2.14 ciwtransbpmn(BPMNビジネスプロセス定義ファイルのCSCIWのビジネスプロセス定義ファイルへの変換)
ciwtransbpmnコマンドの詳細について説明します。ciwtransbpmnコマンドは,BPMNビジネスプロセス定義ファイル(.bpmn)を,CSCIWで使用できるビジネスプロセス定義ファイル(.hbx)の形式に変換します。
形式
-
形式1(BPMNビジネスプロセス定義ファイルのファイル指定)
ciwtransbpmn -src <bpmn_definition_file_name> [-bpv <process_definition_version>] [-destdir <output_directory_name>] [-mimax <generating_max_count>]
-
形式2(BPMNビジネスプロセス定義ファイルのディレクトリ指定)
ciwtransbpmn -srcdir <directory_name> [-destdir <output_directory_name>] [-mimax <generating_max_count>]
-
形式3(差分変更用のCSCIWビジネスプロセス定義ファイル指定)
ciwtransbpmn -update <bpmn_definition_file_name> -bpf <business_process_file_name> [-destdir <output_directory_name>] [-mimax <generating_max_count>]
-
形式4(オプションファイルを指定して実行する場合)
ciwtransbpmn -file <option_file_name> [-encoding <character_set>]
-
形式5(コマンドの形式を表示する場合)
ciwtransbpmn -h
機能
BPMN2.0に準拠したBPMNビジネスプロセス定義ファイル(.bpmn)から,次のファイルを生成します。
-
ビジネスプロセス定義ファイル(.hbx)
-
BPMNビジネスプロセス定義ファイル(.bpmn)
変換元のBPMNビジネスプロセス定義ファイルの指定方法には,ファイル指定とディレクトリ指定があります。ディレクトリ指定では,一度のコマンド実行で,複数の入力ファイルを変換できます。
コマンドを実行すると,-destdirオプションで指定したディレクトリの配下に次のデータが生成されます。
名称 |
タイプ |
出力数 |
備考 |
|
---|---|---|---|---|
<BPMNファイル名> |
ディレクトリ |
1つ以上 |
|
|
|
<ビジネスプロセス名>#<ビジネスプロセス定義バージョン>.hbx |
ビジネスプロセス定義ファイル |
1つ以上 |
|
<ビジネスプロセス名>#<ビジネスプロセス定義バージョン>.bpmn |
BPMNビジネスプロセス定義ファイル |
1つ以上 |
|
実行権限
このコマンドは,管理者特権を使用しなくても実行できます。
ただし,uCosminexus Business Process Developerのインストール先を,管理者だけに更新権限が与えられているディレクトリ(「C:\Program Files」など)にしている場合は,管理者特権で実行してください。管理者特権で実行しないと,メッセージおよびトレースファイルの出力先をデフォルトにしている場合に,メッセージおよびトレースファイルが出力されません。
実行条件
このコマンドを実行できるコンポーネントの稼働状態を次に示します。なお,このコマンドを,同一マシンで複数同時に実行しないでください。
コンポーネント |
稼働状態 |
|
---|---|---|
起動中 |
停止中 |
|
CSCIWManagementServer |
○ |
○ |
案件運用操作 |
○ |
○ |
CSCIWライブラリを使用した業務アプリケーション(J2EEアプリケーション) |
○ |
○ |
CSCIWライブラリを使用した業務アプリケーション(Javaアプリケーション) |
○ |
○ |
アプリケーション呼び出しサービス |
○ |
○ |
RESTサービス |
○ |
○ |
運用管理RESTサービス |
○ |
○ |
同一マシンでの他のコマンド |
○ |
○ |
異なるマシンでの同一コマンド |
○ |
○ |
異なるマシンでの他のコマンド |
○ |
○ |
DBMS |
○ |
○ |
- (凡例)
-
○:コマンドを実行できます。
引数
- -src <bpmn_definition_file_name>
-
変換対象のBPMNビジネスプロセス定義ファイル(.bpmn)を指定します。
- -srcdir <directory_name>
-
変換対象のBPMNビジネスプロセス定義ファイル(.bpmn)が格納されているディレクトリを指定します。
このオプションを指定すると,指定したディレクトリの直下にあるすべてのBPMNビジネスプロセス定義ファイルが変換されます。各ファイルの処理中にエラーが発生した場合,コマンドは終了せずに,エラーが発生したファイルの処理だけがスキップされます。
- -bpv <process_definition_version>
-
生成するビジネスプロセス定義バージョンを指定します。
