JP1/Performance Management リファレンス
形式1
jpcconf port define -key サービスキー
[-lhost 論理ホスト名]
[-inst インスタンス名]
[-input 定義ファイル名]
[-noquery]
形式2
jpcconf port define -key サービスキー
[-inst インスタンス名]
-template 定義ファイル名
[-noquery]
機能
jpcconf port defineコマンドは,Performance Managementで使用するポート番号を設定するコマンドです。
Performance Managementプログラムのサービスまたはプログラムが使用するポート番号のうち,次の表のポート番号以外はサービスが再起動されるたびに自動的に割り当てられるため,再起動前と異なるポート番号が使用されることがあります。
サービス名※ パラメーター ポート番号 用途 Name Server jp1pcnsvr 22285 各サービスがName Serverサービスと通信接続するときに使用する。 OpenView(NNMとNNM Object Manager間) jp1pcovsvr 22292 NNMと連携するときに使用する。 Status Server jp1pcstatsvr 22350 サービスのステータスを確認するときに使用する。 View(PFM - Web ConsoleとView Server間) jp1pcvsvr 22286 PFM - Managerにログインしたり,PFM - Web ConsoleからPFM - Managerに対して操作したりするときに使用する。 注※ コマンド実行時の表示名がサービス名と異なる項目は,表示名を記載しています。
これら以外のポート番号を任意の番号に設定したい場合,このコマンドを実行します。
ポート番号に指定できる値は,1024〜65535の範囲内かつシステムで使用されていない数値です。ポート番号を指定しない場合は,Performance Managementで割り当てられたポート番号が設定されます。ポート番号を指定しないでリターンキーを押すと,表示されているポート番号が設定されます。
システム内でポート番号が重複しないかぎり,Performance Managementで割り当てられるポート番号を使用してください。Performance Managementで割り当てられるポート番号については,「付録C ポート番号一覧」を参照してください。
指定するポート番号は,同一装置内で重複していないものを選択する必要があります。
同一装置内の論理ホストと物理ホストの両方にPerformance Managementシリーズプログラムのサービスが存在する場合は,それぞれに重複しないポート番号を割り当てる必要があります。
ポート番号を固定しない状態(サービスが再起動されるたびに割り当てられる状態)にする場合,「0」を入力してください。ただし,次のサービスについては,次の表のポート番号が設定されます。
サービス名※ パラメーター ポート番号 Name Server jp1pcnsvr 22285 OpenView(NNMとNNM Object Manager間) jp1pcovsvr 22292 Status Server jp1pcstatsvr 22350 View(PFM - Web ConsoleとView Server間) jp1pcvsvr 22286 注※ コマンド実行時の表示名がサービス名と異なる項目は,表示名を記載しています。
PFM - ManagerとPFM - Web Console間,PFM - ManagerとPFM - Agent間,またはPFM - ManagerとPFM - RM間のファイアウォールを通過させる場合は,ポート番号を固定値に設定する必要があります。これらのファイアウォールを通過させるための設定については,「付録C ポート番号一覧」を参照してください。
コマンドを実行できるホスト
- PFM - Manager
- PFM - Agent
- PFM - Base
- PFM - RM
実行権限
- Windowsの場合
- Administrators権限を持つユーザー(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
- UNIXの場合
- rootユーザー権限を持つユーザー
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
- インストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
- /opt/jp1pc/tools/
引数
-key サービスキー
ポート番号を操作するサービスのサービスキー名を指定します。指定できるサービスキーを次に示します。
- all:すべてのPerformance Managementプログラムのサービスのポート番号を操作します。
- Managerまたはmgr:PFM - Managerサービス(Status ServerサービスとAction Handlerサービスを除く),NNM Object Managerサービス,およびPFM - Web ConsoleとView Serverサービス間で使用するポート番号を操作します。
- プロダクト名またはagtX:指定したPFM - AgentまたはPFM - RMサービス,およびName Serverサービスで使用するポート番号を操作します。
- AHまたはact:Action HandlerサービスおよびName Serverサービスで使用するポート番号を操作します。
- Viewまたはview:PFM - Web ConsoleとView Serverサービス間で使用するポート番号を操作します。
- StatSvrまたはstat:Status ServerサービスおよびName Serverサービスで使用するポート番号を操作します。
「プロダクト名」または「agtX」は,各PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスキーを示します。PFM - AgentまたはPFM - RMのサービスのサービスキーについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録の,命名規則について説明している個所を参照してください。
-lhost 論理ホスト名
論理環境のポート番号を操作したい場合,論理ホストのホスト名を指定します。
1〜32バイトの半角英数字で指定します。半角空白文字および"."は指定できません。
論理ホスト名に,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名は指定できません。
-inst インスタンス名
