップとアンロードログファイルで運用するセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] {-r|-f} -d データ領域ディレクトリ ,システム領域ディレクトリ1 [,システム領域ディレクトリ2] -ld 作業領域ディレクトリ -mh 論理ホスト名 -eh 実行系物理ホスト名 [-p ポート番号] -i 組み込みDB運用ディレクトリ {-bs -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ | -br -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ} [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子] [-ext_db] [-ext_log]形式7(論理ホストでRAWファイルを使用したセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] {-r|-f} -a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 -ld 作業領域ディレクトリ -mh 論理ホスト名 -eh 実行系物理ホスト名 [-p ポート番号] -i 組み込みDB運用ディレクトリ [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子]形式8(論理ホストでRAWファイルを使用し,バックアップとアンロードログファイルで運用するセットアップ)
ajsembdbbuild [-l|-m|-s] {-r|-f} -a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 [,ajssys17=システム領域パーティション2] -ld 作業領域ディレクトリ -mh 論理ホスト名 -eh 実行系物理ホスト名 [-p ポート番号] -i 組み込みDB運用ディレクトリ {-bs -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ| -br -bl アンロードログファイル作成ディレクトリ} [-rs] [-c] [-lc 文字コード種別] [-id セットアップ識別子]
機能
JP1/AJS3用に組み込みDBの環境を構築し,組み込みDBを起動します。
クラスタ構成時の環境構築の場合は,実行系ホストおよび待機系ホストの両方で実行します。
使用するディスクおよび該当ホスト名を名前解決したIPアドレスを有効にする必要があります。待機系でコマンドを実行する場合は,有効にする必要はありません。
Windowsの場合には,構築を行う組み込みDBの「JP1/AJS3 Database _JFn(nは0〜9,A〜Zの文字のどれか)」サービスが「開始」の状態である必要があります。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
- JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
- /opt/jp1ajs2/tools/
引数
-l|-m|-s
データベースモデルを次の3種類の中から選択します。
- -l
次のような大規模システム用のモデルです。
環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「byte」が設定されている場合
- 総ユニット数:48,000〜240,000程度
- 1日に実行されるジョブ数・ジョブネット総数:30,000〜120,000
- ディスク容量の目安:20,700メガバイト
環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「sjis」が設定されている場合
- 総ユニット数:38,400〜192,000程度
- 1日に実行されるジョブ数・ジョブネット総数:24,000〜96,000
- ディスク容量の目安:20,700メガバイト
- -m
次のような中規模システム用のモデルです。
環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「byte」が設定されている場合
- 総ユニット数:5,000〜48,000程度
- 1日に実行されるジョブ数・ジョブネット総数:5,000〜30,000
- ディスク容量の目安:4,200メガバイト
環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「sjis」が設定されている場合
- 総ユニット数:4,000〜38,400程度
- 1日に実行されるジョブ数・ジョブネット総数:4,000〜24,000
- ディスク容量の目安:4,200メガバイト
- -s
次のような小規模システム用のモデルです。
環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「byte」が設定されている場合
- 総ユニット数:〜5,000程度
- 1日に実行されるジョブ数・ジョブネット総数:〜5,000
- ディスク容量の目安:520メガバイト
環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「sjis」が設定されている場合
- 総ユニット数:〜4,000程度
- 1日に実行されるジョブ数・ジョブネット総数:〜4,000
- ディスク容量の目安:520メガバイト
