トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド
(1) IP交換によるIPアドレス・テークオーバーの場合
IP交換によるIPアドレス・テークオーバーの場合の設定について説明します。
- IPアドレスの設定(HACMP)
- HACMPを起動するホスト上でosagentを起動する場合,HACMP上ですべての系に次の定義ファイルを設定します。
- localaddrファイル
HACMP上でosagentを使用する場合,すべての系にlocaladdrファイルを作成し,その系でosagentの起動時に有効なすべてのIPアドレスを指定してください。
osagentがノード引き継ぎ対象ではなく,有効なIPアドレスをすべて設定できない場合は,自分自身をほかのホストで起動したosagentと認識し,通信量が増加してしまうことがあります。
- htc.clienthandleraddrファイル
HACMP上でosagentが起動する場合,すべての系にhtc.clienthandleraddrファイルを作成し,すべてのホストに対して,サービスIPアドレスを応答するように設定してください。
- osagentへの設定(HACMP)
- 異なるネットワークドメインのosagent間の通信で,一方のosagentをノード引き継ぎの対象とする場合,ノード引き継ぎ対象のosagentと通信をするosagentの定義ファイル(agentaddrファイル)に,サービスIPアドレスを設定します。
- osagentに接続するプロセスへの設定(HACMP)
- osagentとosagentに接続するプロセスを異なるネットワークドメインで起動し,osagentをノード引き継ぎの対象とする場合,次に示す定義ファイル,およびオプションのどれかにサービスIPアドレスを設定してください。
- agentaddrファイル
- 環境変数OSAGENT_ADDR
- プロパティvbroker.agent.addr
HACMP上でosagentを起動する場合,次に示す環境変数の設定がosagentに必要です。
環境変数名:OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT
環境変数の設定方法については,マニュアル「Borland Enterprise Server VisiBroker デベロッパーズガイド」を参照してください。
ネーミングサービスを含むCORBAアプリケーションをノード引き継ぎの対象とする場合,次の設定をします。
- プロパティvbroker.se.<xxx>.host
サービスIPアドレス,またはホスト名を設定します。
- プロパティvbroker.se.<xxx>.scm.<yyy>.listener.port
任意のポート番号を設定します。
使用するポート番号は,すべての系で同じポート番号が使用できるように管理する必要があります。
プロパティ名で,xxxはサーバエンジン,yyyはサーバコネクションマネージャを示します。
IP交換によるIPアドレス・テークオーバーの場合の,ORB機能の使用時の設定例について説明します。
- システム構成の例
- ORB機能使用時のシステム構成の例を次の図に示します。
図6-3 IP交換によるIPアドレス・テークオーバーの場合のシステム構成例
- IPアドレスの設定例
- 上記の図で示すシステム構成例でのIPアドレスの設定例を次の図に示します。
図6-4 IP交換によるIPアドレス・テークオーバーの場合のIPアドレス設定例
- ホストごとに設定値について説明します。
- ホストAの設定
- localaddrファイルに,osagent起動時に有効なサービスIPアドレス"C.C.C.C"とスタンバイIPアドレス"D.D.D.D"を記述します。また,そのほかに有効なIPアドレスがある場合は記述します。
- htc.clienthandleraddrファイルに,ホストCに対する応答IPアドレスにサービスIPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- サーバプロセスにプロパティvbroker.se.<xxx>.hostでサービスIPアドレス"C.C.C.C"を,プロパティvbroker.se.<xxx>.scm.<yyy>.listener.portに"8000"を設定します。
次のコマンドを実行します。
vbj Server - vbroker.se.<xxx>.host.C.C.C.C \ -vbroker.xe.<xxx>.scm.<yyy>.listener.port 8000
プロパティ名で,xxxはサーバエンジン,yyyはサーバコネクションマネージャを示します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
- 環境変数OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORTに"16666"を設定します。
- ホストBの設定
- localaddrファイルに,osagent起動時に有効なサービスIPアドレス"C.C.C.C"とブートIPアドレス"B.B.B.B"を記述します。また,そのほかに有効なIPアドレスがある場合は記述します。
- htc.clienthandleraddrファイルに,ホストCに対する応答IPアドレスにサービスIPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
- 環境変数OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORTに"16666"を設定します。
