JP1/Performance Management 運用ガイド
Performance Managementを起動するときは,通常,PFM - Managerを起動させてから,PFM - AgentまたはPFM - RM,およびPFM - Baseを起動させます。複数のサーバから構成される大規模システムでは,これらサーバ間でサービス起動順序を制御することによって,正常に起動できます。
PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが起動していない状態でも,PFM - AgentまたはPFM - RM,およびPFM - Baseを先に起動して,パフォーマンスデータを収集できます。
PFM - AgentまたはPFM - RM,およびPFM - Baseが単独で起動している状態を「スタンドアロンモード」と呼びます。
また,各プログラムの状態に応じて次のように呼びます。
- PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseだけが起動した状態
「スタンドアロンモード」と呼びます。
- PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseが起動している状態から,PFM - Managerだけが停止し,PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseだけが起動した状態
「非スタンドアロンモード」と呼びます。
- PFM - Manager,PFM - Base,PFM - AgentまたはPFM - RMの順序で起動した状態
「通常モード」と呼びます。
- 注意
- PFM - AgentまたはPFM - RMがPFM - Managerと同一ホストにインストールされている場合は,PFM - AgentまたはPFM - RM単独で起動できません。
- <この項の構成>
- (1) スタンドアロンモードの概要
- (2) スタンドアロンモードで使用できる機能
- (3) スタンドアロンモードで実行できるコマンド
- (4) 非スタンドアロンモードの概要
- (5) 非スタンドアロンモードで使用できる機能
- (6) 非スタンドアロンモードで実行できるコマンド
PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseを起動する際,PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが起動されていない場合,PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseはスタンドアロンモードで起動して,パフォーマンスデータを収集します。
スタンドアロンモードでは5分間に一度PFM - Managerへの接続確認を行っています。PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseがスタンドアロンモードで起動したあとにPFM - Managerが起動して,PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseからの接続確認に成功した場合,PFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseではスタンドアロンモードを終了してPFM - Managerと接続した通常のモードへと移行されます。このとき,スタンドアロンモードで起動していた期間にPFM - AgentまたはPFM - RMで蓄積したパフォーマンスデータは,履歴レポートで参照できます。
ただし,スタンドアロンモードでPFM - Agent,PFM - RM,またはPFM - Baseが起動している場合,Performance Managementの機能や実行できるコマンドに一部制約があります。
(2) スタンドアロンモードで使用できる機能
スタンドアロンモードで起動した場合に,使用できる機能と使用できない機能を次の表に示します。
表1-3 スタンドアロンモードで使用できる機能
機能の内容 対応 サービス名 サービスの起動,停止,および稼働状況確認 ○
- PFM - Agentホストの場合
Agent Store,Agent Collector,およびAction Handler
- PFM - RMホストの場合
Remote Monitor Store,Remote Monitor Collector,およびAction Handler
履歴データの収集 ○
- PFM - Agentホストの場合
Agent StoreおよびAgent Collector
- PFM - RMホストの場合
Remote Monitor StoreおよびRemote Monitor Collector
レポートの表示やODBC準拠のアプリケーションプログラムからの接続 × Agent StoreおよびRemote Monitor Store エージェントの起動を知らせるアラームの発行 ○ Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector アラームによるパフォーマンスデータの監視 × Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector アラームイベントに対するアクションの実行 × Action Handler サービスのステータスの管理 ○ Status Server
- (凡例)
- ○:使用できる
- ×:使用できない
(3) スタンドアロンモードで実行できるコマンド
スタンドアロンモードで起動した場合に,コマンドで実行できる機能と実行できない機能を次の表に示します。
表1-4 スタンドアロンモードで実行できるコマンド
