JP1/Integrated Management - Manager コマンド・定義ファイルリファレンス
機能
JP1/IM - Managerのプロセスで障害が発生したときに,ダンプを出力するためのコマンドです。なお,セントラルスコープサービス(jcsmain)およびIM構成管理サービス(jcfmain)は除きます。また,jcogencoreコマンドを実行した場合は,JP1/IM - Managerを再起動する必要があります。
- Windowsの場合
JP1/IM - Managerのevtcon,jcdmainおよびevgenプロセスで障害が発生したときにこのコマンドを実行してください。
- UNIXの場合
JP1/IM - Managerのevflow,jcamain,evtcon,jcdmainおよびevgenプロセスで障害が発生したときにこのコマンドを実行してください。
障害の検知手段としてはJP1/IM - Managerのヘルスチェック機能を利用します(ヘルスチェック機能については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 導入・設計ガイド」の「7.2 JP1/IM - Managerのヘルスチェック機能」参照)。
jcogencoreコマンドを実行すると,どのプロセスの障害資料を出力するか問い合わせメッセージが表示されます。障害が発生したプロセスの資料を出力するようにします。jcogencoreコマンドを実行することで出力されるファイルを次の表に示します。
表1-25 出力されるファイル
OS プロセス名 出力されるファイルの名称 Javaスレッドダンプ コアダンプ Windows evflow javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt − jcamain − − evtcon※1 javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt − jcdmain※1 javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt − evgen※1,※2 javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt − UNIX evflow javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt※3 core.evflow jcamain − core.jcamain evtcon※1 javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt※3 core.evtcon jcdmain※1 javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt※3 core.jcdmain evgen※1,※2 javacoreプロセスID.XXXXXXXXXX.txt※3 core.evgen
- (凡例)
- XXXXXXXXXX:OSが自動で割り当てる一意のID
- −:出力しない
- 注※1
- evtcon,jcdmainおよびevgenは機能名です。
- 注※2
- 統合監視DBを使用しない場合に使用される機能名です。
- 注※3
- HP-UX (IPF)の場合,Javaスレッドダンプは出力されません。
出力されたファイルは,次のフォルダに格納されます。
- Windowsの場合
- 物理ホスト:Consoleパス\log\
- 論理ホスト:共有ディスク\jp1cons\log\
- UNIXの場合
- 物理ホスト:/var/opt/jp1cons/log/
- 論理ホスト:共有ディスク/jp1cons/log/
出力したスレッドダンプおよびコアダンプは,資料採取ツールを使って,ほかの障害資料と合わせて採取してください。
また,このコマンドを実行したあとは,JP1/IM - Managerの再起動が必要です。
- Windowsの場合
物理ホスト:コマンドを実行したあと,[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]で「JP1/IM-Managerサービス」を停止し,再起動してください。再起動後に,jco_spmd_statusコマンドでプロセスの起動状況を確認してください。
論理ホスト:コマンドを実行したあと,[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]で「JP1/IM-Managerサービス」を停止し,再起動してください。クラスタソフトで「JP1/IM-Managerサービス」を監視している場合は,クラスタソフトでサービスを再起動するか,フェールオーバーしてください。
- UNIXの場合
物理ホスト:コマンドを実行したあと,指定したプロセスが強制的に停止します。一度,jco_stopコマンドですべてのプロセスを停止し,jco_startコマンドで再起動してください。再起動後に,jco_spmd_statusコマンドでプロセスの起動状況を確認してください。
論理ホスト:コマンドを実行したあと,指定したプロセスが強制的に停止します。一度,jco_stop.clusterコマンドですべてのプロセスを停止し,jco_start.clusterコマンドで再起動してください。クラスタソフトでJP1/IM - Managerを監視している場合は,クラスタソフトでJP1/IM - Managerを再起動するか,フェールオーバーしてください。
形式
jcogencore [-h 論理ホスト名]
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
Consoleパス\bin\
- UNIXの場合
/opt/jp1cons/bin/
引数
-h 論理ホスト名
クラスタシステムで運用している場合に,論理ホスト名を指定します。指定した論理ホストのJP1/IM - Managerプロセスのスレッドダンプ,またはコアダンプを出力します。このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名が仮定されます。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。
注意事項
- UNIXの場合,jcogencoreコマンドを実行すると,ダンプ出力後に指定したプロセスは強制的に停止します。プロセスがハングアップしたとき以外には実行しないでください。プロセスのハングアップはヘルスチェックで検知できます。
なお,クラスタシステムで運用中にjcogencoreコマンドを実行する場合は,注意してください。
- UNIXでこのコマンドを実行する場合には,実行前にご使用のマシンの空き容量を確認してください。5プロセス分のコアダンプを出力した場合,コアダンプの容量は合計で最大8,419メガバイトになる場合があります。
- 複数のプロセスで障害が発生した場合は,イベントコンソールサービス(java),アクション実行サービス(jcamain),イベント基盤サービス(evflow)の順にコマンドを実行してください。
なお,インシデント登録サービス(jcdmain)および相関イベント発行機能(evgen)はほかのプロセスと依存関係がないため,コマンドの実行順序は任意です。
戻り値
0 正常終了 1 オプション・引数解析エラー 2 プロセスチェックエラー 3 論理ホストエラー 4 実行権限エラー(Windows限定) 5 パイプ作成エラー(Windows限定) 6 スレッドダンプ出力処理エラー 10 その他のエラー
使用例1
Windowsで,物理ホストのイベントコンソールサービス(java)プロセスがハングアップした場合
jcogencore
使用例2
Windowsで,論理ホストhostAのイベントコンソールサービス(java)プロセスがハングアップした場合
jcogencore -h hostA
使用例3
UNIXで,物理ホストのイベントコンソールサービス(java)プロセスがハングアップした場合
/opt/jp1cons/bin/jcogencore
出力例
UNIXで,物理ホストのイベントコンソールサービス(java)プロセスがハングアップし,コアダンプおよびスレッドダンプを出力する場合
ProcessName PID [1] : evflow 1234 [2] : jcamain 94320 [3] : evtcon 3333 [4] : evgen 65654 [5] : jcdmain 368828 [6] : Exit KAVB8427-I When outputting dumps for the three processes evflow, jcamain, and evtcon at the same time, output the dumps in order of evtcon, jcamain, and evflow. KAVB8417-I Please enter a number for the process to output the core dump file [1-6]:3 KAVB8414-I The thread dump output request has been sent. KAVB8407-I When the core dump is output, evtcon will stop. Is this OK? (y/n):y KAVB8406-I The core dump file will be output. KAVB8416-I The core dump file has been output.
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2011, Hitachi, Ltd.