1.1 ビジネスプロセス管理とは
企業内の業務をワーク管理システム(CSCIW)で運用する場合,業務の流れをビジネスプロセスとして定義する必要があります。
例えば,企業内の業務には,担当者が見積書を作成し,決められたルートで主任や課長に回覧して,見積書を承認したり却下したりするなどの業務の流れがあります。このような企業内の業務をワーク管理システムで運用する場合,見積書の回覧のような業務の流れをビジネスプロセスとして切り出します。見積書の作成や承認などを「作業」として,主任や課長などを作業の「担当者」として,ビジネスプロセスの中に定義します。
ビジネスプロセス管理とは,業務の流れをワーク管理システムで使用できるようにビジネスプロセスとして定義したり,それらの運用属性を操作したりと,ビジネスプロセスの定義,運用および管理をすることです。
ビジネスプロセス管理でビジネスプロセスを定義する場合,事前に,業務の運用計画の立案,業務システムの設計などの作業をして,定義するビジネスプロセスの内容を確定しておくことが必要です。
ワーク管理システムで運用するビジネスプロセスとして,次の2つを定義します。
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ビジネスプロセス定義
業務の流れを定義したものです。
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振り分けルール定義
ビジネスプロセスの各作業の作業者を決定するためのルールを定義したものです。
ビジネスプロセス定義と振り分けルール定義は,どちらかを完成させてから,もう一方を定義しなければならないということはありません。
必要に応じて交互に定義して,最終的にビジネスプロセスを完成させます。
ビジネスプロセス管理と2種類の定義に関する作業の関係を次の図に示します。