- ホストCの設定
- agentaddrファイルに,サービスIPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
(2) IPエイリアスによるIPアドレス・テークオーバーの場合
IPエイリアスによるIPアドレス・テークオーバーの場合の設定について説明します。
- IPアドレスの設定(HACMP)
- HACMPを起動するホスト上でosagentを起動する場合,HACMP上ですべての系に次の定義ファイルを設定します。
- localaddrファイル
HACMP上でosagentを使用する場合,すべての系にlocaladdrファイルを作成し,その系でosagentの起動時に有効なすべてのIPアドレスを指定してください。
- htc.clienthandleraddrファイル
HACMP上でosagentが起動する場合,すべての系にhtc.clienthandleraddrファイルを作成し,すべてのホストに対して,エイリアスIPアドレスを応答するように設定してください。
- osagentへの設定(HACMP)
- 異なるネットワークドメインのosagent間の通信で,一方のosagentをノード引き継ぎの対象とする場合,ノード引き継ぎ対象のosagentと通信をするosagentの定義ファイル(agentaddrファイル)に,エイリアスIPアドレスを設定します。
- osagentに接続するプロセスへの設定(HACMP)
- osagentとosagentに接続するプロセスを異なるネットワークドメインで起動し,osagentをノード引き継ぎの対象とする場合,次に示す定義ファイル,およびオプションのどれかにエイリアスIPアドレスを設定してください。
- agentaddrファイル
- 環境変数OSAGENT_ADDR
- プロパティvbroker.agent.addr
HACMP上でosagentを起動する場合,次に示す環境変数の設定がosagentに必要です。
環境変数名:OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT
環境変数の設定方法については,マニュアル「Borland Enterprise Server VisiBroker デベロッパーズガイド」を参照してください。
ネーミングサービスを含むCORBAアプリケーションをノード引き継ぎの対象とする場合,次の設定をします。
- プロパティvbroker.se.<xxx>.host
サービスIPアドレス,またはホスト名を設定します。
- プロパティvbroker.se.<xxx>.scm.<yyy>.listener.port
任意のポート番号を設定します。
使用するポート番号は,すべての系で同じポート番号が使用できるように管理する必要があります。
プロパティ名で,xxxはサーバエンジン,yyyはサーバコネクションマネージャを示します。
IPエイリアスによるIPアドレス・テークオーバーの場合の,ORB機能の使用時の設定例について説明します。
- システム構成の例
- ORB機能使用時のシステム構成の例を次の図に示します。
図6-5 IPエイリアスによるIPアドレス・テークオーバーの場合のシステム構成例
- IPアドレスの設定例
- 上記の図で示すシステム構成例でのIPアドレスの設定例を次の図に示します。
図6-6 IPエイリアスによるIPアドレス・テークオーバーの場合のIPアドレス設定例
- ホストごとに設定値について説明します。
- ホストAの設定
- localaddrファイルに,HACMP起動時に有効なエイリアスIPアドレス"C.C.C.C",スタンバイIPアドレス"D.D.D.D",およびブートIPアドレス"A.A.A.A"を記述します。そのほかに有効なIPアドレスがある場合は記述します。
- htc.clienthandleraddrファイルに,現用系に対する応答IPアドレスにエイリアスIPアドレス"C.C.C.C",ホストCに対する応答IPアドレスにエイリアスIPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- サーバプロセスにプロパティvbroker.se.<xxx>.hostでエイリアスIPアドレス"C.C.C.C"を,vbroker.se.<xxx>.scm.<yyy>.listener.portに"8000"を設定します。
次のコマンドを実行します。
vbj Server - vbroker.se.<xxx>.host.C.C.C.C \ -vbroker.xe.<xxx>.scm.<yyy>.listener.port 8000
プロパティ名で,xxxはサーバエンジン,yyyはサーバコネクションマネージャを示します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
- 環境変数OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORTに"16666"を設定します。
- ホストBの設定
- localaddrファイルに,osagent起動時に有効なエイリアスIPアドレス"C.C.C.C"とブートIPアドレス"B.B.B.B"を記述します。そのほかに有効なIPアドレスがある場合は記述します。
- htc.clienthandleraddrファイルに,ホストCに対する応答IPアドレスにエイリアスIPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
- 環境変数OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORTに"16666"を設定します。
