トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド

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9.12.5 Cosminexus TPBrokerの動作の変更

Cosminexus TPBrokerの動作に変更があります。

<この項の構成>
(1) Cosminexus TPBroker 05-15以前での動作の変更点
(2) Cosminexus TPBroker 05-15での動作の変更点
(3) Cosminexus TPBroker 05-15-/Aでの動作の変更点(32ビット用Windows)
(4) Cosminexus TPBroker 05-16での動作の変更点
(5) Cosminexus TPBroker 05-17での動作の変更点

(1) Cosminexus TPBroker 05-15以前での動作の変更点

リクエストのタイムアウト時の動作
リクエストがタイムアウトしたときに,コネクションをクローズするように動作が変更になりました。コネクションをクローズするため,タイムアウトが発生したときに同じ宛先のサーバと通信中のほかのスレッドには,通信障害が発生します。
タイムアウトが発生したときにコネクションをクローズしないようにするためには,次の表に示すプロパティに"true"を設定する必要があります。

表9-11 リクエストのタイムアウト時の動作の変更

プロパティ デフォルト 説明
vbroker.ce.iiop.ccm.htc.readerPerConnection false "true"を設定すると,Messaging::RelativeRoundtripTimeoutPolicyで指定したタイムアウト値に達したときに,コネクションをクローズしません。
詳細は次を参照してください。
3.4.4 コネクションのクローズの抑止
vbroker.ce.iiop.ccm.htc.threadStarter false Webアプリケーション(サーブレットエンジンモードのWebコンテナサーバ)やWebアプリケーション/EJB(J2EEサーバ)で"vbroker.ce.iiop.ccm.htc.readerPerConnection=true"を設定する場合,このプロパティに"true"を指定します。
詳細は次を参照してください。
3.4.5 専用スレッドによる応答電文受信の設定

この変更点は,Cosminexus TPBroker 05-12(32ビット用Windows,Linux),Cosminexus TPBroker 05-12-/A(AIX,HP-UX,またはLinux(IPF)),またはCosminexus TPBroker 05-15(64ビット用Windows,HP-UX(IPF),またはSolaris)の場合に該当します。

(2) Cosminexus TPBroker 05-15での動作の変更点

(a) プロパティvbroker.orb.htc.mtr.traceの設定

プロパティvbroker.orb.htc.mtr.traceの設定は,EJBクライアントアプリケーションの場合はJavaVMの起動オプションに,WebコンテナサーバまたはJ2EEサーバの場合は,usrconf.cfgファイルに行うようになりました。

そのため,usrconf.propertiesなどの上記以外の方法で設定しているときには,設定方法を変更する必要があります。

この変更点は,32ビット用Windows,64ビット用Windows,AIX,HP-UX,HP-UX(IPF),Linux,Linux(IPF),またはSolarisの場合に該当します。

(b) トラブルシュートファイルの出力ディレクトリがない場合の動作

Java ORBでは,トラブルシュートファイル出力時に出力ディレクトリがない場合,ファイル作成,読み込み,および書き込み権限のあるディレクトリを自動的に作成するようになりました。

作成するディレクトリは,環境変数HVI_TRACEPATHが設定されているときには,その指定ディレクトリ,設定されていないときには${VBROKER_ADM}/../logjディレクトリになります。また,通信トレース,およびモジュールトレースを取得するときも同様に,トレースファイルの出力ディレクトリ下に,comtrcディレクトリ,およびmdltrcディレクトリを作成します。

ただし,作成するディレクトリの親ディレクトリがない,または権限が制限されている,などの場合には作成できません。

この変更点は,AIX,HP-UX,HP-UX(IPF),Linux,Linux(IPF),またはSolarisの場合に該当します。

(c) トレースファイルの長さが上限値を超えたときの動作

Java ORBでは,モジュールトレースファイル,および通信トレースファイルを取得する場合,ファイル名を含む絶対パスの長さがシステムの上限値を超えたときに,ファイル名を変更して出力しようとします。ただし,ファイル名を変更したあともシステムの上限値を超えていると,トレースファイルの出力ができません。

ファイル名を含む絶対パスの長さがシステムの上限を超えないように,トレースファイルの出力先を決定することをお勧めします。

この変更点は,32ビット用Windows,64ビット用Windows,AIX,HP-UX,HP-UX(IPF),Linux,Linux(IPF),またはSolarisの場合に該当します。

(3) Cosminexus TPBroker 05-15-/Aでの動作の変更点(32ビット用Windows)

メッセージ(KFCB92006-W)の出力
osagentが出力していたKFCB92006-Wのメッセージが,デフォルトでは出力されないように変更になりました。このメッセージを出力させる場合は,環境変数HVI_MSGLOG_NO_PERMISSIONまたはプロパティvbroker.orb.htc.msgLog.noPermissionで設定する必要があります。詳細は,「2.8.4(5) HVI_MSGLOG_NO_PERMISSION(osagentだけ)」を参照してください。
この変更点は,32ビット用Windowsの場合に該当します。

(4) Cosminexus TPBroker 05-16での動作の変更点

vbjコマンドの動作
vbjコマンドを実行したとき,クラスに渡す引数に'*'(アスタリスクをシングルクォーテーションで囲ったもの)を指定した場合,クラスのmain()関数に*(アスタリスク)だけが渡されるようになりました。
この変更点は,32ビット用Windows,または64ビット用Windowsの場合に該当します。

(5) Cosminexus TPBroker 05-17での動作の変更点

RelativeRoundtripTimeoutの動作
RelativeRoundtripTimeoutはサーバへのリクエスト送信時にタイムアウトを検出していませんでしたが,リクエスト送信時でも検出するように変更しました。
なお,RelativeRequestTimeoutPolicyとRelativeRoundtripTimeoutPolicyの両方を設定した場合,RelativeRequestTimeoutPolicyに設定した値が送信タイムアウト値として有効になります。RelativeRoundtripTimeoutPolicyに設定する値は,RelativeRequestTimeoutPolicyよりも大きな値を設定してください。
この変更点は,32ビット用Windows,64ビット用Windows,AIX,HP-UX,HP-UX(IPF),Linux,Linux(IPF),またはSolarisの場合に該当します。