JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド
複数の部門でJP1/AJS3 - Managerを共有していて,各部門が利用できる実行エージェントを区別して運用している場合,ジョブの実行先エージェントの定義を誤ると,利用してはいけない実行エージェントでジョブを不正に実行してしまいます。ここでは,不正なジョブ実行を未然に防止する方法について説明します。
- <この節の構成>
- (1) 運用
- (2) 課題
- (3) 解決方法
- (4) 適用契機
- (5) マニュアル記載個所
(1) 運用
次のような運用をしています。
- 複数の部門でマネージャーホストを共有している。
- 部門ごとに使用できる実行エージェントを区別して運用している。
- 部門ごとにスケジューラーサービスを分けて運用している。
在庫部門と経理部門で実行エージェントとスケジューラーサービスを分けて運用する例を,次の図に示します。
図13-4 実行エージェントとスケジューラーサービスを分けて運用する例
(2) 課題
ジョブを他部門用の実行エージェントで実行しないようにしたい。
図13-5 他部門用の実行エージェントでジョブを実行する例
(3) 解決方法
実行エージェント制限機能を使用することで,許可していない実行エージェントでジョブを実行しないようにできます。これによって,誤って他部門用の実行エージェントでジョブを実行するトラブルを防止できます。
実行エージェント制限機能を使用するには,実行エージェントプロファイルをスケジューラーサービス単位で作成します。実行エージェントプロファイルには,ユニットごとに,許可する実行エージェントを設定します。
実行エージェントプロファイルを設定すると,次のタイミングでユニットの実行エージェントがチェックされます。
- ユニットの詳細定義時
JP1/AJS3 - Viewでのユニットの詳細定義時に,詳細定義ダイアログボックスの[実行エージェント]がコンボボックスで表示されます。コンボボックスには,実行エージェントプロファイルで許可した実行エージェントが一覧で表示されます。コンボボックスの中からだけ実行エージェントを選択できるため,誤った実行エージェントが指定できなくなります。
図13-6 実行エージェント制限(ユニット定義時)
一覧に表示されていない実行エージェントを[実行エージェント]に直接記述した場合,詳細定義ダイアログボックスの[OK]ボタンをクリックしたときにエラーになります。ただし,[OK]ボタンをクリックしたときにはエラーにしないで,警告メッセージを表示して定義ができるように,実行エージェントプロファイルの設定を変更することもできます。
- ジョブの実行時
ジョブ実行時に,ジョブを実行しようとしている実行エージェントが実行エージェントプロファイルで許可されていない場合は,ジョブの実行が抑止されます。
ユニットを定義したあとに実行エージェントプロファイルを変更した場合,ジョブの実行エージェントは変更した内容でチェックされます。
図13-7 実行エージェント制限(ジョブ実行時)
この例では,ユニット定義時にはjob1の実行エージェントとして実行エージェントプロファイルで「AGT02」を許可していましたが,ジョブ実行時には「AGT02」は許可しません。job1のユニット定義の「実行エージェント」を変更しないで,「AGT02」のままjob1を実行しようとすると,実行エージェントプロファイルに従って,実行が抑止されます。job1を実行するためには,ユニット定義の「実行エージェント」を,「AGT05」に修正してから実行してください。
(4) 適用契機
次のような場合に,この機能を適用します。
- 1台のJP1/AJS3 - Managerを複数部門で共有して運用する場合
- ユニット定義誤りによるジョブ実行エラーを低減させたい場合
(5) マニュアル記載個所
項目 詳細項目 参照個所 概要 実行エージェント制限 マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.5.1(6) 実行エージェント制限について」 設定手順
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 4.3.1 実行エージェントプロファイルの設定手順」(Windowsの場合)
- マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 14.3.1 実行エージェントプロファイルの設定手順」(UNIXの場合)
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