- ホストCの設定
- agentaddrファイルに,エイリアスIPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
(3) 永続IPアドレスの場合
永続IPアドレスの場合の設定について説明します。
- IPアドレスの設定(HACMP)
- HACMPを起動するホスト上でosagentを起動する場合,HACMP上ですべての系に次の定義ファイルを設定します。IPアドレスの設定は,osagentの起動タイミングによって異なります。設定例は,「(c) ORB機能使用時の設定例(永続IPアドレス)」を参照してください。
- localaddrファイル
HACMP上でosagentを使用する場合,すべての系にlocaladdrファイルを作成し,その系でosagentの起動時に有効なすべてのIPアドレスを指定してください。
osagentがノード引き継ぎ対象ではなく,有効なIPアドレスをすべて設定できない場合は,自分自身をほかのホストで起動したosagentと認識し,通信量が増加してしまうことがあります。
- htc.clienthandleraddrファイル
HACMP上でosagentが起動する場合,すべての系にhtc.clienthandleraddrファイルを作成し,すべてのホストに対して,永続IPアドレスを応答するように設定してください。
- osagentへの設定(HACMP)
- 異なるネットワークドメインのosagent間の通信で,一方のosagentをノード引き継ぎの対象とする場合,ノード引き継ぎ対象のosagentと通信をするosagentの定義ファイル(agentaddrファイル)に,永続IPアドレスを設定します。
- osagentに接続するプロセスへの設定(HACMP)
- osagentとosagentに接続するプロセスを異なるネットワークドメインで起動し,osagentをノード引き継ぎの対象とする場合,次に示す定義ファイル,およびオプションのどれかに永続IPアドレスを設定してください。
- agentaddrファイル
- 環境変数OSAGENT_ADDR
- プロパティvbroker.agent.addr
ネーミングサービスを含むCORBAアプリケーションをノード引き継ぎの対象とする場合,次の設定をします。
- プロパティvbroker.se.<xxx>.host
永続IPアドレス,またはホスト名を設定します。
- プロパティvbroker.se.<xxx>.scm.<yyy>.listener.port
任意のポート番号を設定します。
使用するポート番号は,すべての系で同じポート番号が使用できるように管理する必要があります。
プロパティ名で,xxxはサーバエンジン,yyyはサーバコネクションマネージャを示します。
永続IPアドレスの場合の,ORB機能の使用時の設定例について説明します。
- システム構成の例
- ORB機能使用時のシステム構成の例を次の図に示します。
図6-7 永続IPアドレスの場合のシステム構成例
- IPアドレスの設定例
- 上記の図で示すシステム構成例でのIPアドレスの設定例を次の図に示します。
- HACMP起動前にosagentを起動させる場合
- HACMP起動前にosagentを起動させる場合の設定例です。
図6-8 永続IPアドレスの場合のIPアドレス設定例(HACMP起動前にosagentを起動させる場合)
- HACMP起動後にosagentを起動させる場合
- HACMP起動後にosagentを起動させる場合の設定例です。
図6-9 永続IPアドレスの場合のIPアドレス設定例(HACMP起動後にosagentを起動させる場合)
- ホストAの設定
- localaddrファイルの設定
1. HACMP起動前にosagentを起動させる場合
osagent起動時に有効な永続IPアドレス"C.C.C.C",ブートIPアドレス"A.A.A.A",およびスタンバイIPアドレス"D.D.D.D"を記述します。そのほかに有効なIPアドレスがある場合は記述します。
2. HACMP起動後にosagentを起動させる場合
osagent起動時に有効な永続IPアドレス"C.C.C.C",サービスIPアドレス"B.B.B.B",およびスタンバイIPアドレス"D.D.D.D"を記述します。そのほかに有効なIPアドレスがある場合は記述します。
- htc.clienthandleraddrファイルに,現用系に対する応答IPアドレスに永続IPアドレス"C.C.C.C",ホストBに対する応答IPアドレスに永続IPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- サーバプロセスにプロパティvbroker.se.<xxx>.hostで永続IPアドレス"C.C.C.C"を,プロパティvbroker.se.<xxx>.scm.<yyy>.listener.portに"8000"を設定します。
次のコマンドを実行します。
vbj Server - vbroker.se.<xxx>.host.C.C.C.C \ -vbroker.xe.<xxx>.scm.<yyy>.listener.port 8000
プロパティ名で,xxxはサーバエンジン,yyyはサーバコネクションマネージャを示します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
- ホストBの設定
- agentaddrファイルに永続IPアドレス"C.C.C.C"を記述します。
- 環境変数OSAGENT_PORTに"14000"を設定します。
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