デフォルトは-l(大規模モデル)です。
-d データ領域ディレクトリ [,システム領域ディレクトリ1 [,システム領域ディレクトリ2]]
組み込みDBのデータ領域およびシステム領域に通常ファイルを使用する場合に指定します。
- データ領域ディレクトリ
組み込みDBのデータ領域格納ディレクトリを指定します。ここで指定したディレクトリに組み込みDBのデータ領域を確保して,JP1/AJS3スケジューラーデータベースの実体を格納します。
後述のシステム領域ディレクトリ1を指定しない場合は,組み込みDBのシステム領域も確保してシステムファイルを同時に格納します。
- システム領域ディレクトリ1
システムログ運用を行う(-bsオプションを指定する)場合は,システム領域ディレクトリ1も同時に指定してください。ここで指定したディレクトリに組み込みDBのシステム領域を確保して,システムファイルを格納します。
- システム領域ディレクトリ2
システムログ運用を行いさらにシステムファイルを二重化する(-brオプションを指定する)場合は,システム領域ディレクトリ2も同時に指定してください。この指定によってシステムファイルが二重化されます。
各ディレクトリは,信頼性向上の観点からそれぞれ別ボリュームのディレクトリに設定することを推奨します。
クラスタ構成(-rまたは-fオプションを指定する)のときの環境構築の場合は,共有ディスク上のディレクトリを指定してください。
各ディレクトリ名称は絶対パス50バイト以内とし,空白文字を含む場合はパス全体を「""」で囲んでください。
なお,複数のディレクトリを指定する場合は-dオプションの値全体を「""」で囲み,個々のディレクトリ名称は「""」で囲まないでください。
-a ajssys01=データ領域パーティション ,ajssys11=システム領域パーティション1 [,ajssys17=システム領域パーティション2]
組み込みDBのデータ領域およびシステム領域にRAWファイルを使用する場合に指定します。
- ajssys01=データ領域パーティション
組み込みDBのデータ領域用パーティションを指定します。ここで指定したパーティションにJP1/AJS3スケジューラーデータベースの実体を格納します。
- ajssys11=システム領域パーティション1
システムログ運用を行う(-bsまたは-brオプションを指定する),システムログ運用を行わない(-bsおよび-brオプションを指定しない)に関係なく,システム領域パーティション1も同時に指定してください。ここで指定したパーティションに組み込みDBのシステムファイルを格納します。
- ajssys17=システム領域パーティション2
システムログ運用を行い,さらにシステムファイルを二重化する(-brオプションを指定する)場合は,システム領域パーティション2も同時に指定してください。この指定によってシステムファイルが二重化されます。
このオプションの指定例を次に示します。
- Windowsの場合
- Dドライブをデータ領域パーティション,Eドライブをシステム領域パーティション1として割り当てる場合
-a "ajssys01=\\.\D:,ajssys11=\\.\E:"- Dドライブをデータ領域パーティション,Eドライブをシステム領域パーティション1,Fドライブをシステム領域パーティション2として割り当てる場合
-a "ajssys01=\\.\D:,ajssys11=\\.\E:,ajssys17=\\.\F:"
- UNIXの場合
- /dev/vg00/rdsk0をデータ領域パーティション,/dev/vg00/rdsk1をシステム領域パーティション1として割り当てる場合
-a "ajssys01=/dev/vg00/rdsk0,ajssys11=/dev/vg00/rdsk1"- /dev/vg00/rdsk0をデータ領域パーティション,/dev/vg00/rdsk1をシステム領域パーティション1,/dev/vg00/rdsk2をシステム領域パーティション2として割り当てる場合
-a "ajssys01=/dev/vg00/rdsk0,ajssys11=/dev/vg00/rdsk1,ajssys17=/dev/vg00/rdsk2"クラスタ構成(-rまたは-fオプションを指定する)のときの環境構築の場合は,共有ディスク上のパーティションを指定してください。
各パーティション名称は絶対パス50バイト以内として,-aオプションの値全体を「""」で囲んでください。
-d 作業領域ディレクトリ
クラスタ構成ではない(-r,-fオプションをどちらも指定しない)場合でRAWファイルを使用する環境を構築する(-aオプションを指定する)ときに指定します。組み込みDBが使用する作業用の領域として,通常ファイルシステムのディレクトリ名称を指定します。
ディレクトリ名称は絶対パス50バイト以内とし,空白文字を含む場合はパス全体を「""」で囲んでください。
指定するディレクトリのファイルシステム上には,40メガバイトの空き容量を確保してください。
-lh 論理ホスト名
このオプションは,指定する必要はありません。非クラスタ環境で論理ホストを運用する場合には,-mhオプション,-ehオプション-ldオプション,および-rオプションを指定してください。
-r
クラスタ構成の実行系ホストの環境またはクラスタ構成ではない論理ホストを構築する場合に指定します。同時に,論理ホスト名(-mhオプション)と作業領域ディレクトリ(-ldオプション)の指定が必要となります。
組み込みDBのデータ領域およびシステム領域を格納するための共有ディスクは,実行系ホスト側にマウントされている必要があります。また,論理ホストにアクセスできる状態になっている必要があります。
