2.2.1 ビジネスプロセス定義と案件の流れ
ワーク管理システムを使用した業務システムでは,定義された流れに従って業務を進めていきます。業務の流れを定義したものをビジネスプロセス定義といいます。
ワーク管理システムを使用したビジネスプロセスの定義例を次の図に示します。
実際の業務では,ビジネスプロセス定義に従って案件を生成します。生成された案件が,実際に処理される業務の実体となります。
生成された案件には,ワーク管理システムによって識別子(案件ID)が付けられます。案件IDによって,各案件が一意に識別されます。
また,各案件には,ユーザが案件を識別するための情報として案件名を設定できます。一般的に案件名には,業務データベース内でその案件を特定するためのキーを設定します。例えば,業務データベース内の「商談番号」や「受注番号」など,案件と1対1で対応するキーを案件名にするといった運用が考えられます。
案件は,ビジネスプロセス定義に記述された手順で処理されていきます。
案件の基本的な進み方を次の図に示します。
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ユーザまたは業務プログラムで生成された案件は,ソースノードから開始されます。このとき,ソースノードとアローで結び付けられている最初の業務ステップが実行可能になります。
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業務ステップが実行されると,業務ステップ内の作業が実行可能になります。ユーザまたは業務プログラムは,定義内容に従って作業を処理します。
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作業が完了すると業務ステップが完了します。これで,次の業務ステップが実行可能になります。
定義内容に従って2.と3.の手順が繰り返され,案件の処理が進んでいきます。
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制御ノードでは,その種類や条件設定によって案件の流れが制御されます。
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シンクノードに遷移した時点で案件が終了します。
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上記に示したように,案件の処理は,業務ステップや作業の状態が変化していくことで推進されます。つまり,「案件の推進」とは,「業務ステップや作業の状態を順次,変化させていくこと」と考えることができます。