コマンド 機能 対応 jpcconf db define Agent StoreおよびRemote Monitor Storeサービスのディレクトリ設定変更 ○ jpcconf db display Agent Storeサービス,Remote Monitor Storeサービス,またはバックアップデータの情報表示 ○ jpcconf db vrset Storeデータベースのバージョンの変更 ○ jpcconf hc ヘルスチェック機能を有効または無効にする ○ jpcconf stat ステータス管理機能を有効または無効にする ○ jpcras PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RMのトラブルシュート資料の採取 ○ jpcspm start サービスの起動 ○ jpcspm stop サービスの停止 ○ jpctool db backup Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのバックアップファイルの作成 ○※ jpctool db clear Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータの消去 × jpctool db dmconvert バックアップデータのデータモデルのコンバート ○ jpctool db dump Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのエクスポート ○※ jpctool db import バックアップデータのインポート ○ jpctool service delete Performance Managementに登録されているエージェントのサービス情報の削除 × jpctool service list(-hostオプションで他ホストを指定する場合) Performance Managementプログラムのサービスの構成および状態の表示 × jpctool service list(-hostオプションを指定しない場合) 自ホストのサービス稼働状況の確認 ○ jpctool service register Performance Managementプログラムのサービス情報の再登録 ×
- (凡例)
- ○:実行できる
- ×:実行できない
- 注※
- -aloneオプションを指定した場合だけコマンドを実行できます。
PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RM,PFM - Baseが起動している状態から,PFM - Managerだけ停止し,PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Baseだけが起動した状態を「非スタンドアロンモード」と呼びます。
非スタンドアロンモードでは,スタンドアロンモードのように5分間に一度のPFM - Managerへの接続確認は実行しません。PFM - Managerが起動し,PFM - AgentまたはPFM - RMと,PFM - Managerの間で通信が実行された場合(レポート表示など)に再接続され,通常モードへと移行されます。このとき,非スタンドアロンモードで起動していた期間にPFM - AgentまたはPFM - RMで蓄積したパフォーマンスデータは,履歴レポートで参照できます。
図1-4 非スタンドアロンモードの概要
- 注意
- PFM - AgentまたはPFM - RMを非スタンドアロンモードで起動している場合,発生したアラームイベントをPFM - Managerに通知できません。この場合,アラーム定義ごとにアラームイベントが保持され,PFM - Managerが起動されるまでアラームイベントの通知を繰り返します。保持しているアラームイベントが三つ以上発生すると,古い順にアラームイベントが上書きされます。また,PFM - AgentまたはPFM - RMを停止すると,保持されているアラームイベントはすべて削除されます。
- [参考]
- イベントモニターとイベント履歴では動作が異なるため見え方が異なります。
- [イベント履歴(例)として3件で説明]
- PFM-Managerが停止している
- PFM-Managerが起動
- PFM-AgentからPFM-Manager停止中のアラームが3件送信される
- PFM-ManagerのMasterStoreに格納
- 以上よりイベント履歴では3件ともにイベント情報を表示可能となります。
- [イベントモニター(例)として3件で説明]
- イベントモニターはPFM-Webconsoleのキャッシュに保存されている情報を表示します。
- ここで,PFM-WebConsoleのキャッシュは,PFM-ManagerのViewServerとの再接続を行った際にいったんクリアされます。
- ViewServerとの接続時に,ViewServerのキャッシュ情報との同期を行い,WebConsoleのキャッシュを再構築します。
- ここでアラームイベントについては,当該エージェントの現在のアラームステータスに関わる最新イベント1件だけを取得します。
- ただし,受け取ったアラームステータスが「緑(正常)」の場合は,イベントモニターには表示されません(最新の状態が正常であるため何も問題ないとしております)。
- 受け取ったアラームステータスが「黄(警告)」「赤(異常)」の場合は,警告または異常である旨のアラームを受け取ったこととなり,イベントモニターに表示されます。
- PFM - Managerに通知済みのアラームイベントは,PFM - Managerが起動されたときに一度リセットされます。そのあと,PFM - AgentまたはPFM - RMにアラームイベントの状態を確認して,PFM - Managerにアラームイベントを通知し直します。
