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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow システム構築・運用ガイド


2.3.1 振り分けルール定義による作業者の特定

〈この項の構成〉

(1) 振り分けルールとは

ワーク管理システムでは,ビジネスプロセス定義時に,各作業の作業者を直接指定しません。作業者を決定するためのルールだけを指定しておき,作業の実行時にこのルールの内容を適用することで作業者を決定します。作業者を決定するためのルールを振り分けルールといいます。

振り分けルールは,ビジネスプロセスとは別にあらかじめ定義しておきます。振り分けルールを定義したものを振り分けルール定義といいます。

ビジネスプロセス定義時には,各作業の作業者情報として振り分けルール定義の名称を指定しておきます。作業の実行時には,この名称で示された振り分けルール定義が呼び出されます。呼び出された振り分けルール定義の内容に基づいて,作業者の情報が格納されているデータベース(作業者データベース)などが検索され,実際の作業者が決定します。

振り分けルール定義の概念を次の図に示します。

図2‒11 振り分けルール定義の概念

[図データ]

なお,ワーク管理システムでは,振り分けルール定義とビジネスプロセス定義とがそれぞれ独立して管理されています。そのため,1つの振り分けルール定義を複数のビジネスプロセス定義間で共通に使用できます。

(2) 作業者を決定する仕組み

振り分けルール定義を使用して作業者を決定する仕組みについて,次の図に示します。

図2‒12 作業者決定の仕組み

[図データ]

<説明>
  1. 作業1および作業3の作業者情報として「振り分けルール1」が,作業2の作業者情報として「振り分けルール2」がそれぞれ設定されています。

  2. 作業1および作業3の実行時には,設定されている作業者情報に基づいて「振り分けルール1」という名称の振り分けルール定義が呼び出されます。

    また,作業2の実行時には,設定されている作業者情報に基づいて「振り分けルール2」という名称の振り分けルール定義が呼び出されます。

  3. 呼び出された振り分けルール定義の記述内容に基づいて業務データベースや作業者データベースなどが検索され,作業を実行する作業者が決定します。

    振り分けルールの適用によって,作業1の作業者は「経理課」,作業2の作業者は「営業課の担当者A」,作業3の作業者は「経理課長」となります。