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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow AP開発ガイド


付録C.1 案件の状態遷移

〈この項の構成〉

(1) 案件の状態遷移

案件の状態遷移を次の図に示します。

図C‒1 案件の状態遷移

[図データ]

(2) 案件の状態

案件の状態について次の表に示します。

表C‒1 案件の状態一覧

上段:状態

中段:列挙型定数(コード値)

下段:状態の短縮表記形式

状態の完全表記形式

説明

未実行

NOT_STARTED(h)

notStarted

open.notRunning.notStarted

案件が生成されたときの初期の状態を示します。

実行中

RUNNING(d)

running

open.running

案件が実行されている状態を示します。

「実行中」状態の場合だけ,案件に含まれる業務ステップを「実行中」状態にできます。

実行停止

INTERMITTED(m)

intermitted

open.notRunning.suspended.intermitted

案件の実行が中断された一時停止の状態を示します。

「実行停止」状態の案件に含まれる業務ステップは開始できません。

案件が「実行停止」状態になると,業務ステップは「実行開始不可」状態へ遷移します。ただし,すでに実行されている業務ステップはそのまま実行されます。このとき,業務ステップが完了しても,案件は「完了」状態には遷移しないで,「実行停止」状態のままです。

完了

COMPLETED(o)

completed

closed.completed

案件が完了した状態を示します。

「完了」状態の案件に含まれているすべての業務ステップは,「完了」状態または「強制終了」状態です。

強制終了

TERMINATED(u)

terminated

closed.terminated

案件が強制的に終了された状態を示します。

「強制終了」状態の案件に含まれているすべての業務ステップは,「完了」状態または「強制終了」状態です。

(3) 案件の遷移

案件の遷移について次の表に示します。

表C‒2 案件の遷移一覧

遷移種別

要因

および

動作

説明

生成

要因

API呼び出しによる生成要求

動作

案件を生成し,そのあと「未実行」状態へ遷移させます。

開始

(start)

要因

API呼び出しによる遷移要求

動作

「実行中」状態へ遷移し,そのあとフロー定義でソースノードから到達できる業務ステップを活性化します。この場合,対象となる業務ステップのインスタンスが存在しないときは,新規に業務ステップを生成します。

また,事前生成を指定している業務ステップも,このタイミングで生成します。

中断

(suspend)

要因

API呼び出しによる遷移要求

動作

案件を「実行停止」状態へ遷移させます。

再開

(resume)

要因

API呼び出しによる遷移要求

動作

案件を「実行中」状態へ遷移させます。

案件を「実行中」状態へ遷移させると同時に,「実行開始不可」状態のすべての業務ステップも「実行中」状態へ遷移させます。

案件完了

(process completed)

要因

フロー遷移のシンクノードへの到達

(シンクノードへの到達は,ワーク管理システムによるフロー制御で実行)

動作

案件を「完了」状態へ遷移させます。

案件を「完了」状態へ遷移させると同時に次に示す処理を行います。

  • 「初期」状態のすべての業務ステップを「実行省略」状態に遷移。

  • 「初期」状態を除く,すべての「未終了」状態の業務ステップを「強制終了」状態に遷移。

強制終了

(terminate)

要因

API呼び出しによる遷移要求

動作

案件を「強制終了」状態に遷移させます。

案件を「強制終了」状態に遷移させると同時に,「終了」状態以外のすべての業務ステップを「強制終了」状態に遷移させます。

案件の遷移時に設定する属性について次の表に示します。

表C‒3 案件の遷移時に設定する属性一覧

属性名

生成

開始

中断

再開

案件完了

強制終了

ID

Name※1

ProcessDefinitionName

ProcessDefinitionID

StateCode※2

Creator※3

StartDate※4

N

ClosedDate※4

N

Deadline※5

Priority※1

MovedDate

N

(凡例)

○:設定します。

−:設定しません。

△:条件によって設定します。

N:nullを設定します。

注※1

APIで指定された値を設定します。指定されない場合はnullを設定します。

注※2

遷移先の状態を設定します。

注※3

案件の生成または投入を行った場合のユーザ記述子を設定します。

注※4

遷移が行われた時刻を設定します。

注※5

案件の生成時はAPIで指定された値を設定します。指定されない場合はnullを設定します。

また,案件の開始(start)時は次に示す条件で設定します。

生成時に設定した値がnull以外の場合

開始(start)時は値を設定しません。生成時の値のままです。

生成時に設定した値がnullの場合
  • 処理期限ルールが定義されていない場合

    開始(start)時は値を設定しません。生成時の値のままです。

  • 処理期限ルールが定義されている場合

    処理期限ルールの評価結果を設定します。