Cosminexus リファレンス 定義編

[目次][索引][前へ][次へ]

15.3 usrconf.cfgWebコンテナサーバ用オプション定義ファイル

<この節の構成>
(1) 形式
(2) ファイルの格納先
(3) 機能
(4) 指定できるキー
(5) 記述例
(6) 注意事項

(1) 形式

J2SEのプロパティファイル形式です。

次のようにキーを指定します。

<キー名称> = <値>

指定方法
  • 改行までが値になります。
  • #で始まる行はコメントとみなされます。
  • 値が存在しない行を定義した場合,その行は無視されます。
  • 値の後ろには,空白やコメントなどの文字列は追加できません。追加した場合,不正な値と解釈されます。
    (例) <キー名称> = <値> #<コメント>
  • 実行時の文字エンコーディングと異なる文字エンコーディングでは記述できません。

(2) ファイルの格納先

(3) 機能

Webコンテナサーバを実行するJavaVMの起動オプションを指定します。

Webコンテナサーバの稼働中に,このファイルの内容を変更した場合,変更した内容は,次回Webコンテナサーバを起動したときに反映されます。

(4) 指定できるキー

指定できるキーとデフォルト値を次に示します。このキーに不正な値を指定した場合は,動作は保証されません。

ポイント
ここでは,次の内容について説明します。
  • Webコンテナサーバ用usrconf.cfgファイルで指定できるキーの概要
    指定できるキーのうち,J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルと共通のキーについては,ここでは詳細を説明しません。
    共通のキーの詳細については,「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。参照する場合には,「J2EEサーバ」,「J2EEアプリケーション」を「Webコンテナサーバ」,「Webアプリケーション」と読み替えてください。
    なお,J2EEサーバ用のキーと指定内容が異なる場合には,ここでキーの詳細について説明します。
  • J2EEサーバ用のキーとの差異(J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルのキーと指定内容が異なる場合)
    Webコンテナサーバ用のキーとJ2EEサーバ用のキーの指定内容が異なる場合には,キーの詳細について説明します。

 

表15-2 usrconf.cfgに指定できるキーとデフォルト値(Webコンテナサーバ)

キー名称 J2EEサーバ用usrconf.cfgファイルとの差異 内容 デフォルト値
add.jvm.arg あり 指定されたオプションを使ってJavaVMを起動します。次のJavaVMのオプションを指定できます。
  • -D<property>
  • -verbose:[class|gc|jni]
  • -Xloggc:<file>
  • -Xms<size>
  • -Xmx<size>
  • -Xmn<size>
  • -Xss<size>
  • -Xprof
  • -Xrunhprof[:help]|[:<option>=<value>, ...]
  • -Xrun<libraryName>
  • -Xdebug
  • -XX:NewRatio=<value>
  • -XX:PermSize=<value>
  • -XX:MaxPermSize=<value>
  • -XX:SurvivorRatio=<value>
  • -XX:[+|-]PrintTenuringDistribution
  • -XX:TargetSurvivorRatio=<value>
  • -XX:MaxTenuringThreshold=<value>
  • -XX:HitachiJavaLog:[<name>]※2
  • -XX:HitachiJavaLogFileSize=<size>※2
  • -XX:[+|-]HitachiJavaLogNoMoreOutput※2
  • -XX:HitachiJavaLogNumberOfFile=<size>※2
  • -XX:[+|-]HitachiOutOfMemoryCause※2
  • -XX:[+|-]HitachiOutOfMemoryStackTrace※2
  • -XX:HitachiJavaClassLibTraceLineSize=<size>※2
  • -XX:[+|-]HitachiOutputMilliTime※2
  • -XX:[+|-]HitachiThreadDump※2
  • -XX:[+|-]HitachiVerboseGC※1※2
  • -XX:[+|-]HitachiCommaVerboseGC※2
  • -XX:HitachiVerboseGCIntervalTime=<time>※2
  • -XX:[+|-]HitachiVerboseGCPrintCause※2
  • -XX:[+|-]HitachiVerboseGCPrintDate※2
  • -XX:[+|-]HitachiFullCore(UNIX用のオプション)※2
  • -XX:[+|-]HitachiThreadDumpToStdout※2
  • -XX:[+|-]HitachiOutOfMemorySize※2
  • -XX:[+|-]HitachiOutOfMemoryAbort※2
  • -XX:[+|-]HitachiOutOfMemoryAbortThreadDump※2
  • -XX:[+|-]HitachiJavaClassLibTrace※2
  • -XX:HitachiJavaClassLibTraceLineSize=<size>※2
  • -XX:[+|-]HitachiLocalsInThrowable※2※3
  • -XX:[+|-]HitachiLocalsSimpleFormat※2
  • -XX:HitachiCallToString=<適用範囲>※2
  • -XX:[+|-]HitachiTrueTypeInLocals※2
  • -XX:[+|-]HitachiLocalsInStackTrace※2
  • -XX:[+|-]HitachiReserveSwapSpace(UNIX用のオプション)※2
システムプロパティを指定したい場合は,"-D"を利用せずに,usrconf.propertiesファイルに指定します。
複数のオプションを指定する場合,同じキー名称を使用して,次のように複数回指定してください。
(指定例)
add.jvm.arg= -Xms128m
add.jvm.arg= -Xmx256m
なお,次のように複数のオプションを指定できません。指定をした場合,JavaVMの初期化に失敗します。
(指定例)
add.jvm.arg=-Xms128m -Xmx256m