-f
クラスタ構成時に待機系ホストの環境を構築する場合に指定します。同時に,論理ホスト名(-mhオプション)と作業領域ディレクトリ(-ldオプション)の指定が必要となります。
組み込みDBの設定だけを行い,データ領域の作成や組み込みDBの起動は行いません。ただし,組み込みDBのデータ領域およびシステム領域(-aまたは-dオプション)の指定内容は,実行系ホストの環境構築時と同一の内容を指定してください。
-ld 作業領域ディレクトリ
論理ホスト(-rまたは-fオプションを指定する)の環境構築の場合に指定します。組み込みDBが使用する作業用の領域として,物理ホスト上の通常ファイルシステムのディレクトリ名称を指定します。共有ディスク上のディレクトリは指定しないでください。
ディレクトリ名称は絶対パス50バイト以内とし,空白文字を含む場合はパス全体を「""」で囲んでください。
指定するディレクトリのファイルシステム上には,40メガバイトの空き容量を確保してください。
-mh 論理ホスト名
論理ホスト(-rまたは-fオプションを指定する)の環境構築の場合に指定します。論理ホスト名を指定してください。指定できる文字数は,1〜32(単位:バイト)です。
-eh 実行系物理ホスト名
論理ホスト(-rまたは-fオプションを指定する)の環境構築の場合に指定します。実行系ホストのオペレーティングシステムがTCP/IPホスト名として認識しているホスト名(hostnameコマンドで出力されるホスト名)を指定してください。指定できる文字数は,1〜32(単位:バイト)です。
待機系ホストの環境構築(-fオプションを指定する)でも,このオプションには実行系の物理ホスト名を指定することに注意してください。
-p ポート番号
組み込みDBで使用するポート番号を指定します。
システム内で使用されていないポート番号を指定する必要があります。特にほかのJP1製品で組み込みDBを使用している場合は,重複しないように注意してください。
なお,Windowsでは,すでに使用されているポート番号を指定した場合,次のような問題が発生するおそれがあります。
- JP1/AJS3が異常終了する,または正常に動作できなくなる
- 重複したポート番号を使用しているプログラムが異常終了する,または正常に動作できなくなる
省略した場合は「22220」が仮定されます。
-i 組み込みDB運用ディレクトリ
組み込みDBの運用ディレクトリとなるディレクトリの名称を指定します。
組み込みDBのインストール先ディレクトリは,次のコマンドを実行して確認してください。
ajsembdbidlist -vajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
ディレクトリ名称は絶対パスで指定し,空白文字を含む場合はパス全体を「""」で囲んでください。
クラスタ構成(-rまたは-fオプションを指定する)の環境構築の場合に,共有ディスク上のディレクトリを指定しないでください。
UNIXの場合はこのオプションを省略できます。省略した場合は/opt/jp1ajs2/embdb/_JF0が仮定されます。
-bs
システムログ運用を行い,システムファイルを二重化しない場合に指定します。
-blオプションを同時に指定していない場合はエラーとなります。
-br
システムログ運用を行い,システムファイルを二重化する場合に指定します。
-blオプションを同時に指定していない場合はエラーとなります。
-bl アンロードログファイル作成ディレクトリ
アンロードログファイルを作成するディレクトリを指定してください。-bsまたは-brオプションを同時に指定していない場合はエラーとなります。
ディレクトリ名称は絶対パス50バイト以内とし,空白文字を含む場合はパス全体を「""」で囲んでください。
組み込みDBのアンロードログファイルを取得する運用方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 5.4.1(1) アンロードログ運用」を参照してください。
-rs
このオプションは,指定する必要はありません。指定した場合は,組み込みDBを構築しないで処理を終了します。
-c
JP1/AJS3をバージョンアップした場合に指定します。組み込みDBで使用する設定ファイルを最新のものに更新します。新規インストール,および設定ファイルを更新したくない場合は指定しないでください。
一度設定ファイルを更新した場合,古い設定ファイルは上書きされてしまうので注意が必要です。
JP1/AJS2 Version 8以前からバージョンアップ後の初回実行時には,必ず指定してください。
-lc 文字コード種別(UNIX限定)
このオプションは指定不要になりました。
このオプションで指定していた文字コードは無視され,JP1/AJS3 - Managerによって自動で文字コードが設定されます。
-id セットアップ識別子
組み込みDBを識別するセットアップ識別子を「_JFn」(nは0〜9またはA〜Zのどれか)の4文字で指定します。
ajsembdbidlistコマンドの-idオプションに指定したセットアップ識別子を指定してください。
このオプションを省略した場合は,_JF0が仮定されます。また,このオプションは,-rsオプションを指定した場合,無視されます。
登録済みのセットアップ識別子および組み込みDB運用ディレクトリは,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
-ext_db
データベース領域の自動増分を適用する場合に指定します。
