JP1/Performance Management 運用ガイド
クラスタシステムにPFM - Web Consoleをインストールおよびセットアップする方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) インストールとセットアップの流れ
- (2) インストール手順
- (3) セットアップ手順
- (4) クラスタソフトの設定手順
(1) インストールとセットアップの流れ
論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れについて説明します。
図9-23 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ
次に,インストールの手順,セットアップの手順,およびクラスタソフトの設定手順について説明します。
手順中の
は実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
(2) インストール手順
実行系ノードおよび待機系ノードに,PFM - Web Consoleを新規インストールします。インストール手順は非クラスタシステムの場合と同じです。
インストール手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。
- 注意
- インストール先はローカルディスクです。共有ディスクにはインストールしないでください。
- 実行系ノードと待機系ノードのPFM - Web Consoleは同じパスにインストールしてください。
(3) セットアップ手順
PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合,実行系ノードと待機系ノードで環境構成を同じにする必要があります。
PFM - Web Consoleの各セットアップについて,説明します。
(a) PFM - AgentまたはPFM - RM情報の追加セットアップ
![]()
![]()
クラスタシステムでPFM - AgentまたはPFM - RMを一元管理するために,実行系ノードおよび待機系ノードのPFM - Web ConsoleにPFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を登録します。
PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - AgentまたはPFM - RMの登録は自動で行われるため,PFM - AgentまたはPFM - RM情報の追加セットアップは不要です。ただし,PFM - Managerより後でリリースされたPFM - AgentまたはPFM - RMについては手動で登録する必要があります。PFM - Manager,PFM - Agent,およびPFM - RMのそれぞれのリリース時期についてはリリースノートを参照してください。
- 注意
- すでにPFM - AgentまたはPFM - RMの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じプロダクトIDで,同じバージョンのPFM - AgentまたはPFM - RMを追加した場合,PFM - AgentまたはPFM - RMの登録は必要ありません。
- バージョンが異なる同じプロダクトIDのPFM - AgentまたはPFM - RMを,異なるホストにインストールする場合,最新バージョンのPFM - AgentまたはPFM - RMをセットアップしてください。
PFM - Web Consoleのエージェント情報の追加セットアップは,「図9-23 論理ホスト運用するPFM - Web Consoleのインストールおよびセットアップの流れ」で示す流れで行います。
PFM - Web Consoleにエージェント情報を登録する手順を次に示します。
- セットアップファイルをコピーする。
![]()
PFM - AgentまたはPFM - RMのセットアップファイルを,PFM - Web Consoleの実行系ノードおよび待機系ノードの次の場所にコピーします。
/opt/jp1pcwebcon/setup/
コピーするセットアップファイルおよび手順は,PFM - Managerに追加セットアップする場合と同じです。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップ(UNIXの場合)について説明している章を参照してください。
- 待機系ノードでセットアップコマンドを実行する。
待機系ノードで,jpcwagtsetupコマンドを実行し,エージェント情報を登録します。
次のようにコマンドを実行します。
jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
jpcwagtsetup
- 補足
- PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報をPFM - Web Consoleに登録した場合は,PFM - Web Consoleを再起動する必要があります。ただし,待機系ノードは,フェールオーバー時にPFM - Web Consoleが再起動されるため,手順2のあとの再起動は必要ありません。
(b) 接続先PFM - Managerの設定
PFM - Web Consoleが接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。接続するPFM - Managerがクラスタシステムで運用されている場合は,論理IPアドレスまたは論理ホスト名を設定してください。
手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
/opt/jp1pcwebcon/conf/config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- 接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスまたはホスト名を設定する。
