Cosminexus システム運用ガイド

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9.1.4 アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムをメンテナンスする場合の起動と停止

アプリケーションサーバの1:1系切り替えシステムをメンテナンスする場合の,起動と停止の手順について説明します。

ここでは,次の三つの場合の停止手順について説明します。

なお,これらの手順は,すでに実行系のホストでCosminexusが起動している場合の手順です。

<この項の構成>
(1) 再起動が不要なメンテナンスの場合
(2) 再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止する方法)
(3) 再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止しない方法)

(1) 再起動が不要なメンテナンスの場合

再起動が不要なメンテナンスをする場合の起動と停止の手順を次に示します。

  1. 実行系のホストで,動作中のJ2EEアプリケーションとリソースアダプタを停止します。
    バッチサーバの場合は,バッチアプリケーションが実行中でないことを確認してからリソースアダプタを停止してください。
    停止方法については,マニュアル「Cosminexus 運用管理操作ガイド」の運用管理ポータルと運用管理コマンドによるシステムの起動と停止に関する説明を参照してください。
  2. サーバ管理コマンドを使用してメンテナンス処理を実行します。
    サーバ管理コマンドを使用したJ2EEアプリケーションやリソースの設定方法については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のJ2EEアプリケーションに関する説明,およびリソースの設定に関する説明を参照してください。
  3. 手順1.で停止したJ2EEアプリケーションとリソースアダプタを開始します。
    J2EEサーバの場合はJ2EEアプリケーションとリソースアダプタを開始します。また,バッチサーバの場合はリソースアダプタを開始します。
    開始方法については,マニュアル「Cosminexus 運用管理操作ガイド」の運用管理ポータルと運用管理コマンドによるシステムの起動と停止に関する説明を参照してください。
  4. 必要に応じてJ2EEアプリケーションとリソースアダプタの動作確認をします。
  5. 実行系のホスト(現用系のホスト)で,monswapコマンドを実行して,系を切り替えます。
    実行系のホスト(現用系ホスト)が待機系のホストに切り替わり,待機系だったホスト(予備系ホスト)が実行系ホストになります。
  6. 切り替え後の実行系のホスト(予備系のホスト)で手順1.〜手順4.を実行します。
  7. 切り替え後の実行系のホスト(予備系のホスト)で,必要に応じて,再度monswapコマンドを実行します。
    現用系のホストを実行系に戻す場合に実行してください。
    これで,メンテナンス時の起動と停止の手順は完了です。

(2) 再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止する方法)

再起動が必要なメンテナンスをする場合に,両方の系を同時に停止するときの起動と停止の手順を次に示します。

  1. 運用管理エージェントを停止するスクリプトで,運用管理ドメイン内の論理サーバを一括停止する設定にしていない場合は,実行系のホストで各論理サーバを停止します。
    運用管理エージェントを停止するスクリプトで論理サーバを停止する設定にしている場合は,不要な手順です。論理サーバの停止方法については,マニュアル「Cosminexus 運用管理操作ガイド」の運用管理ポータルと運用管理コマンドによるシステムの起動と停止に関する説明を参照してください。
  2. 実行系のホストでmonendコマンドを実行して,システムを停止します。
     
    # monend サーバの識別名
    下線部分には,serversファイルのオペランド「alias」に指定されているサーバの識別名を指定します。
    実行系のホストが停止します。また,HAモニタによって待機系に自動的に停止指示が出され,待機系のホストも停止します。
  3. 現用系と予備系の両方のホストで,定義ファイルの変更など,メンテナンス作業を実行します。
  4. 現用系のホストでmonbeginコマンドを実行して,現用系のホストの運用管理エージェントを起動します。
     
    # monbegin サーバの識別名
    下線部分には,serversファイルのオペランド「alias」に指定されているサーバの識別名を指定します。
    これによって,現用系のホストが,実行系として起動します。
  5. 予備系のホストでmonbeginコマンドを実行します。
     
    # monbegin サーバの識別名
    下線部分には,serversファイルのオペランド「alias」に指定されているサーバの識別名を指定します。
    これによって,予備系のホストが,待機系として起動します。
  6. 運用管理エージェントを起動するスクリプトで運用管理ドメイン内の論理サーバを一括起動する設定にしていない場合は,実行系のホストの各論理サーバを起動します。
    運用管理エージェントを起動するスクリプトで論理サーバを起動する設定にしている場合は,不要な手順です。論理サーバの起動方法については,マニュアル「Cosminexus 運用管理操作ガイド」の運用管理ポータルと運用管理コマンドによるシステムの起動と停止に関する説明を参照してください。
  7. 実行系のホストで,必要に応じて,定義の変更に関連した動作確認を実行します。

 

参考
serversファイルの定義(HAモニタでのサーバの環境設定)については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のHAモニタの設定に関する説明を参照してください。

(3) 再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止しない方法)

再起動が必要なメンテナンスをする場合に,両方の系を同時に停止しないときの起動と停止の手順を次に示します。

  1. 待機系のホストで,定義ファイルの変更など,メンテナンス作業を実行します。
  2. 実行系のホストでmonswapコマンドを実行して,系を切り替えます。
     
    # monswap サーバの識別名
    下線部分には,serversファイルのオペランド「alias」に指定されているサーバの識別名を指定します。
    実行系のホストのCosminexusが停止してから,今まで待機していた系でCosminexusが起動します。これによって,メンテナンス済みのホストが実行系ホストになります。
  3. 切り替え後の実行系のホスト(予備系のホスト)で,必要に応じて,定義の変更に関連した動作確認を実行します。
  4. 切り替え後の待機系のホスト(現用系のホスト)で定義ファイルの編集など,メンテナンス作業を実行します。
  5. 切り替え後の実行系のホスト(予備系のホスト)で,必要に応じて,再度monswapコマンドを実行します。
    現用系のホストを実行系に戻す場合に実行してください。
  6. 切り替え後の実行系のホスト(現用系のホスト)で,必要に応じて,定義の変更に関連した動作確認を実行します。
    これで,メンテナンス時の起動と停止の手順は完了です。

 

参考
serversファイルの定義(HAモニタでのサーバの環境設定)については,マニュアル「Cosminexus システム構築ガイド」のHAモニタの設定に関する説明を参照してください。