  • -Xms128m
  • -Xmx256m
  • -XX:NewRatio=2
  • -XX:PermSize=64m
  • -XX:MaxPermSize=64m
  • -XX:+HitachiOutOfMemoryStackTrace
  • -XX:HitachiJavaLog:
    ・Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\web\containers\<サーバ名称>\logs
    ・UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/CC/web/containers/<サーバ名称>/logs
  • -XX:HitachiJavaLogFileSize=4m
  • -XX:-HitachiThreadDumpToStdout
  • -XX:+HitachiOutOfMemoryAbort
  • -XX:+HitachiVerboseGC
  • -XX:+HitachiVerboseGCPrintCause
  • -XX:+HitachiOutputMilliTime
  • -XX:+HitachiJavaClassLibTrace
  • -XX:HitachiJavaClassLibTraceLineSize=1024
  • -XX:+HitachiLocalsSimpleFormat
  • -XX:+HitachiTrueTypeInLocals
  • -XX:+HitachiLocalsInStackTrace
  • -XX:+HitachiReserveSwapSpace
cpp.library.version なし プロセス内で使用するlibstdc++ライブラリのバージョンを指定します。 5
web.add.class.path 独自 設定されている値をクラスパスに追加します。複数のオプションを指定する場合,同じキー名称を使用して,複数回指定してください。
コンテナ拡張ライブラリを使用する場合は,コンテナ拡張ライブラリ用のJARを指定します。

注意事項
このキーで追加したクラスパスを使用するWebアプリケーションは,J2EE 1.3仕様に従わないアプリケーションになります。将来的にJ2EE環境での実行を予定しているアプリケーションでは,このキーを使用しないで,WARファイルのWEB-INF/lib以下に,Webアプリケーションで使用するすべてのJARファイルを格納してください。
なし
add.library.path なし JNI用の共有ライブラリを指定します。コンテナ拡張ライブラリがJNIを利用する場合だけ指定します。
web.server.corefilenum(UNIX用) 独自 Webコンテナサーバ再起動時に残すcoreファイルの数を0〜16の整数で指定します。なお,このキーは,UNIX用です。
次に示す対象coreファイルのうち,作成日時が新しいのものから指定した数のファイルを残し,それ以外のファイルは削除されます。通常はWebコンテナサーバダウン時に出力するcoreファイル数の1を指定します。

対象coreファイル
/opt/Cosminexus/CC/web/containers/<サーバ名称>/core*
  • 再起動時にすべてのcoreファイルを削除する場合は,0を指定します。
  • 手動による運用またはManagement Serverを使用する場合は,1以上を指定します。
対象coreファイルのうち,上書き,または削除される可能性のあるcoreファイルについては再起動時にリネームされます。

Linux(プロセスID付きの設定)の場合
core.<core生成プロセスID> → core.<core生成プロセスID>.<coreファイル作成日時>

上記以外の場合
core → core.<coreファイル作成日時>
<coreファイル作成日時>の形式は,yymmddHHMMSSです。
なお,coreファイルのリネーム,または削除に失敗した場合はメッセージKDJE40047-Eを出力し,Webコンテナサーバ起動処理を中止して異常終了します。
また,次のことに注意してください。
  • 対象coreファイルと同じ名称のファイルを作成した場合は削除されます。
  • coreファイルの削除はWebコンテナサーバ再起動時に処理されるため,再起動するまでは定義数以上のcoreファイルが出力されている場合があります。
  • 定義数+n分のcoreファイルが残るためディスク容量に注意してください(n:再起動されるまでにWebコンテナサーバが出力するcoreファイル数)。
1
web.server.log.directory 独自 指定されているディレクトリをログファイル※4の出力先として使用します。パス長は,1〜200バイトで指定します。Windowsの場合,UNC名を含むパスは指定できません。UNIXの場合,nfsマウントされたディスク上へのパスは指定できません。
このキーを指定する場合,サーバ開始前にログ出力先ディレクトリを作成してください。存在しないディレクトリが指定された場合は,J2EEサーバまたはWebコンテナサーバ開始時にKDJE40024-Eのメッセージが出力され,異常終了します。
ほかのJ2EEサーバやWebコンテナサーバとログ出力先が,同じディレクトリにならないように注意してください。同じディレクトリを指定した場合,動作は保証されません。
なお,このキーを指定して,デフォルトの出力先以外にログを出力する場合,変更先ディレクトリ下のログファイルはサーバをアンセットアップする時に削除されません。ログファイルを削除したい場合には,手動で削除してください。

