JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド
JP1/AJS3を起動すると,複数のプロセスが生成されます。JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agentでは,あらかじめ再起動の設定をしておくことで,何らかの理由でプロセスが異常終了した場合に自動でプロセスを再起動できます。
ここで説明する再起動の設定は,クラスタ運用ではないJP1/AJS3の再起動を目的としています。クラスタ運用の場合で再起動したいときは,クラスタソフトの制御によって再起動するようにしてください。詳細については,「11.1 クラスタシステムの概要」を参照してください。なお,論理ホストで-HAオプションを指定して運用する場合,再起動の設定は無効になります。
再起動の設定は,拡張起動プロセス定義ファイルで定義します。推奨値はデフォルトです。JP1/AJS3では,障害発生時の自動回復を強化するため,再起動によって回復できるプロセスがデフォルトで設定されています(JP1/AJS2では再起動しない設定がデフォルト)。各プロセスの,再起動の設定のデフォルト値については,表7-17〜表7-22の再起動設定のデフォルト値一覧を参照してください。
設定を変更するには,拡張起動プロセス定義ファイルの編集後,JP1/BaseおよびJP1/AJS3を再起動してください。また,Windows Server 2003の場合は「ワトソン博士」の設定を変更する必要があります。「ワトソン博士」の設定の変更方法については,「(1) ワトソン博士の設定を変更する(Windows Server 2003限定)」を参照してください。
拡張起動プロセス定義ファイルの格納先を次に示します。
- Windowsの場合
- JP1/AJS3のインストール先フォルダ\conf
- UNIXの場合
- /etc/opt/jp1ajs2/conf
再起動の設定対象となるプロセスを次の表に示します。再起動の設定対象となるのは,一覧にあるJP1/AJS3 - Manager,JP1/AJS3 - AgentのJP1/AJS3サービスの子プロセス,または詳細プロセスだけです。表7-10〜表7-15の再起動の設定対象となるプロセス一覧にないプロセスは,再起動を設定できません。
- Windowsの場合
表7-10 再起動の設定対象となるプロセス一覧(標準構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 拡張起動プロセス定義ファイル 再起動対象プロセス 1 jajs_dbmd.exe jp1ajs_service_0700.conf jajs_dbmd.exe 2 jajs_hstd.exe jp1ajs_service_0700.conf jajs_hstd.exeおよび詳細プロセス※ 3 ajshlogd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajshlogd.exe 4 ajsinetd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsinetd.exe 5 ajsnetwd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsnetwd.exe 6 ajsagtmd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsagtmd.exe 7 ajsovstatd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsovstatd.exe 8 ajsgwmasterd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsgwmasterd.exe 9 ajsqlcltd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsqlcltd.exe 10 jpqman.exe jp1ajs_hstd_0700.conf jpqman.exe 11 jpomanager.exe jp1ajs_hstd_0700.conf jpomanager.exe 12 jajs_schd.exe jp1ajs_service_0700.conf jajs_schd.exeおよび詳細プロセス※ 13 ajslogd.exe jp1ajs_schd_0700.conf ajslogd.exe 14 jpqman.exe jp1ajs_schd_0700.conf jpqman.exe 15 jpomanager.exe jp1ajs_schd_0700.conf jpomanager.exe 16 ajsmasterd.exe jp1ajs_schd_0700.conf ajsmasterd.exe 17 jajs_agtd.exe jp1ajs_service_0700.conf jajs_agtd.exeおよび詳細プロセス※ 18 jpqmon.exe jp1ajs_agtd_0700.conf jpqmon.exe 19 jpoagent.exe jp1ajs_agtd_0700.conf jpoagent.exe
- 注※
- JP1/AJS3の詳細プロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 付録B プロセス一覧」を参照してください。