<vsa>タグ内の<vserver-connection>タグ直後に,次に示すタグを記述します。
例えば,接続するPFM - ManagerホストのIPアドレスが,「10.210.24.56」の場合,次のように設定します。
<param name="host" value="IPアドレスまたはホスト名"/>
<vsa> <vserver-connection> <param name="host" value="10.210.24.56"/> <!-- The host computer name to which PFM View Server uses. Specifiable values: 1024 to 65535 Default : 22286 --> <param name="port" value="22286"/> </vserver-connection>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(c) PFM - Web Consoleの論理ホストの設定
PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。
手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
/opt/jp1pcwebcon/conf/config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスまたは論理ホスト名を設定する。
<vsa>タグ内の<vserver-connection>タグ内に,次に示すタグを記述します。
例えば,PFM - Web Consoleホストの論理IPアドレスが,「10.210.26.18」の場合,次のように設定します。
<param name="ownHost" value="論理IPアドレスまたは論理ホスト名"/>
<vsa> <vserver-connection> <param name="host" value="10.210.24.56"/> <!-- The host computer name to which PFM View Server uses. Specifiable values: 1024 to 65535 Default : 22286 --> <param name="port" value="22286"/> <param name="ownHost" value="10.210.26.18"/> </vserver-connection>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(d) ブックマーク定義情報の格納先の設定
ブックマークの定義情報を格納するディレクトリを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。格納先のディレクトリは,フェールオーバー時にブックマークの定義情報を引き継がせるため,共有ディスク上のディレクトリを指定します。
設定する手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
/opt/jp1pcwebcon/conf/config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- ブックマークの定義情報を格納するディレクトリを設定する。
初期設定ファイル(config.xml)の<vsa>タグ内にある<format>タグ直後の<bookmark>タグに,格納先ディレクトリを設定します。
設定した格納先ディレクトリは,PFM - Web Consoleサービスの起動時に,自動的に作成されます。
例えば,「環境ディレクトリ/jp1pcwebcon/common/bookmarks」を格納先ディレクトリにしたいとき,次のように設定します。
</format> <bookmark> <!-- The directory where bookmark repository is stored. Default : <install directory>/bookmarks --> <param name="bookmarkRepository" value="環境ディレクトリ/jp1pcwebcon/common/bookmarks"/> </bookmark> </vsa>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(e) プロセス監視定義テンプレートの格納先の設定
プロセス監視の定義テンプレートを格納するフォルダを,待機系ノードで,初期設定ファイル(config.xml)に設定します。格納先のフォルダは,フェールオーバー時にプロセス監視の定義テンプレートを引き継がせるため,共有ディスク上のフォルダを指定します。
設定する手順を次に示します。
- 初期設定ファイル(config.xml)を開く。
インストール先フォルダ\conf\config.xmlファイルをテキストエディターやXMLエディターなどで開きます。
- プロセス監視の定義テンプレートを格納するディレクトリを設定する。
初期設定ファイル(config.xml)の<vsa>タグ内にある<process-monitoring>タグに,格納先ディレクトリを設定します。
設定した格納先ディレクトリは,PFM - Web Consoleサービスの起動時に,自動的に作成されます。
例えば,「環境ディレクトリ/jp1pcWebCon/processMonitoringTemplates」を格納先ディレクトリにしたいとき,次のように設定します。