特定のインスタンスのポート番号を操作したい場合は,インスタンス名を指定します。このオプションは,インスタンス環境を持つPFM - AgentまたはPFM - RMにだけ有効です。1〜32バイトの半角英数字で指定します。
-noquery
このオプションを指定すると,コマンドの実行を中断する問い合わせメッセージが出力されなくなり,ユーザーの応答が不要になります。
このコマンドを非対話形式で実行するには,このオプションと-inputオプションを同時に指定します。
なお,コマンド実行時は次のように動作します。
- 起動中のPerformance Managementサービスが存在した場合
KAVE05143-Eメッセージが出力され,コマンドの実行が中断されます。サービスを停止してコマンドを再度実行してください。
- -templateで指定したファイルと同名のファイルが存在した場合
KAVE05399-Iメッセージが出力され,ファイルが更新されます。
-input 定義ファイル名
ポート番号を定義ファイルから読み込む場合に指定します。指定した定義ファイルの内容で,ポート番号が設定されます。
指定したファイルパスに空白が含まれる場合は「"」で囲んで指定してください。
このコマンドを非対話形式で実行するには,このオプションと-noqueryオプションを同時に指定します。
-template 定義ファイル名
ポート番号の設定値を定義ファイルに出力する場合に指定します。対象となるすべてのサービスのラベルが記載された定義ファイルが出力されます。なお,[コンポーネント名]セクションのラベルに対応する値は,設定されているポート番号または0になります。
指定したファイルパスに空白が含まれる場合は「"」で囲んで指定してください。
定義ファイルの形式(jpcconf port defineコマンド)
定義ファイルはテキスト形式のファイルです。次に示すセクションおよびラベルで構成されます。ラベルの設定値は,ラベル名の後ろの「=」に続けて指定します。不正なセクション名およびラベル名を指定した場合,該当するセクションおよびラベルは無視されます。
- [Common Definitions]セクション
- 定義ファイルの基本情報を指定するセクションです。このセクションおよびこのセクション内のラベルは省略できません。
- Definition File Versionラベル
- 定義ファイルのバージョンを指定するラベルです。固定で「0001」を指定してください。
- [コンポーネント名]セクション
- 設定するポート番号を指定するセクションです。
- コンポーネント名には,ポート番号を設定するサービスが属するコンポーネント名を指定します。このセクションは,コンポーネント名ごとに複数指定できます。
- なお,同じ名称のセクションを複数指定した場合,最初に指定したセクションの設定が有効になります。
- 指定できる値は次のとおりです。
- Common
Name Server,Status Server,Action HandlerおよびNNM Object Managerサービスで使用するポート番号を設定する場合に指定します。
- Manager
PFM - Managerの各サービスで使用するポート番号を設定する場合に指定します。
- PFM - Agent,PFM - RMのプロダクト名
PFM - AgentまたはPFM - RMで使用するポート番号を設定する場合に指定します。なお,プロダクト名については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,Performance Managementの機能について説明している章を参照してください。
- [[インスタンス名]]サブセクション
- PFM - AgentまたはPFM - RMのインスタンス環境のポート番号を指定するサブセクションです。このサブセクションは,コンポーネント名にマルチインスタンスのPFM - AgentまたはPFM - RMを指定した場合だけ指定します。
- なお,同じ名称のサブセクションをセクション配下に複数指定した場合,最初に指定したサブセクションの設定が有効になります。
- サービス名ラベル
- 設定するポート番号を指定するラベルです。
- なお,同じ名称のラベルをセクションまたはサブセクション配下に複数指定した場合,最初に指定したラベルの設定が有効になります。
- ポート番号を固定しない状態(サービスが再起動されるたびに割り当てられる状態)にする場合は,値に「0」を指定します。
なお,Name Server,OpenView(NNMとNNM Object Manager間),Status Server,View(PFM - Web ConsoleとView Server間)サービスについては,「0」を指定しても,固定のポート番号が割り当てられます。
- Performance Managementで割り当てられるデフォルトのポート番号を使用する場合は,値に「auto」を指定します。ただし,デフォルトのポート番号がすでに使用されている場合は,空きポートが自動で設定されます。
ただし,次の表に示すサービスについては,「auto」は指定しないで,固定のポート番号を指定してください。
サービス名※ ポート番号 Name Server 22285 OpenView(NNMとNNM Object Manager間) 22292 Status Server 22350 View(PFM - Web ConsoleとView Server間) 22286 注※ コマンド実行時の表示名がサービス名と異なる項目は,表示名を記載しています。
- ポート番号を指定する場合は,1024〜65535の範囲内でかつシステムで使用されていない値を指定してください。
- ポート番号を変更しない場合は,値には何も指定しないでください。
- 1024〜65535に含まれない値や,autoを除く数値以外の文字列を含む値を指定した場合は,該当するサービスに対する処理がスキップされます。
[コンポーネント名]セクションとサービス名ラベルの指定で使用するコンポーネント名,サービス名,および設定値を次の表に示します。
コンポーネント名 サービス名 設定値 Common Name Server Name Serverのポート番号を指定する Status Server Status Serverのポート番号を指定する Action Handler Action Handlerのポート番号を指定する OpenView NNM Object Manager(NNMとの連携)のポート番号を指定する Manager Master Manager Master Managerのポート番号を指定する Master Store Master Storeのポート番号を指定する Correlator Correlatorのポート番号を指定する Trap Generator Trap Generatorのポート番号を指定する View Server View Serverのポート番号を指定する View View Server(PFM - Web ConsoleとView Serverサービス間)のポート番号を指定する PFM - AgentまたはPFM - RMのプロダクト名 Collector PFM - Agent CollectorまたはRemote Monitor Collectorの使用するポート番号を指定する Store Agent StoreまたはRemote Monitor Storeの使用するポート番号を指定する 定義ファイルの記述例を次に示します。