- Webブラウザの表示で赤色点滅していたアラームは,PFM - Managerが起動された直後は緑色に戻りますが,そのあと,赤色点滅の状態に戻ります。
(5) 非スタンドアロンモードで使用できる機能
非スタンドアロンモードで起動した場合に,使用できる機能と使用できない機能を次の表に示します。
表1-5 非スタンドアロンモードで使用できる機能
機能の内容 対応 サービス名 サービスの起動,停止,および稼働状況確認 ○
- PFM - Agentホストの場合
Agent Store,Agent Collector,およびAction Handler
- PFM - RMホストの場合
Remote Monitor Store,Remote Monitor Collector,およびAction Handler
履歴データの収集 ○
- PFM - Agentホストの場合
Agent StoreおよびAgent Collector
- PFM - RMホストの場合
Remote Monitor StoreおよびRemote Monitor Collector
レポートの表示やODBC準拠のアプリケーションプログラムからの接続 × Agent StoreおよびRemote Monitor Store アラームによるパフォーマンスデータの監視 ○ Agent CollectorおよびRemote Monitor Collector アラームイベントに対するアクションの実行 ×※ Action Handler サービスのステータスの管理 ○ Status Server
- (凡例)
- ○:使用できる
- ×:使用できない
- 注※ 状況に応じて次のように動作が異なります。
- Action Handlerに"LOCAL"を指定している場合
- アクションを実行するホストのPFM - Baseが09-00-09以降または09-10以降のとき
- PFM - Manager停止中でもアクションは実行されます。
- アクションを実行するホストのPFM - Baseが09-00-08以前のとき
- 一度もアクションを実行していない場合
PFM - Manager停止中にはアクションは実行されません。
PFM - Manager起動後にも,PFM - Manager停止中に発生したアクションは実行されません。
- 一度でもアクションを実行したことがあり,かつそのアクションを実行した該当Action Handlerを再起動していない場合
PFM - Manager停止中でもアクションは実行されます。
- Action Handlerに"LOCAL"以外を指定している場合
- PFM - Manager停止中にはアクションは実行されません。
- PFM - Manager起動後に,PFM - Manager停止中に発生したアクションが実行されます。ただし,PFM - ManagerホストのAction Handlerサービスを指定している場合,Acton Handlerサービスの起動順序によっては,アクションが実行されない場合があります。
(6) 非スタンドアロンモードで実行できるコマンド
非スタンドアロンモードで起動した場合に,コマンドで実行できる機能と実行できない機能を次の表に示します。
表1-6 非スタンドアロンモードで実行できるコマンド
コマンド 機能 対応 jpcconf db define Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスのディレクトリ設定変更 ○ jpcconf db display Agent StoreまたはRemote Monitor Storeサービスまたはバックアップデータの情報表示 ○ jpcconf db vrset Storeデータベースのバージョンの変更 ○ jpcconf hc ヘルスチェック機能を有効または無効にする ○ jpcconf stat ステータス管理機能を有効または無効にする ○ jpcras PFM - Manager,PFM - AgentまたはPFM - RMのトラブルシュート資料の採取 ○ jpcspm start サービスの起動 ○ jpcspm stop サービスの停止 ○ jpctool db backup Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのバックアップファイルの作成 ○※ jpctool db clear Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータの消去 × jpctool db dmconvert バックアップデータのデータモデルのコンバート ○ jpctool db dump Master Storeサービス,Agent Storeサービス,またはRemote Monitor Storeサービスのデータベースに格納されているデータのエクスポート ○※ jpctool db import バックアップデータのインポート ○ jpctool service delete Performance Managementに登録されているエージェントのサービス情報の削除 × jpctool service list(-hostオプションで他ホストを指定する場合) Performance Managementプログラムのサービスの構成および状態の表示 × jpctool service list(-hostオプションを指定しない場合) 自ホストのサービス稼働状況の確認 ○ jpctool service register Performance Managementプログラムのサービス情報の再登録 ×
- (凡例)
- ○:実行できる
- ×:実行できない
- 注※
- -aloneオプションを指定した場合だけコマンドを実行できます。
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