JP1/Performance Management - Agent Option for Oracle

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1.3.3 検索処理パフォーマンス

Oracle Databaseの検索処理パフォーマンスの維持/向上を目的に,チューニング項目に上限値を設け,許容範囲内かどうかを確認するためにOracleを監視します。

検索処理パフォーマンス維持/向上のためのOracle監視には,次のような項目が考えられます。

<この項の構成>
(1) 検索処理パフォーマンスに関連するレコードとフィールド
(2) 監視方法

(1) 検索処理パフォーマンスに関連するレコードとフィールド

検索処理パフォーマンスに関連するレコードとフィールドを次の表に示します。

表1-1 検索処理パフォーマンスに関連するレコードとフィールド

使用レコード 使用フィールド 値の見方(例)
PI Cache Hit % バッファ・キャッシュ使用率。
Buffer Busy Wait % バッファビジー待機率。
Dict Cache Get Miss % キャッシュミスによるデータ要求の割合。
Sort Overflow % 一時セグメントを使用しているソート回数の割合。
Non-Index Lookups % キャッシュが行われない全表走査の割合。
Lib Cache Miss % ライブラリー・キャッシュ・ヒット率。
このフィールドの値が増加するとリソース使用量も増加する。

(2) 監視方法

バッファ・キャッシュ使用率の監視
バッファ・キャッシュ使用率は,監視テンプレートで提供している「Buffer Cache Usageアラーム」を使用することで監視することができます。

データベースのデータやロールバック・ブロックの競合の監視
データベースのデータやロールバック・ブロックの競合は,監視テンプレートで提供している「Buffer Cache Waitsアラーム」を使用することで監視することができます。データベースのデータやロールバック・ブロックの競合は,「バッファ・キャッシュ使用率」と合わせて監視すると効果的です。
Buffer Cache Usageがしきい値以下,かつBuffer Cache Waitsがしきい値以上の場合,バッファ・キャッシュが不足していることが考えられます。バッファ・キャッシュが不足するとディスクI/Oが発生し,検索パフォーマンスの低下を招く可能性があります。DB_CACHE_SIZEを増やすなどして対応します。

ディクショナリ・キャッシュの監視
ディクショナリ・キャッシュは,監視テンプレートで提供している「Dict. Cache Usageアラーム」を使用することで監視することができます。

ライブラリー・キャッシュの監視
ライブラリー・キャッシュは,監視テンプレートで提供している「Library Cache Usageアラーム」を使用することで監視することができます。
Dict. Cache Usageがしきい値以上,かつLibrary Cache Usageがしきい値以上の場合,共有プールが不足していることが考えられます。共有プールが不足すると検索パフォーマンスの低下を招く可能性があります。SHARED_POOL_SIZEを増やすなどして対応します。

注※
Oracle 10gで,初期化パラメータSGA_TARGETを指定している場合,SGAの構成パラメータは自動調整されるため,警告または異常条件のしきい値超過時にアクションを実施する必要はありません。

メモリーやディスクI/Oの使用で,すべてのソートについてのディスク上で実行したソートの割合の監視
メモリーやディスクI/Oの使用で,すべてのソートについてのディスク上で実行したソートの割合は,監視テンプレートで提供している「Disk Sortsアラーム」を使用することで監視することができます。
Disk Sortがしきい値以上の場合,ソート作業用メモリーが不足していることが考えられます。ソート作業用メモリーが不足するとTEMPORARYセグメントを使ったディスクソートが行われ,パフォーマンス低下の原因となるためSORT_AREA_SIZEの値を増やすことで対応します。

全件検索の割合の監視
全件検索の割合は,監視テンプレートで提供している「Full Table Scansアラーム」を使用することで監視することができます。
Full Table Scansがしきい値以上の場合,全件検索の発生で検索パフォーマンスの低下が考えられます。検索対象を絞り込むなどして検索パフォーマンスを見直します。

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