表7-11 再起動の設定対象となるプロセス一覧(互換用ISAM構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 拡張起動プロセス定義ファイル 再起動対象プロセス 1 jajs_hstd.exe jp1ajs_service_0700.conf jajs_hstd.exeおよび詳細プロセス※ 2 ajshlogd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajshlogd.exe 3 ajsinetd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsinetd.exe 4 ajsnetwd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsnetwd.exe 5 ajsovstatd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsovstatd.exe 6 ajsgwmasterd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsgwmasterd.exe 7 ajsqlcltd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsqlcltd.exe 8 jpqman.exe jp1ajs_hstd_0700.conf jpqman.exe 9 jpomanager.exe jp1ajs_hstd_0700.conf jpomanager.exe 10 ajsmasterd.exe jp1ajs_hstd_0700.conf ajsmasterd.exe 11 jajs_agtd.exe jp1ajs_service_0700.conf jajs_agtd.exeおよび詳細プロセス※ 12 jpqmon.exe jp1ajs_agtd_0700.conf jpqmon.exe 13 jpoagent.exe jp1ajs_agtd_0700.conf jpoagent.exe
- 注※
- JP1/AJS3の詳細プロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 付録B プロセス一覧」を参照してください。
表7-12 再起動の設定対象となるプロセス一覧(JP1/AJS3 - Agent)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 拡張起動プロセス定義ファイル 再起動対象プロセス 1 jpqmon.exe jp1ajs_service_0700.conf jpqmon.exe 2 jpoagent.exe jp1ajs_service_0700.conf jpoagent.exe
- UNIXの場合
表7-13 再起動の設定対象となるプロセス一覧(標準構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 拡張起動プロセス定義ファイル 再起動対象プロセス 1 jajs_dbmd jp1ajs_service_0700.conf jajs_dbmd 2 jajs_hstd jp1ajs_service_0700.conf jajs_hstdおよび詳細プロセス※ 3 ajshlogd jp1ajs_hstd_0700.conf ajshlogd 4 ajsinetd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsinetd 5 ajsnetwd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsnetwd 6 ajsagtmd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsagtmd 7 ajsovstatd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsovstatd 8 ajsgwmasterd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsgwmasterd 9 jpqman jp1ajs_hstd_0700.conf jpqman 10 jpomanager jp1ajs_hstd_0700.conf jpomanager 11 jajs_schd jp1ajs_service_0700.conf jajs_schdおよび詳細プロセス※ 12 ajslogd jp1ajs_schd_0700.conf ajslogd 13 jpqman jp1ajs_schd_0700.conf jpqman 14 jpomanager jp1ajs_schd_0700.conf jpomanager 15 ajsmasterd jp1ajs_schd_0700.conf ajsmasterd 16 jajs_agtd jp1ajs_service_0700.conf jajs_agtdおよび詳細プロセス※ 17 jpqmon jp1ajs_agtd_0700.conf jpqmon 18 jpoagent jp1ajs_agtd_0700.conf jpoagent
- 注※
- JP1/AJS3の詳細プロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 付録B プロセス一覧」を参照してください。
