JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド
JP1/AJS3が対応するディザスター・リカバリーの仕組みについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) メインサイトでの運用および共有ディスク間のコピーの開始
- (2) 大規模災害などによるメインサイトの停止
- (3) リモートサイトへの運用切り替え
- (4) メインサイトの再構築
- (5) メインサイトへの運用切り戻し
(1) メインサイトでの運用および共有ディスク間のコピーの開始
ディザスター・リカバリー環境の構築が完了したら,メインサイト側での運用およびリモートサイトへのコピーを開始してください。
メインサイト側での運用中は,リモートサイト側の論理ホスト(ディザスター・リカバリー運用対象)のJP1/AJS3サービスの起動が抑止されます。
図12-2 メインサイトでの運用および共有ディスク間のコピーの開始
- 補足事項
- メインサイト側で運用中の場合,リモートサイト側のディザスター・リカバリー運用対象の論理ホストはJP1/AJS3サービスが起動抑止状態のため,JP1/AJS3 - ViewやJP1/AJS3 - Web Operation Assistantなどで接続することはできません。
(2) 大規模災害などによるメインサイトの停止
大規模災害の発生などでメインサイト側のシステムが停止した場合は,リモートサイト側のハードウェア操作によって共有ディスク間のコピーを停止し,リモートボリュームへの書き込みができない状態を解除します。
図12-3 大規模災害などによるメインサイトの停止
(3) リモートサイトへの運用切り替え
リモートサイト側の論理ホストをメインサイトとする運用に切り替えます。運用切り替えが完了すると,リモートサイト側のJP1/AJS3サービスの起動抑止状態が解除されます。リモートサイト側のJP1/AJS3サービスをディザスターリカバリースタートし,業務を再開します。
図12-4 リモートサイトへの運用切り替え
(4) メインサイトの再構築
被災したメインサイト側のシステムを再構築します。メインサイト側のシステムの再構築が完了したら,リモートサイト側からメインサイト側へ逆転のコピーを開始してください。
図12-5 メインサイトの再構築
- 補足事項
- メインサイトのシステムが復旧するまでの期間は,通常のJP1/AJS3のバックアップ方法で運用しているリモートサイト側のシステムをバックアップしてください。
(5) メインサイトへの運用切り戻し
リモートサイト側のJP1/AJS3サービスを停止し,ジョブが実行されていないことを確認します。ジョブが実行されていないことが確認できたら,リモートサイト側からメインサイト側へ逆転のコピーを停止します。ハードウェア操作によってメインボリュームへの書き込みができない状態を解除し,メインサイト側の論理ホストをメインサイトとする運用に切り替えます(運用切り戻し)。運用切り戻しが完了すると,メインサイト側のJP1/AJS3サービスの起動抑止状態が解除されます(リモートサイト側のJP1/AJS3サービスが起動抑止状態になります)。メインサイト側からリモートサイト側へのリモートコピーを開始し,メインサイト側のJP1/AJS3サービスを起動して業務を再開します。運用切り戻し直後の初回JP1/AJS3サービス起動時は,ディザスターリカバリースタートでサービスが起動します。
図12-6 メインサイトへの運用切り戻し
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi, Ltd.
Copyright (C) 2009, 2014, Hitachi Solutions, Ltd.