[Common Definitions] Definition File Version=0001 [Common] Name Server=22285 Status Server=22350 Open View=22292 [Manager] Master Manager=auto Master Store=auto Correlator=auto : [Windows] Collector=0 Store=0 : [Oracle] [[oracle1]] Collector=0 Store=0
注意事項
- ポート番号設定時に,Performance Managementプログラムのサービスが起動されている場合,サービスを停止してからこのコマンドを実行してください。ポート番号の設定が終わったあと,手動でサービスを起動してください。
- このコマンドの実行中に,Ctrl+Cキーで中断すると,ポート番号は正しく設定されません。ポート番号を設定し直して,コマンドを再実行してください。
- Name Serverサービスに設定するポート番号については,Performance Managementシステム内の全ホストで同じ番号にする必要があります。
また,Status Serverサービスに設定するポート番号についても,Performance Managementシステム内の全ホストで同じ番号にする必要があります。
他のJP1/PFMサービスについても運用での混乱を避けるため,Performance Managementシステム全体でポート番号とサービス名の対応を統一してください。
- このコマンドは,OSのservicesファイルを自動編集します。
- このコマンドを実行した場合に編集されるservicesファイルは,コマンドを実行したホストのローカルファイルだけです。UNIXで,NISまたはNIS+によってservicesファイルを管理している場合,ローカルのservicesファイルに追加されたポート番号を手動でNISサーバに反映してください。
- ポート番号の入力時に現在の設定値として表示される値は,コマンドを実行しているホスト上のservicesファイルに設定された値です。NISまたはNIS+環境で,NISサーバが管理するポート番号の情報と,NISクライアントのservicesファイルの情報が異なっている場合,実際にサービスが使用している値とは異なる情報が表示されることがあります。
- コマンドの実行をCtrl+Cキーやシグナルで中断した場合,特定の戻り値が返りません。そのため,コマンドをCtrl+Cキーやシグナルで中断した場合は戻り値を無視してください。
- -inputオプションを指定した場合,定義ファイルに必要なラベルがないとき,またはDefinition File Versionの値が不正なときは,コマンドの実行が中断されます。-noqueryオプションを同時に指定して,バッチまたはスクリプトファイルなどで処理を自動化したい場合は,定義ファイルの内容が正しいことをあらかじめ確認してください。また,コマンドが正常終了したかどうかは,出力されるメッセージまたは戻り値で確認してください。
戻り値
0 正常終了した。 1 引数の指定に誤りがある。 2 コマンドの実行権限がない。 4 指定されたサービスが停止されていない。 5 指定されたサービスキーがない。 6 定義ファイルの内容に誤りがある。 7 指定されたサービスキーが論理ホストに対応していない。 10 コマンドが実行中である。 11 ユーザーによって処理が中止された(問い合わせに対して「N」を返した場合)。 13 定義ファイルに指定した内容で設定できなかったため,設定がスキップされたサービスがある。 100 Performance Managementの環境が不正である。 101 ポート番号が取得できない。 102 指定されたインスタンスが存在しない。 106 ポート番号がservicesファイルに登録されていない。 200 メモリーが不足している。 210 ディスク容量が不足している。 211 ファイルにアクセスできない。 222 通信処理でエラーが発生した(IPアドレスが取得できない)。 224 servicesファイルに設定できるポート番号がない。 230 内部コマンドの実行に失敗した。 255 予期しないエラーが発生した。
使用例
すべてのPerformance Managementプログラムのサービスのポート番号を固定値にする場合のコマンド実行例を次に示します。
jpcconf port define -key all
非対話形式のコマンドの運用例
-noqueryオプション,-inputオプション,および-templateオプションを使用することで,Performance Managementからの問い合わせを抑止した状態でセットアップを実行できます。運用例を次に示します。
運用例1
PFM - Agent for Platform(Windows)とPFM - Agent for Oracleで設定が必要なポート番号の情報を,それぞれテンプレートとして定義ファイルAgentPort01.txtとAgentPort02.txtに出力する例を次に示します。
# jpcconf port define -key Windows -template AgentPort01.txt # jpcconf port define -key Oracle -template AgentPort02.txt運用例2
PFM - Agent for Platform(Windows)とPFM - Agent for Oracleにポート番号を設定する例を次に示します。
なお,ここでは運用例1で出力したAgentPort01.txtとAgentPort02.txtをあらかじめ編集しているものとします。
# jpcconf port define -key Windows -input AgentPort01.txt -noquery # jpcconf port define -key Oracle -input AgentPort02.txt -noquery
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