このオプションは,組み込みDBのデータ領域およびシステム領域に通常ファイルを使用する場合に指定できます。-aオプションと同時には指定できません。
なお,自動増分機能が適用されているかどうかは,次のコマンドで確認できます。
データ領域:pddbst -k phys -f -r AJS2DATA
インデクス領域:pddbst -k phys -f -r AJS2INDX
出力結果のAuto Extend Useの値を確認します。
USE:自動増分機能が適用されています。
NOUSE:自動増分機能が適用されていません。
pddbstコマンドを実行する場合は,実行するコマンドプロンプトで事前に環境変数を設定する必要があります。設定する環境変数については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 10.2.2(2) スクリプトを使用してデータベースを再編成する」の,設定が必要な環境変数を示した表を参照してください。
-ext_log
システムログの自動増分を適用する場合に指定します。
このオプションは,組み込みDBのデータ領域およびシステム領域に通常ファイルを使用する場合に指定できます。-aオプションと同時には指定できません。
なお,自動増分機能が適用されているかどうかは,次のコマンドで確認できます。
ajsembdbstatus -l -id セットアップ識別子
ajsembdbstatusコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsembdbstatus」を参照してください。
注意事項
- 組み込みDB環境の再構築を行う場合,ajsembdbunsetコマンドを実行して組み込みDB環境の情報を初期化したあとに実施してください。また,組み込みDB環境を削除する場合もajsembdbunsetコマンドを実行してください。
なお,ajsembdbunsetコマンドを実行すると,スケジューラーサービスが組み込みDBにアクセスしていても強制的に組み込みDB環境の情報を初期化してしまうので実行時には注意が必要です。
ajsembdbunsetコマンドについては,「2. セットアップコマンド ajsembdbunset」を参照してください。
- ajsembdbbuildコマンドは,スクリプトで実装されています。このため,オプションに不当に長い文字列や不正な文字列や値を指定すると,予期しないエラーが発生することがあります。オプション指定値は,DBMSおよびJP1/AJS3で規定されている範囲内の文字列または数値を指定してください。
- ajsembdbbuildコマンドを実行するときは,OSのファイルシステムの設定で,扱えるファイルの最大サイズを,2ギガバイトより大きな値,または無制限に設定してください。
特に,AIXでは,デフォルトのファイルサイズ制限が1ギガバイトになっているため,注意してください。
- -blオプションに指定したディレクトリ名称に誤りがある場合でも,組み込みDBのシステムは起動完了になる場合があります。-blオプションを指定した場合はWindowsイベントログまたはsyslogを参照して,組み込みDBのエラーメッセージKFPS01150-Eが出力されていないか確認してください。
- 組み込みDB運用ディレクトリなどのパス名称には,全角文字および特殊記号を使用しないでください。
- ajsembdbbuildコマンドが,メッセージ「KAVS2124-E Failed in construction of EmbdedDB server.」,またはメッセージ「KAVS2122-E A temporary file already exists.」を出力して終了した場合,ajsembdbunsetコマンドに-iオプションを指定して環境を削除してから,ajsembdbbuildコマンドを再実行してください。
- ajsembdbbuildコマンドを同時に複数実行しないでください。同時に複数実行した場合,次に示す現象が起こるおそれがあります。
- 不当なメッセージを出力したり,本来出力するはずのメッセージを出力しなかったりするなど,メッセージ出力が不正になる。
- ajsembdbbuildコマンドが,不当にエラーになる。
- 構成定義情報が不正になり,JP1/AJS3が運用できなくなる。
- このコマンドを実行する前に,組み込みDB環境を構築するホストのホスト名を,hostsファイルまたはDNSに登録してください。クラスタ環境の場合は,実行系の物理ホスト名および論理ホスト名ともにhostsファイルまたはDNSに登録してください。
- 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名をjp1hosts定義ファイルに登録しても,組み込みDBで使用するホスト名として有効になりません。
- 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名には,エイリアス名を使用しないでください。
- 組み込みDBが稼働できるホストのホスト名は,最大32バイトです。したがって,組み込みDB環境を構築するホストは,物理ホスト名および論理ホスト名ともに1〜32バイトで設定してください。
エラー発生時の対処
ajsembdbbuildコマンド実行時に問題が発生した場合は終了コード,エラーメッセージ,終了メッセージの順で標準出力および標準エラー出力に出力されます。次の表に従って問題を対処し,再度実行してください。
