Hitachi Protection Manager Software ユーザーズガイド
Protection Managerのバックアップおよびリストア対象となるボリューム構成を次の表に示します。
表2-1 Protection Managerのバックアップおよびリストア対象となるボリューム構成
OS 論理ボリュームマネージャー ディスク管理方式 バックアップおよびリストア対象となるボリューム構成の単位 バックアップおよびリストア対象となるデータベースまたはファイルの格納先 Windows LDM ベーシックディスク※1 物理ディスク ディスクパーティション上のファイルシステム Veritas Volume Manager for Windows※2 ベーシックディスク 物理ディスク 論理ボリューム上のファイルシステム ダイナミックディスク ディスクグループ 論理ボリューム上のファイルシステム Solaris※3 ボリュームマネージャなし - 物理ディスク ディスクパーティション上のファイルシステム
RAWディスクパーティションVeritas Volume Manager※4 - ディスクグループ 論理ボリューム上のファイルシステム
RAW論理ボリュームVeritas Cluster Volume Manager※5 - ディスクグループ 論理ボリューム上のファイルシステム
RAW論理ボリュームASM - ディスクグループ ディスクグループ
- (凡例)
- -:該当しない。
- 注※1
- GPTディスクに対応しています。
- 注※2
- VSSは使用できません。
- 注※3
- Protection Managerは,ボリュームマネージャーが存在しないRAWデバイスにも対応しています。
- 注※4
- Maintenance Pack 1の適用が必要です。
- 注※5
- Protection Managerは,RACインスタンスにも対応しています。
Windowsのダイナミックディスクを利用する場合,およびSolarisの場合,論理ボリュームマネージャーを使用して,一つ以上の物理ボリュームをグループ化し,一つ以上の論理ボリュームとして扱うことができます。ユーザーは,論理ボリュームを指定することで,物理ボリュームを意識しないでバックアップおよびリストアが実行できます。
物理ボリュームと論理ボリュームをグループ化した単位を,ディスクグループといいます。Solarisの場合,ディスクグループを最小単位としてバックアップおよびリストアを実行します。
Protection Managerでは,ダイナミックディスク構成の場合に,一つ以上のダイナミックディスクと,ダイナミックディスクに割り当てた一つ以上の論理ボリュームのグループをディスクセットと呼びます。図2-31の例では,物理ボリュームAの一部を論理ボリュームAに,物理ボリュームAの残りとBの一部を論理ボリュームBに,物理ボリュームBの残りとCの一部を論理ボリュームCに,物理ボリュームCの残りを論理ボリュームDに割り当てています。このとき,三つの物理ボリュームの内容を割り当てた四つの論理ボリュームのグループが,一つのディスクセット(ディスクセット1)となります。また,一つの物理ボリュームの内容をすべて一つの論理ボリュームに割り当てて,1対1の関係のディスクセットとすることもできます(ディスクセット2)。
Veritas Volume Manager for Windowsの環境では,ディスクグループを構成すると,ディスクグループは一つ以上のディスクセットとして認識されます。Veritas Volume Manager for Windowsの環境では,ディスクグループを最小単位としてバックアップおよびリストアを実行します。
ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例を次の図に示します。
図2-31 ディスクセットの構成例,およびディスクグループとディスクセットの関係の例
なお,このマニュアルでは特に区別する必要がない場合,これらを総称して「ディスクグループ」と表記しています。
Windowsの場合,ベーシックディスクとディスクグループを同時にバックアップすることもできます。
Windowsでダイナミックディスクを使用する場合,Protection Managerは次のどちらの構成もサポートしています。
- 一つのディスクグループを一つの論理ボリュームとする構成
- 一つのディスクグループを複数の論理ボリュームに分割した構成
Windowsでベーシックディスクを使用する場合,Protection Managerは一つの物理ディスクを一つの論理ボリューム(パーティション)とする構成だけをサポートしています。
- 注意事項
- Windows Server 2003またはWindows Server 2008の場合,Protection Managerを使用する前に,データベースサーバおよびバックアップサーバで「新しいボリュームの自動マウント」が無効になっている必要があります。
- 次の手順で現在の状態を確認し,「新しいボリュームの自動マウント」が有効になっていた場合は無効にしてください。
- コマンドプロンプトでdiskpartコマンドを起動します。
- automountと入力して,現在の状態を表示します。
- 「新しいボリュームの自動マウントが有効です。」と表示された場合,automount disableと入力して「新しいボリュームの自動マウント」を無効にします。
- exitと入力してdiskpartコマンドを終了します。
- この節の構成
- 2.16.1 Protection Managerが適用できるディスクグループ構成例
- 2.16.2 ボリューム構成の注意事項
- 2.16.3 ボリューム構成を変更した場合の注意事項
- 2.16.4 Windowsでディスクグループを構成する場合の条件と注意事項
- 2.16.5 Windowsのディスクのパーティションスタイルについての注意事項
- 2.16.6 Solarisのボリュームマネージャーについての前提条件と注意事項