表7-14 再起動の設定対象となるプロセス一覧(互換用ISAM構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 拡張起動プロセス定義ファイル 再起動対象プロセス 1 jajs_hstd jp1ajs_service_0700.conf jajs_hstdおよび詳細プロセス※ 2 ajshlogd jp1ajs_hstd_0700.conf ajshlogd 3 ajsinetd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsinetd 4 ajsnetwd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsnetwd 5 ajsovstatd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsovstatd 6 ajsgwmasterd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsgwmasterd 7 jpqman jp1ajs_hstd_0700.conf jpqman 8 jpomanager jp1ajs_hstd_0700.conf jpomanager 9 ajsmasterd jp1ajs_hstd_0700.conf ajsmasterd 10 jajs_agtd jp1ajs_service_0700.conf jajs_agtdおよび詳細プロセス※ 11 jpqmon jp1ajs_agtd_0700.conf jpqmon 12 jpoagent jp1ajs_agtd_0700.conf jpoagent
- 注※
- JP1/AJS3の詳細プロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 付録B プロセス一覧」を参照してください。
表7-15 再起動の設定対象となるプロセス一覧(JP1/AJS3 - Agent)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 拡張起動プロセス定義ファイル 再起動対象プロセス 1 jpqmon jp1ajs_service_0700.conf jpqmon 2 jpoagent jp1ajs_service_0700.conf jpoagent
定義ファイルの形式を次に示します。
- JP1/AJS3 - Managerの場合
- プロセス名|パス|起動オプション|再起動可否|再起動回数|リトライ間隔|再起動回数リセット時間|種別|スケジューラーフラグ|起動順序|自動起動|停止パス|停止オプション|状態確認パス|状態確認オプション|状態確認終了コード|状態確認間隔|
- JP1/AJS3 - Agentの場合
- プロセス名|パス|起動オプション|再起動可否|再起動回数|リトライ間隔|再起動回数リセット時間|
定義ファイルには,あらかじめ定義情報が記載されています。「再起動可否」,「再起動間隔」,「リトライ間隔」,および「再起動回数リセット時間」は変更できますが,それ以外のフィールドはシステムが使用するので変更しないでください。また,フィールドを区切っている「|」は省略できません。コメント文を挿入したい場合は,行頭に「#」を付けてください。改行されるまでがコメント文です。
変更できるフィールドに指定できる値を次の表に示します。
表7-16 変更できるフィールドに指定できる値
フィールド名 内容 再起動可否 プロセスが異常終了した場合に,再起動するかどうかを指定します。再起動しない場合は0,再起動する場合は1を指定します。デフォルトとして,あらかじめ最適値が設定されています。 再起動回数 プロセスの再起動の試行回数を指定します。指定できる値は,0〜99です。各プロセスで,あらかじめ最適値が設定されています。運用方法に応じてカスタマイズしてください。再起動可否のフィールドに0が指定されている場合は,値が指定されていても無効です。 リトライ間隔 プロセスの再起動のリトライ間隔を秒単位で指定します。指定できる値は,0〜3,600です。各プロセスで,あらかじめ最適値が設定されています。運用方法に応じてカスタマイズしてください。再起動可否のフィールドに0が指定されている場合は,値が指定されていても無効です。 再起動回数リセット時間 再起動によってプロセスが起動してから,何時間後に再起動回数をリセットするかを秒単位で指定します。プロセスが起動してから,指定した時間が経過すると,再起動回数がリセットされます。再度プロセスが異常終了した場合は,再起動回数が1からカウントされます。
再起動によってプロセスが起動してから,指定した時間より前に再度異常終了した場合は,前回の再起動回数を引き継ぎます。指定できる値は,3,600〜2,147,483,647(秒)です。各プロセスで,あらかじめ最適値が設定されています。運用方法に応じてカスタマイズしてください。再起動可否のフィールドに0が指定されている場合は,値が指定されていても無効です。
- 注意事項
- 設定を省略したり,正常値を設定していない状態でプロセスを起動したりすると,エラーとなり起動しません。
- クラスタ構成では,論理ホストのプロセス管理のプロセスを起動する際,論理ホストのconfフォルダに拡張起動プロセス定義ファイルがない場合,物理ホストの拡張起動プロセス定義ファイルがコピーされます。
