JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)
ルートジョブネットの実行登録数の最大数は,2,147,483,647個ですが,この値は,あくまでディスクやメモリーなどの資源や実行性能に依存しない場合の論理値です。JP1/AJS3で4,000個のルートジョブネットを実行登録しても,機能上の問題はありません。ただし,JP1/AJS3でジョブネットおよびジョブを実行する場合,性能面から次に示す点について考慮する必要があります。
- <この節の構成>
- (1) 1階層に何千個ものルートジョブネットを定義する場合
- (2) その他
1階層に4,000個のルートジョブネットを定義すると,性能面で問題が発生するおそれがあります。必要に応じて,次の対応を取ってください。この対応は,実行性能だけでなく,GUIでの監視やコマンドの性能にも効果があります。
- 配下にあるユニットの数が少ないルートジョブネットが多数ある場合は,できるだけ一つのルートジョブネットにまとめるようにする。
- ジョブグループを階層化する。
一つのジョブグループの下にあるルートジョブネットの合計は,500個以下を目安にしてください。
- 登録するジョブネットについて次のことに配慮する。
- ルートジョブネットから数えた最大階層数は,2~3段程度にする。
- 一つのルートジョブネット,またはネストジョブネットの直下に定義するネストジョブネットおよびジョブの数は,最大で50~80程度にする。
- 一つのルートジョブネット配下のネストジョブネットおよびジョブの数は,最大で500程度にする。
- スケジューラーサービスのルートジョブネットの実行登録数が,最大で4,000個程度になるように,ルートジョブネットを分割してスケジューラーサービスを多重起動する。
(2) その他
- 保存世代数を使用した場合,「保存世代数*登録ルートジョブネット数」で求められる値が,ディスク容量およびリソース管理上で登録されているルートジョブネット数として扱われます。そのため,ディスク容量などのリソース管理に留意する必要があります。
- ルートジョブネットが多量に登録できることと,ジョブの同時実行数とは切り離して運用を設計する必要があります。システムリソースや処理性能に留意し,多量のジョブを同時に実行するなど,ジョブの実行量がある時期に集中する運用はしないように業務設計してください。
- 業務の時間帯による分散,または複数CPUでの処理分散などを考慮して運用設計してください。
- ルートジョブネットを多数定義した場合,ルートジョブネットの登録方法(一括,分割)と登録時間,起動開始に掛かる時間,コマンドによる一括定義・操作・表示についての性能を考慮して運用設計してください。
- 大量のルートジョブネットを短時間に実行登録,リリース登録,またはリリース中止したり,確定実行登録の確定期間に長い期間を指定して実行登録したりした場合,システムへの負荷が一時的に集中して,起動条件成立によって作成される世代の実行開始が遅延することがあります。
大量のルートジョブネットを実行登録,リリース登録,またはリリース中止する場合は,回数を分けて実施してください。確定実行登録する場合は,確定期間を短くして,システムに負荷が掛からないようにしてください。
- 一つのルートジョブネットの中に,大量のジョブネットやジョブの定義をしたり,関連設定を多用したりすると,JP1/AJS3 - Viewの操作性や性能が低下します。操作性や性能を考慮する場合,ジョブネットは2~3段の階層に分け,一つのルートジョブネット,またはネストジョブネットの直下に定義するユニット数は50~80程度にすることを推奨します。
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