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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイド


7.4.1 案件に対する運用

案件に対する運用の種類とCSCIWが提供する機能でできる操作を次の表に示します。

表7‒3 案件に対する運用の種類とCSCIWが提供する機能でできる操作

案件に対する運用の種類

操作

案件運用操作

API

コマンド

開始

中断

再開

強制終了

削除

優先度の設定と更新

処理期限の設定

(凡例)

○:操作できます

−:操作できません

案件に対する運用について次に説明します。

〈この項の構成〉

(1) 案件の開始

ビジネスプロセス定義のインスタンスとして「未実行」状態で生成された案件を開始します。案件を開始すると,その案件は「実行中」の状態になります。案件が「実行中」の状態に遷移すると,ソースノードから到達できる「初期」状態の業務ステップが自動的に活性化されます。ソースノードから直接到達できる「初期」状態の業務ステップがない場合は,新規に業務ステップが生成されます。

また,ビジネスプロセス定義の中で,事前生成が指定された業務ステップがある場合は,この時点でその業務ステップを生成します。

(2) 案件の中断と再開

何らかの理由で案件を一時的に停止したい場合は,案件を中断します。

案件を中断すると,その案件は「中断(実行停止)」の状態になります。案件の状態が「中断(実行停止)」の場合,その案件の業務ステップは「実行中」状態への遷移が抑止されます。また,「中断(実行停止)」状態の案件がシンクノードに到達した場合,「完了」状態への遷移が抑止されます。

案件を中断した場合の,業務ステップの状態遷移を次の表に示します。

表7‒4 案件を中断した場合の業務ステップの状態遷移

案件中断時の業務ステップの状態

業務ステップの状態遷移

未実行(初期)

状態は変わりません。ただし,案件の状態が「中断(実行停止)」のときに活性化した業務ステップは,「中断(実行開始不可)」の状態に遷移します。

実行中

状態は変わりませんが,業務ステップは続行されます。

中断(実行停止),完了,強制終了

状態は変わりません。

案件を再開すると,その案件の状態は「中断(実行停止)」から「実行中」になります。案件の中断によって,「中断(実行開始不可)」の状態に遷移した業務ステップは,「未実行(実行開始可能)」の状態になります。また,「中断(実行停止)」の状態でシンクノードに到達した案件は,「完了」状態へ遷移できるようになります。

(3) 案件の強制終了

何らかの理由で案件を強制的に終了したい場合は,案件を強制終了します。

案件を強制終了すると,その案件は「強制終了」の状態になります。また,その案件が含まれるビジネスプロセス定義内の業務ステップおよび作業のうち,終了していないものはすべて「強制終了」の状態に遷移します。

強制終了された案件は,再実行できません。

(4) 案件の削除

完了した案件(シンクノードに到達した案件),強制終了した案件のうち,不要なものがある場合は,CSCIWの管理者が削除します。

案件を削除すると,その案件が保持する業務ステップおよび作業も削除されます。

また,完了した案件および強制終了した案件の削除は,ciwdelpi(案件の削除)コマンドでも実行できます。ciwdelpi(案件の削除)コマンドについては,マニュアル「uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow コマンド」を参照してください。

(5) 案件の優先度の設定と更新

CSCIWでは,案件,業務ステップまたは作業に対して,それぞれ1つの優先度を整数値で設定できます。優先度を設定するには,CSCIWのAPIを使用します。設定した優先度は,案件,業務ステップおよび作業の属性として,検索条件に使用できます。ただし,優先度の設定によってCSCIWが案件の推進を制御することはありません。

(a) 優先度の設定

優先度を利用する場合は,案件投入時に案件の属性として優先度を設定します。案件の優先度として設定された値は,その案件内の業務ステップの優先度として設定が引き継がれます。さらに,業務ステップの優先度として設定された値は,その業務ステップ内の作業の優先度として設定が引き継がれます。

(b) 優先度の更新

対象となる案件,業務ステップまたは作業が未終了状態の場合には,CSCIWのAPIを利用して,優先度の設定を個別に更新できます。ただし,このAPIを使用して案件の優先度を更新しても,その案件内にすでに生成された業務ステップの優先度は更新されません。同様に,このAPIを使用して業務ステップの優先度を更新しても,その業務ステップ内のすでに生成された作業の優先度は更新されません。CSCIWが提供するAPIについては,マニュアル「uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow AP開発ガイド」を参照してください。

(6) 案件の処理期限の設定

CSCIWでは案件の開始時に,案件の開始日時を起算日として,ビジネスプロセス定義で指定された処理期限を絶対日時で設定します。また,APIによってユーザが設定することもできます。設定した処理期限は,案件の検索条件として使用できます。なお,処理期限は単なる属性値の一つであり,この値によって,CSCIWが案件の推進を制御することはありません。