付録H 用語解説
CSCIWのマニュアルで使用する用語とその解説を次に示します。
(英字)
- CSCIW-Definer
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ビジネスプロセスを定義,管理および運用するビジネスプロセス管理ツールのことです。CSCIW-Definer用のプラグインをEclipseに組み込むことでビジネスプロセス管理ツールとして使用できます。
- CSCIWManagementServer
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CSCIWの運用を支援する機能の一つです。
CSCIW-Definerでは,ビジネスプロセスの登録,取得,属性変更,および削除をするときに接続します。また,CSCIWに対して実行した操作を監査ログとして出力します。
- Eclipse
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Eclipse Foundationが提供するオープンソースの統合開発環境です。Eclipseは,CSCIW-Definerの前提プログラムです。CSCIW-Definer用のプラグインをEclipseに組み込むことでビジネスプロセス管理ツールとして使用できます。
(ア行)
- アドホックAPI
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フロー遷移定義の存在しない遷移や,フロー遷移定義と関係ない業務ステップの生成を実行するAPIです。アドホックAPIを使用する設定のビジネスプロセス定義だけで使用できます。
- アロー
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業務ステップおよびノード間の処理の流れを規定するためのものです。アローは,遷移元や遷移先となる業務ステップの情報を持ちます。
- 案件
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ビジネスプロセスの開始から終了までを一つの単位とする,業務の実例(ビジネスプロセスインスタンス)のことです。
- 案件ID
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同一ビジネスプロセスの案件を識別するための識別子です。ワーク管理およびCSCIWが付与します。
- 案件運用操作
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CSCIWが提供する機能の一つです。
案件の運用状況を監視したり,必要に応じて案件,業務ステップ,および作業の状態を操作したりするJ2EEアプリケーションです。
- 案件開始
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案件の開始処理のことです。
- 案件名
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同一ビジネスプロセスの案件を識別するための識別子です。ユーザが設定できます。案件キーともいいます。
- 一時停止
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案件単位または業務ステップ単位で,作業の状態を一時的に停止することです。
(カ行)
- 開始日時
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開始日時は,案件,業務ステップ,および作業の属性です。案件,業務ステップ,および作業が,「running(実行中)」状態へ遷移したときの日時を指します(作業の場合,「running(実行中)」状態に含まれる「performing(作業者実行)」状態,または「executing(自動実行)」状態に遷移したときの日時を指します)。
CSCIWのAPIを利用することで「running(実行中)」状態へ遷移できます。
- 環境設定ファイル
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CSCIW-Definerを動作させるために必要な情報を設定するためのプロパティ形式のファイルのことです。CSCIW-Definerの環境設定ファイルは次の2種類です。
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ビジネスプロセス管理プロパティファイル
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クラス名設定プロパティファイル
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- 完了条件
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作業または業務ステップを「完了」状態にする条件です。作業または業務ステップの評価時(作業の発生時を含む)にこの条件を満足していた場合,作業または業務ステップを「完了」状態にします。
- キャンセル
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案件の実行を取り消すことです。
- 業務ステップ
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ビジネスプロセス定義の構成要素の一つです。業務ステップは,業務の状態を表し,ある状態での作業の集合として定義されます。
- 業務データ
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業務ステップの完了条件や制御ノードの分岐条件として参照されるデータです。業務データは,ワーク管理データベースの外部の業務データベースで管理,運用する必要があります。
- 業務データベース
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業務データが格納されているデータベースのことです。
- 業務プログラム
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CSCIWで作業を実行するために利用するプログラムのことです。CSCIWは,業務プログラムを作成するのに有効なツールとしてのAPIを提供しています。
- 組み込み作業
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CSCIWの基本的な機能を組み合わせることで実現するような複雑な処理を一つの作業としてまとめたものです。CSCIWの組み込み作業には並列作業があります。
- コマンド
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CSCIWが提供する機能の一つです。
CSCIWの環境構築や運用をするための機能で,シェルやコマンドプロンプトから実行します。
(サ行)
- 作業
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ビジネスプロセス定義の構成要素の一つです。作業は,ある業務ステップで実行する具体的な処理です。作業では,処理を実行する作業者の情報を振り分けルール名として持ちます。