- 子プロセスajsmasterdが再起動した場合,再起動前に実行中であったジョブネットおよびジョブは中断されます。ajsmasterdの再起動後のジョブネットおよびジョブの状態は,JP1/AJS3サービスの起動モードによって異なります。サービス起動モードによるジョブネットおよびジョブの状態の詳細については,「7.2.1(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態」を参照してください。
- 再起動時,統合トレースログに「KNAD3737-E コンポーネント名の管理対象プロセス名は異常終了しました」というメッセージが出力される場合があります。要因は,異常終了したプロセスを再起動するまでの間隔が短いため,異常終了したプロセスが配下の子プロセスも含めて完全に停止する前に再起動の動作が開始し,二重起動が検知されるためです。再起動回数内であれば,起動できるまで自動的に再起動を試みるため問題ありませんが,拡張起動プロセス定義ファイルのリトライ間隔を延ばすことによって,エラーメッセージKNAD3737-Eの出力を回避できます。また,マシン性能が低い場合,この現象が発生する可能性が高くなるため,必要に応じてリトライ間隔をカスタマイズしてください。
なお,リトライ間隔を長くすることによって,逆にJP1/AJS3サービスの再起動までの時間が長くなることがあります。そのため,リトライ間隔に大きい値を設定しないでください。変更する場合の推奨値は10秒です。
- JP1/AJS3の子プロセスが再起動した場合,その詳細プロセスも再起動し,詳細プロセスの再起動回数のカウントはリセットされます。
再起動設定のデフォルト値を次の表に示します。
- Windowsの場合
表7-17 再起動設定のデフォルト値一覧(標準構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 再起動可否 再起動回数 リトライ間隔 再起動回数リセット時間 1 jajs_dbmd.exe しない 3 3 21600 2 jajs_hstd.exe する 3 20 21600 3 ajshlogd.exe する 3 3 21600 4 ajsinetd.exe する 3 3 21600 5 ajsnetwd.exe する 3 3 21600 6 ajsagtmd.exe する 3 3 21600 7 ajsovstatd.exe する 3 3 21600 8 ajsgwmasterd.exe する 3 3 21600 9 ajsqlcltd.exe する 3 3 21600 10 jpqman.exe する 3 3 21600 11 jpomanager.exe する 3 3 21600 12 jajs_schd.exe する 3 10 21600 13 ajslogd.exe しない 3 3 21600 14 jpqman.exe しない 3 3 21600 15 jpomanager.exe しない 3 3 21600 16 ajsmasterd.exe しない 3 3 21600 17 jajs_agtd.exe する 3 3 21600 18 jpqmon.exe する 3 3 21600 19 jpoagent.exe する 3 3 21600 表7-18 再起動設定のデフォルト値一覧(互換用ISAM構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 再起動可否 再起動回数 リトライ間隔 再起動回数リセット時間 1 jajs_hstd.exe する 3 20 21600 2 ajshlogd.exe する 3 3 21600 3 ajsinetd.exe する 3 3 21600 4 ajsnetwd.exe する 3 3 21600 5 ajsovstatd.exe する 3 3 21600 6 ajsgwmasterd.exe する 3 3 21600 7 ajsqlcltd.exe する 3 3 21600 8 jpqman.exe する 3 3 21600 9 jpomanager.exe する 3 3 21600 10 ajsmasterd.exe しない 3 3 21600 11 jajs_agtd.exe する 3 3 21600 12 jpqmon.exe する 3 3 21600 13 jpoagent.exe する 3 3 21600 表7-19 再起動設定のデフォルト値一覧(JP1/AJS3 - Agent)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 再起動可否 再起動回数 リトライ間隔 再起動回数リセット時間 1 jpqmon.exe する 3 3 21600 2 jpoagent.exe する 3 3 21600
- UNIXの場合
表7-20 再起動設定のデフォルト値一覧(標準構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 再起動可否 再起動回数 リトライ間隔 再起動回数リセット時間 1 jajs_dbmd しない 3 3 21600 2 jajs_hstd する 3 20 21600 3 ajshlogd する 3 3 21600 4 ajsinetd する 3 3 21600 5 ajsnetwd する 3 3 21600 6 ajsagtmd する 3 3 21600 7 ajsovstatd する 3 3 21600 8 ajsgwmasterd する 3 3 21600 9 jpqman する 3 3 21600 10 jpomanager する 3 3 21600 11 jajs_schd する 3 10 21600 