指定できる値は0001~9999です。先頭の連続する0は省略できます。
このオプションを省略した場合,0001が指定されたと見なされます。
- -destdir <destination_directory_name>
-
変換結果の出力ルートディレクトリを指定します。指定したディレクトリが存在しない場合は,ディレクトリが作成されます。
このオプションを省略した場合,変換結果は次のディレクトリに出力されます。
<コマンド実行時のカレントディレクトリ>/ciwtransbpmn
- -mimax <generating_max_count>
-
サブプロセス(マルチインスタンス)に対応する階層定義の生成数を設定します。サブプロセス(マルチインスタンス)は,次の2つの要素を含みます。
-
サブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス)
-
サブプロセス(パラレルマルチインスタンス)
オプション指定値は,サブプロセス(マルチインスタンス)に指定された繰り返し回数(loopCardinality)のXPath評価値以上を指定する必要があります。実際の繰り返し回数は,実行環境でのビジネスプロセス動作時点で決まります。実際の繰り返し回数がコマンド実行時のオプション指定値を上回った場合は,実行環境でエラーになります。なお,サブプロセス(マルチインスタンス)の定義で,繰り返し回数に1以上の整数値が指定されている場合は,オプション指定値は無視されます。
指定できる値は1~999の整数です。オプションが省略された場合のデフォルト値は10です。
-
- -update <bpmn_definition_file_name>
-
登録済みのビジネスプロセスを一部変更する場合に,該当するビジネスプロセスが含まれる,変換対象のBPMNビジネスプロセス定義ファイル(.bpmn)を指定します。
- -bpf <business_process_file_name>
-
登録済みのビジネスプロセスを一部変更する場合に,該当するビジネスプロセスが含まれる,登録済みのビジネスプロセス定義ファイル(.hbx)を指定します。ciwmngbpコマンドで取得したビジネスプロセス定義ファイルを指定してください。-updateオプションで指定したBPMNビジネスプロセス定義ファイル中に対応するプロセス定義が存在しない場合は,エラーとなります。
- -file <option_file_name>
-
このオプションはすべてのコマンドで指定できます。詳細は,「1.5.1 -fileオプション」を参照してください。
- -encoding <character_set>
-
このオプションはすべてのコマンドで指定できます。詳細は,「1.5.1 -fileオプション」を参照してください。
- -h
-
このオプションはすべてのコマンドで指定できます。詳細は,「1.5.2 -hオプション」を参照してください。
CSCIWのチェック処理と設定
変換処理の実行時に,CSCIWのビジネスプロセスを検証します。検証内容は,ビジネスプロセスの登録時と同様です。
検証結果にエラーがあった場合は,入力となったBPMNビジネスプロセス定義ファイルに対する生成物(ディレクトリおよびファイル)は出力しません。
バイト長チェックで使用する最大長および文字コードは,次に示すチェック用プロパティファイルで指定します。
<uCosminexus Business Process Developer インストールディレクトリ>\conf\ciwtransbpmn.properties
指定する値は,実行環境のデータベースのテーブルの設定に合わせる必要があります。
-
DBCharacterName:データベースの文字コード
-
それ以外:対応するカラムの最大バイト長
キー名称 |
デフォルト値 |
説明 |
テーブル名※1 |
カラム名 |
---|---|---|---|---|
process.name |
64 |
ビジネスプロセス定義名 |
PROCESS_DEFINITION |
Name |
activity.name |
64 |
業務ステップ定義名 |
ACTIVITY_DEFINITION |
Name |
activity.description |
250 |
説明(業務ステップ定義) |
ACTIVITY_DEFINITION |
Description |
work.name |
64 |
作業定義名 |
WORK_DEFINITION |
Name |
work.description |
250 |
説明(作業定義) |
WORK_DEFINITION |
Description |
control.name |
64 |
定義名(制御ノード定義) |
CONTROLNODE_DEFINITION |
Name |
condition.name |
64 |
定義名(条件定義) |
CONDITION_DEFINITION |
Name |
condition.description |
250 |
説明(条件定義) |
CONDITION_DEFINITION |
Description |
condition.java.classname |
255 |
Javaクラス名(条件定義(Java)) |
CONDITION_JAVA_DEF |
ClassName |