  • Windowsの場合
    <Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\web\containers\<サーバ名称>\logs
  • UNIXの場合
    /opt/Cosminexus/CC/web/containers/<サーバ名称>/logs
web.server.log.stdout.filesize 独自 cjstdout.logファイルのサイズの上限値を4096〜2147483647の範囲(単位:バイト)の整数で指定します。 1048576
web.server.log.stderr.filesize 独自 cjstderr.logファイルのサイズの上限値を4096〜2147483647の範囲(単位:バイト)の整数で指定します。 1048576
jvm.type なし 使用するJavaVMのタイプを指定します。

(凡例)

あり:
Webコンテナサーバ用usrconf.cfgファイルのキーとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルのキーに差異があります。詳細については,「内容」の列を参照してください。

なし:
Webコンテナサーバ用usrconf.cfgファイルとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルで共通のキーです。キーの詳細については,「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

独自:
Webコンテナサーバ用usrconf.cfgファイル固有のキーです。キーの詳細については,「内容」の列を参照してください。

−:
Webコンテナサーバ用usrconf.cfgファイルとJ2EEサーバ用usrconf.cfgファイルで共通のデフォルト値です。デフォルト値の詳細については,「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

注※1
JavaVMの情報およびガーベージコレクションのログに,拡張verbosegc情報を出力するかどうかを指定します。
拡張verbosegc情報を出力する場合,「-XX:+HitachiVerboseGC」を指定してください。拡張verbosegc情報を出力しない場合は,「-XX:-HitachiVerboseGC」を指定してください。なお,デフォルトでは拡張verbosegc情報は出力されます。
拡張verbosegc情報を出力する場合,ガーベージコレクションの内部領域(Eden領域,Survivor領域,Tenured領域,およびPerm領域)の種別ごとに情報を出力します。なお,拡張Verbosegc情報だけを出力したい場合は,クラスライブラリのスタックトレース出力オプションを一時的に出力しないに設定することを推奨します。
JavaVMの情報およびガーベージコレクションのログに出力される拡張verbosegc情報の詳細については,「16. JavaVM起動オプション」を参照してください。

注※2
JavaVM拡張オプションについては,「16. JavaVM起動オプション」を参照してください。なお,サポートされるCosminexus Developer's Kit for Javaのバージョンは,OSによって異なります。

注※3
このオプションを有効にした場合,ログファイル(cjweb_exception?.log,user_err?.log)およびデフォルトエラーページなどのスタックトレースにローカル変数名とその内容が出力されます。また,オンライン性能が劣化します。そのため,このオプションはデバッグ時に用いることを推奨します。

注※4
次に示すログファイルが変更の対象になります。

ログの種類 内容 ログ取得ディレクトリおよびログファイル名
メッセージログ 稼働ログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjweb_message?.logs
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjweb_message?.logs
ログ稼働ログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjlogger.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjlogger.log
ユーザログ Webサーブレットログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\web_servlet?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/web_servlet?.log
ユーザ出力ログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\user_out?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/user_out?.log
ユーザエラーログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\user_err?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/user_err?.log
JavaVMの保守情報およびガーベージコレクションのログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\javalog??.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/javalog??.log
保守用ログ 保守情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjweb_maintenance?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjweb_maintenance?.log
障害発生時の例外情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjweb_exception?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjweb_exception?.log
Webコンテナの保守情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjwebcontainer?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjwebcontainer?.log
終了プロセス情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjweb_shutdown?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjweb_shutdown?.log
起動プロセス標準出力情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjstdout.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjstdout.log
起動プロセス標準出力情報バックアップ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjstdout_save.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjstdout_save.log
起動プロセス標準エラー情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjstderr.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjstderr.log
起動プロセス標準エラー情報バックアップ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjstderr_save.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjstderr_save.log
Webコンテナ保守用トレースログ
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\cjweb_access?.log
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/cjweb_access?.log
TPBrokerのトレース TPBrokerのトレース情報
  • Windowsの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>\TPB 配下
  • UNIXの場合
    <web.server.log.directoryキーの値>/TPB 配下

(5) 記述例

(6) 注意事項