<process-monitoring> <!-- The directory where templates of process monitoring are stored. Default : <install directory>/processMonitoringTemplates --> <param name="processMonitoringTemplatesRepository" value="環境ディレクトリ/jp1pcWebCon/processMonitoringTemplates"/> </process-monitoring> </vsa>- 手順2で編集した初期設定ファイル(config.xml)を保存する。
- 注意
- 初期設定ファイル(config.xml)は,指定された以外の個所を変更すると,PFM - Web Consoleが正常に動作しない場合がありますので,注意してください。
(f) 初期設定ファイルの実行系ノードへのコピー
![]()
(b),(c),(d)および(e)で編集した初期設定ファイル(config.xml)を,実行系ノードにコピーします。
実行系ノードの次の場所にコピーしてください。
/opt/jp1pcwebcon/conf/
(g) 共有ディスクのオンライン
実行系ノードで共有ディスクがオンラインになっていることを確認します。共有ディスクがオンラインになっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャーの操作などで,共有ディスクをオンラインにしてください。
(h) PFM - AgentまたはPFM - RM情報の追加セットアップの実行
![]()
実行系ノードで(a)でコピーしたセットアップファイルを使い,PFM - AgentまたはPFM - RMのエージェント情報を追加セットアップします。
手順を次に示します。
- 実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを停止する。
クラスタソフトへの登録前の場合,jpcwstopコマンドでサービスを停止させてください。強制停止する場合は,jpcwstopコマンドに-immediateオプションを付けて実行してください。
クラスタソフトへの登録後,PFM - AgentまたはPFM - RMの追加など構成を変更する場合,クラスタソフトからサービスを停止させてください。なお,構成変更の詳細については,「9.5 クラスタシステムでの構成変更(UNIXの場合)」を参照してください。
- 実行系ノードでセットアップコマンドを実行する。
次のようにコマンドを実行します。
jpcwagtsetupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
jpcwagtsetup
- 実行系ノードで,PFM - Web Consoleサービスを起動する。
手順1で停止させていたPFM - Web Consoleサービスを起動します。
(4) クラスタソフトの設定手順
クラスタソフトにPFM - Web Consoleを設定します。実行系ノードと待機系ノードでそれぞれに設定します。
手順を次に示します。
(a) クラスタソフトでのPFM - Web Consoleの登録
![]()
PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合は,クラスタソフトに登録し,クラスタソフトからの制御でPFM - Web Consoleを起動したり停止したりするように設定します。
クラスタソフトに,アプリケーションを登録する場合に必要な項目は「起動」「停止」「動作監視」「強制停止」の四つがあります。
PFM - Web Consoleでは,次の表のように設定します。
表9-9 クラスタソフトに登録するPFM - Web Consoleの制御方法
項目 説明 起動 次のコマンドを実行して,PFM - Web Consoleを起動する。
/opt/jp1pcwebcon/tools/jpcwstart停止 次のコマンドを実行して,PFM - Web Consoleを停止する。
/opt/jp1pcwebcon/tools/jpcwstop強制停止 次のコマンドを実行して,PFM - Web Consoleを強制停止する。
/opt/jp1pcwebcon/tools/jpcwstop -immediate動作監視 次のプロセスが動作していることを,psコマンドで確認する。
ps -ef | grep "プロセス名" | grep -v "grep監視対象のプロセス"
プロセス名については「9.6.1(3) サービス名について」を参照のこと。
- 注意
- クラスタに登録するPFM - Web Consoleは,クラスタから起動および停止を制御しますので,OS起動時の自動起動設定をしないでください。
- PFM - Web Consoleを日本語環境で実行する場合,クラスタソフトに登録するスクリプトでLANGを設定してから,起動コマンドを実行するようにしてください。
- クラスタソフトがコマンドの戻り値で実行結果を判定する場合は,PFM - Web Consoleのコマンドの戻り値をクラスタソフトの期待する値に変換するように設定してください。PFM - Web Consoleのコマンドの戻り値については,各コマンドのリファレンスを確認してください。
- ユーザーがPFM - Web Consoleを操作中にjpcwstopコマンドを実行した場合など,停止処理に時間が掛かる場合があります。
クラスタソフトにjpcwstopコマンドを登録する際に,jpcwstopコマンドの戻り値(4)が返された場合に,数分待ってから再度jpcwstopコマンドを実行するスクリプトを作成して,jpcwstopコマンドを登録してください。
(b) クラスタソフトからの起動と停止の確認
![]()
クラスタソフトからの操作で,PFM - Managerの起動および停止を各ノードで実行し,正常に動作することを確認してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2012, Hitachi, Ltd.
(C)opyright 2000-2009, by Object Refinery Limited and Contributors.