- 作業一覧
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作業の内容を一覧で表示したものです。
- 作業者
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作業の処理を担当するユーザまたはユーザグループのことです。作業者は,ワーク管理データベースの外部の業務データベースで管理,運用する必要があります。
- 作業者データ
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作業を処理するユーザに関するデータのことです。
- 作業者データベース
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作業者に関する情報を格納したデータベースのことです。
- 差し戻し
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遷移元の実行中の業務ステップを強制終了して,すでに終了している遷移先の業務ステップを追加生成して実行中状態にすることです。差し戻し処理では,遷移元(差し戻し元)となる現在実行中の業務ステップが,動作を要求します。ユーザまたは業務プログラムは,すでに完了した業務ステップを検索して遷移先(差し戻し先)を決定します。
- システム共通環境情報
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同一のシステムIDによってCSCIWを運用するシステムに共通に適用する情報です。マルチマシンを構成する複数の異なるマシンにも共通して適用されます。複数の異なるマシンに共通して適用するために,情報はワーク管理データベースに格納しています。
- 事前生成
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業務ステップの生成方法の一つです。ビジネスプロセス定義で事前生成することを指定した業務ステップは,案件の開始要求を受け付けたときに生成されます。
- 終了日時
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終了日時は,案件,業務ステップ,および作業の属性です。案件,業務ステップ,および作業が,「closed(終了)」状態へ遷移したときの日時を指します。CSCIWのAPIを利用することで「closed(終了)」状態へ遷移できます。
- 処理期限
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案件に対して処理期限を日数単位で指定できます。
- シンクノード
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案件の終了を意味します。推進された案件は,シンクノードに状態が遷移することで完了します。
- 制御ノード
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ビジネスプロセス定義の構成要素の一つです。制御ノードは,案件の遷移を制御するノードです。制御ノードには,分岐ノード,分業ノード,先着ノード,および待合ノードがあります。
- 先着ノード
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前の業務ステップとして複数の業務ステップが存在しており,どれか最初の業務ステップからの遷移時に次の業務ステップに遷移します。
- ソースノード
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案件の開始を意味します。案件が開始されると,ソースノードから次の業務ステップまたは制御ノードに状態が遷移します。
(ハ行)
- 発生条件
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作業を生成する条件です。業務ステップの評価時にこの条件を満足していた場合,作業を生成します。
- 発生日時
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発生日時は作業の属性です。作業が,「ready(実行開始可能)」状態へ遷移したときの日時を指します。通常,作業の「ready(実行開始可能)」状態への遷移は,案件投入時,または前の業務ステップの完了時に自動的に実行されます。
- 引き戻し
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遷移元の実行中の業務ステップを強制終了して,すでに終了している遷移先の業務ステップを追加生成して実行中状態にすることです。引き戻し処理では,遷移先(引き戻し先)となる,すでに完了した業務ステップが動作を要求します。ユーザまたは業務プログラムは,現在実行中の業務ステップを検索して遷移元(引き戻し元)を決定します。
- ビジネスプロセス
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業務を実行するための作業の流れです。
- ビジネスプロセス管理
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業務の流れをワーク管理システムで使用できるように,ビジネスプロセスを定義したり,それらの運用状態を管理したりすることです。CSCIWでは,ビジネスプロセス管理にCSCIW-Definerを使用します。
- ビジネスプロセス管理ツール
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業務の流れをワーク管理システムで使用できるように,ビジネスプロセスを定義したり,それらの運用状態を操作したりするツールです。
- ビジネスプロセス定義
-
業務の流れ(ビジネスプロセス)をCSCIW-Definerで定義したものです。
- 振り分けルール定義
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作業の作業者を決定するためのルールです。ビジネスプロセス定義で各作業に指定した振り分けルール定義を適用することで,作業者を決定します。
- 分岐ノード
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制御ノードの一つです。次の業務ステップとしてあらかじめ定義された複数の業務ステップから,条件に従って一つの業務ステップを選択し開始します。
- 分業ノード
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制御ノードの一つです。次の業務ステップとして,あらかじめ定義された複数の業務ステップをすべて開始します。
- 並列作業
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組み込み作業の一つで,並列作業をビジネスプロセスに定義しておくことで,案件の実行時に複数の作業が自動的に生成されます。生成される作業数は,案件の実行時に決まります。