condition.java.exparameter |
2,000 |
補助定数パラメタ(条件定義(Java)) |
CONDITION_JAVA_DEF |
ExParameter |
creation.name |
64 |
定義名(生成ルール定義) |
CREATIONRULE_DEFINITION |
Name |
creation.description |
250 |
説明(生成ルール定義) |
CREATIONRULE_DEFINITION |
Description |
creation.java.classname |
255 |
Javaクラス名(生成ルール定義(Java)) |
CREATIONRULE_JAVA_DEF |
ClassName |
creation.java.exparameter |
2,000 |
補助定数パラメタ(生成ルール定義(Java)) |
CREATIONRULE_JAVA_DEF |
ExParameter |
application.name |
64 |
定義名(作業アプリケーション定義) |
APPLICATION_DEF |
ApplicationName |
application.param |
2,000 |
補助定数パラメタ(作業アプリケーション定義) |
APPLICATION_DEF |
ApplicationParam |
application.description |
250 |
説明(作業アプリケーション定義) |
APPLICATION_DEF |
Description |
application.java.classname |
255 |
Javaクラス名(作業アプリケーション定義(Java)) |
APPLICATION_JAVA_DEF |
ClassName |
hierarchy.name |
64 |
階層名 |
HIERARCHY_DEFNITION |
Name |
DBCharacterName |
UTF-8 |
バイト長チェック時の文字コード※2 |
- |
- |
- (凡例)
-
−:該当しません。
- 注※1
-
実際のテーブル名は,先頭に<SYSTEMID>_が付与されます。
- 注※2
-
Javaでサポートされているエンコーディングの正準名を指定します。
戻り値
戻り値 |
内容 |
---|---|
0 |
正常終了 |
1 |
致命的なエラー |
9 |
実行権限エラー |
49 |
BPMN解析での警告,およびCSCIWのビジネスプロセス検証での警告 |
51 |
パラメーター不正 |
100 |
BPMN解析エラー・ビジネスプロセス定義変換時エラー |
120 |
登録済みビジネスプロセスの変更(-updateオプション)に伴うエラー |
150 |
I/Oエラー |
200 |
-srcdirオプションで指定したディレクトリ内のどれかのファイルでエラー発生 |
240 |
CSCIWのビジネスプロセス検証でのエラー |
254 |
異常終了 |
注意事項
-
オプション引数に,文字列を指定する場合の注意事項については,「1.2 コマンドの入力形式」を参照してください。
-
入力となるBPMNビジネスプロセス定義ファイルは,BPMNエディタで正しく検証されたファイルである必要があります。また,BPMNビジネスプロセス定義ファイルがBPMN2.0仕様に従わない場合の動作は保証対象外です(すべてのケースでコマンド実行時エラーとなるとは限りません)。
-
BPMNビジネスプロセス定義ファイルの記載には制限があります。詳細は,マニュアルuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow BPMN連携機能 使用の手引の「1.3.1 BPMN連携機能で使用できるBPMN要素」および「2.3.1(1) BPMNビジネスプロセス定義ファイルの作成時の規則」を参照してください。
-
KDIW20002-Eメッセージが出力された場合,入力のBPMNビジネスプロセス定義ファイルが正しくない可能性があります。また,BPMNビジネスプロセス定義ファイルが正しくないとき,KDIW20002-Eメッセージの原因として,NullPointerExceptionが発生している可能性があります。
-
サブプロセス(シーケンシャルマルチインスタンス),またはサブプロセス(パラレルマルチインスタンス)を含むBPMNビジネスプロセス定義ファイルを入力とする場合,-mimaxオプションを指定していないと,KDIW61126-Wメッセージが出力されます(ただし,loopCardinalityが1以上の整数値のときを除きます)。また,-mimaxオプションの値を正しく設定していない場合,実行環境で実行時エラーになるおそれがあります。 なお,KDIW61126-Wメッセージが出力されていて,その他のエラーが発生していない場合,コマンドのリターンコードは49となります。
-
このコマンドのログに関する設定は,uCosminexus Business Process Developer設定ファイルの設定を使用します。詳細は,マニュアルuCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow BPMN 連携機能 使用の手引を参照してください。