12 ajslogd しない 3 3 21600 13 jpqman しない 3 3 21600 14 jpomanager しない 3 3 21600 15 ajsmasterd しない 3 3 21600 16 jajs_agtd する 3 3 21600 17 jpqmon する 3 3 21600 18 jpoagent する 3 3 21600 表7-21 再起動設定のデフォルト値一覧(互換用ISAM構成のJP1/AJS3 - Manager)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 再起動可否 再起動回数 リトライ間隔 再起動回数リセット時間 1 jajs_hstd する 3 20 21600 2 ajshlogd する 3 3 21600 3 ajsinetd する 3 3 21600 4 ajsnetwd する 3 3 21600 5 ajsovstatd する 3 3 21600 6 ajsgwmasterd する 3 3 21600 7 jpqman する 3 3 21600 8 jpomanager する 3 3 21600 9 ajsmasterd しない 3 3 21600 10 jajs_agtd する 3 3 21600 11 jpqmon する 3 3 21600 12 jpoagent する 3 3 21600 表7-22 再起動設定のデフォルト値一覧(JP1/AJS3 - Agent)
項番 子プロセス名称または詳細プロセス名称 再起動可否 再起動回数 リトライ間隔 再起動回数リセット時間 1 jpqmon する 3 3 21600 2 jpoagent する 3 3 21600 再起動の設定のデフォルト値は,各プロセスの特性を考慮し,あらかじめ最適な値を設定しています。各プロセスの特性について次に示します。
- jajs_dbmd.exeおよびjajs_dbmdは,組み込みDBの起動・停止を管理します。組み込みDBは,組み込みDB自身が再起動の機能を持っているため,JP1/AJS3からの再起動は不要です。
- jajs_hstd.exeおよびjajs_hstdは,管理するプロセス数が多く,停止処理に時間を要するプロセスを管理しているため,リトライ間隔を長く設定しています。
- jajs_schd.exeおよびjajs_schdは,停止処理に時間を要するプロセスを管理しているため,リトライ間隔を長く設定しています。
- jajs_schd.exeおよびjajs_schdの詳細プロセスは,詳細プロセス間で同期して起動する必要があるため,一部の詳細プロセスだけを再起動できません。一部の詳細プロセスが異常終了した場合は,jajs_schd.exeおよびjajs_schdが再起動するように設定されています。詳細プロセスが個別に再起動するように設定する必要はありません。
- 互換用ISAM構成のajsmasterd.exeおよびajsmasterdは,ajsmasterd自身が再起動の機能を持っているため,JP1/AJS3からの再起動は不要です。
- jajs_agtd.exeおよびjajs_agtdの詳細プロセスの異常終了回数が再起動回数の設定値を超えると,jajs_agtd.exeおよびjajs_agtdは停止します。その後,jajs_agtd.exeおよびjajs_agtdは再起動可否の設定に従って再起動します。
- <この項の構成>
- (1) ワトソン博士の設定を変更する(Windows Server 2003限定)
- (2) 設定例
(1) ワトソン博士の設定を変更する(Windows Server 2003限定)
Windowsの場合は,プロセスを自動で再起動するときにワトソン博士でアプリケーションエラーになり,メッセージボックスが表示されます。メッセージボックスが表示されると再起動が有効にならないため,メッセージボックスによるエラーの通知を抑止する必要があります。
メッセージボックスによるエラーの通知を抑止すると,ほかのアプリケーションエラー時にもメッセージボックスが表示されなくなるため注意してください。
ワトソン博士の設定の変更手順を次に示します。
- Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
- テキストボックスに「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[ワトソン博士]ダイアログボックスが開きます。
- [メッセージボックスによる通知]のチェックを外す。
- [OK]ボタンをクリックする。
(2) 設定例
拡張起動プロセス定義ファイルの設定例と,プロセスが異常終了した場合の動作を次に示します。
ここでは,JP1/AJS3の子プロセスに対して次の条件を設定します。
再起動可否:する 再起動回数:4回 リトライ間隔:3秒 再起動回数リセット時間:3,600秒図7-1 拡張起動プロセス定義ファイルの設定例
プロセスが異常終了した場合の動作例を次の図に示します。
図7-2 プロセスが異常終了した場合の動作例
図の例では,再起動後,再起動回数のリセット時間で指定した3,600秒以内に異常終了しなかった場合,3,600秒の時点で再起動回数がリセットされます。次回異常終了したときには1回目からカウントされます。一方,再起動後,3,600秒以内に異常終了した場合は,再起動回数を引き継ぎます。再起動回数が,指定した回数に達すると,次回異常終了時には再起動しません。
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