Cosminexus サービスプラットフォーム 概説

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1.1.1 SOAの目的利点

SOAには,次に示す三つの目的と利点があります。

<この項の構成>
(1) 業務の変化に対してシステムを即応
(2) 業務の効率化や最適化
(3) システムの段階的な刷新

(1) 業務の変化に対してシステムを即応

業務の変化へ即応できるシステムにするために,業務と一対一に対応する「サービス」という再利用できるソフトウェア部品を組み合わせて業務システムを構築します。従来はアプリケーション単位でシステムを構築していましたが,「サービス」という業務単位でシステム構築します。このため,業務の変化に応じて,システムの改修範囲が特定され,ビジネスニーズに応じた変更や拡張が迅速にできます。業務とサービスの対応を次の図に示します。

図1-1 業務とサービスの対応

[図データ]

(2) 業務の効率化や最適化

業務の効率化や最適化ができるシステムにするために,システムの構築・運用をするための手法・基盤であるビジネスプロセス管理(BPM:Business Process Management)を適用します。ビジネスプロセス管理の適用によって,対象となる複数のサービスを業務の流れに従って組み合わせ,ビジネスプロセスとして自動化できます。そのため,従来,人が行っていたシステム間の連携を自動化したり,迅速化したりできます。また,ビジネスプロセスの稼働状況を統一された形式で収集し,一個所で集中管理できます。業務を可視化できるため,業務の改善を継続的に支援できます。ビジネスプロセス管理と業務の効率化を次の図に示します。

図1-2 ビジネスプロセス管理と業務の効率化

[図データ]

(3) システムの段階的な刷新

サービスとBPMの導入による業務システムの最適化を,より優先度の高いところから部分的に着手していけるようにすることで,段階的にシステムを刷新していきます。全体が最適なシステムとなるよう横断的に業務を洗い出し,最終的な目標となる,全体が最適なシステム構成を設定してから計画的に刷新を図ります。既存システムを活用しながら,不足機能やシステムを追加し,老朽化した部分を作り変えていくことで,新しいシステムへの段階的な移行ができます。サービスやビジネスプロセス管理の導入を次の図に示します。

図1-3 サービスやビジネスプロセス管理の導入

[図データ]