コード メッセージID 原因 対処方法 1 KFPX29601 -a,または-dオプションの指定が誤っている。 -aまたは-dオプションに指定した引数を見直してください。 3 KFPX29603 指定されたディレクトリは組み込みDB運用ディレクトリではない。 -iオプションに組み込みDBの運用ディレクトリを指定してください。 4 KFPX29604 組み込みDBの運用ディレクトリが指定されていない。 5 KFPX29605 ポート番号が重複している。 -pオプションに指定するポート番号が,ほかで使用しているポート番号と重複しないように指定してください。 6 KFPX29606 システム共通定義に誤りがある。 システム共通定義などの設定ファイルを手動で変更した際に発生します。問題点を修正してください。
絶対パスが50バイトを超えるディレクトリ名称を指定していた場合は,50バイト以内で指定してください。7 KFPX29607 ファイルが存在しない。 ajsembdbbuildコマンドを実行する環境を見直してください。-ldオプションに指定した引数を見直してください。 8 KFPX29608 ファイルのオープンに失敗。 9 KFPX29609 ファイルの読み取りに失敗。 10 KFPX29610 ファイルの生成に失敗。 11 KFPX29611 ディレクトリの作成に失敗。 12 KFPX29612 表・システム領域不足。 13 KFPX29613 14 KFPX29614 15 KFPX29615 16 KFPX29616 表・システム領域作成時エラー。 ajsembdbbuildコマンドを実行する環境を見直してください。-blオプションに指定した引数を見直してください。
OSのファイルシステムの設定で,扱えるファイルの最大サイズが2ギガバイト以下に設定されている場合は,2ギガバイトより大きな値,または無制限に設定し直してください。17 KFPX29617 システム領域初期化エラー。 ajsembdbbuildコマンドを実行する環境を見直してください。-blオプションに指定した引数を見直してください。 18 KFPX29618 組み込みDB起動・表領域初期化エラー。 ajsembdbbuildコマンドを実行する環境を見直してください。指定したホスト名から名前解決したIPアドレスで通信できる状態になっているか確認してください。-blオプションに指定した引数を見直してください。組み込みDBが必要とするシステムリソースが不足しています。マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 3.2.5 カーネルパラメーターを見積もる」を参照して確認してください。 19 KFPX29619 組み込みDBの内部エラー。 組み込みDBの運用ディレクトリに指定したディレクトリを退避し,システム管理者に連絡してください。 20 KFPX29620 一時ファイル作成エラー。 ajsembdbbuildコマンドを実行する環境を見直してください。-blオプションに指定した引数を見直してください。 21 KFPX29621 ファイルの書式が不正。 システム共通定義などの設定ファイルを手動で変更した際に発生します。問題点を修正してください。 22 KFPX29622 システム領域の指定が不正。 23 KFPX29623 組み込みDBの内部エラー。 組み込みDBの運用ディレクトリに指定したディレクトリを退避し,システム管理者に連絡してください。 24 KFPX29624
KFPS00031組み込みDB環境構築済みである。 ajsembdbunsetコマンドを実行し,組み込みDB環境を削除してからセットアップしてください。 25 KFPX29625 メモリー不足。 十分なメモリーを確保した上で再セットアップしてください。 26 KFPX29626 組み込みDBの内部エラー。 組み込みDBの運用ディレクトリに指定したディレクトリを退避し,システム管理者に連絡してください。 27 KFPX29627 − KFPS00031 組み込みDB環境構築済みである。 ajsembdbunsetコマンドを実行し,前回の組み込みDB環境を削除してください。 − KFPS05089 -iオプションに指定したディレクトリが存在しない。 組み込みDB運用ディレクトリを指定してください。 − Bad directory specified in -i option -iオプションに指定した組み込みDBの運用ディレクトリが不正です。 -iオプションに正しい組み込みDBの運用ディレクトリを指定してください。 − There is an error in the specification of the setup identifier. セットアップ識別子の指定が間違っています。
または,すでに登録されているセットアップ識別子を指定しています。セットアップ識別子の指定を確認して再実行してください。セットアップ識別子は,「_JFn」(nは0〜9またはA〜Zのどれか)の4文字で指定します。
登録済みのセットアップ識別子は,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。− Failed to register the configuration definition. 構成定義の登録に失敗しました。 ajsembdbunsetコマンドを実行して組み込みDB環境を削除してください。そのあと,ajsembdbbuildコマンドの実行権限を確認して,再度実行してください。
- (凡例)
- −:コードなし
戻り値
0 正常終了。 0以外の値 異常終了。
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